夏休み、誰もいない高原の別荘。 女性ばかりの仲間の中、微妙に絡み合う視線は様々な想いを内包していた。 だが、そこへあらわれた精巧な女性型アンドロイド…… 人に奉仕することを喜びとする素直なアンドロイドに見えたが、 違反改造を施され、厨房での相手として暴走してしまう機能なでついていたのだ。 彼女の過去に何が? 女性ばかりの穏やかな空気を密やかに描く、名作。 |
試験が終わり、沙弥加と美鈴先輩は合宿にかこつけて 二人だけで高原の避暑地を訪れた。 プールへと誘う美鈴先輩が沙弥加に指をはわせたとき、 沙弥加の意識は忘れていても、身体はその温もりを覚えていた……。 甘い欲望は、美鈴を慕う亜紀が出現して破られるが、 三人の無邪気な歓声は、やむことがなさそうに思えた。 だが、その夜、飼犬のルイを追って迷い込んだ林で、 沙弥加は怯えた瞳のアンドロイドと出会う。 メモリをを封印された彼女は、名前だけを呟いた。 「リニア……」 |
「マスター」と慕うリニアと沙弥加の仲が進展するのに時間はいらなかった。 悲しい瞳の色に不安を感じた沙弥加は、リニアを強く抱きしめた。 お互いの鼓動が呼応するように重なり、強い感覚に一瞬息を止める。 そして、視界は闇に奪われた……。 明けそうにないほどの夜を越え、二人は新しい朝を迎えた。 振り向いてくれない美鈴を一途に求める亜紀は、 木漏れ日に晒すように自らを慰撫していた。 そこへ音もなく忍び寄る邪悪な意志に満ちたアンドロイド・アスタリクス。 彼女の目的とは? |