生王正生の「事件の裏側」
元気スーパーゲームランチの大人気シリーズ
探偵・癸生川凌介事件譚」の脚本担当
生王正生(いくるみまさお)のインタービュー。
 ■ 第3回 名前読めねーよ!

――ところで、この「癸生川シリーズ」の登場人物には架空の名前が付けられてるようですが、何と言うか…その、とても個性的ですよね?

生王 最初は非常に多くの「名前読めねーよ!」という感想を頂きました。ありがとうございます。

――どうしてまた、こんな変な名前にしたんですか?

生王 よく耳にする苗字って、もう何となく決まったイメージがあるじゃないですか。例えば主人公が「斉藤さん」という名前だとしても、ユーザそれぞれの頭の中には既に色々な「斉藤さん」がいるんですよ。真っ先に思い浮かぶのが、クラスのわんぱく坊主かも知れないし、憧れのお姉さんかもしれない、何かの作品に登場したキャラかもしれない、歴史上の人物かも知れない。

――はいはい。

生王 元々が携帯アプリでビジュアル面が弱いですから、名前を聞くだけで「こいつ!」というイメージを植え付けたかったんです。最初は戸惑うと思いますが、なるべく読み仮名を振るようにしてるので、慣れてもらえばもう、癸生川凌介、白鷺洲伊綱…という字面を見るだけで彼らの姿が思い浮かぶようになることでしょう。そしたらこっちのものです! くふふ。

――生王正生も変な名前ですよね。これはどのようにして決まったんですか?

生王 まさか自分のペンネームになるなんて思ってもいなかったんで、見てのとおり字面の面白さだけで決めました。でも「生王」という苗字は実在するらしいんですよ。それを見て、似た字面の「正生」という名前を充てたら面白いんじゃないかな、と。

――読めねーよ。

生王 「癸生川」も「白鷺洲」も実在する苗字です。検索すれば色々出てきます。「音成」はオリジナルかなあ。これはダジャレだけで付けました。彼はこの名前が決まった途端、性格も決まったというステキなキャラですね。

――名前と言えば、印象的なメールが来ましたねえ。

生王 ああ、ありましたね。「伊綱」という名前の方から「私と同じ名前でビックリしました!」ていうのが。僕もビックリしました。

――珍しい名前なのに、なんかすっかり馴染んじゃいましたね。

生王 「いづな」という語感は、可愛くもカッコ良くも取れるので良いなと最初から思ってたんです。でも、普通は「飯綱」って字を充てるんですが、それだと字面が何か堅かったので勝手に「伊綱」にしたら、実は実在する名前でビックリ!という始末。歴史上にもいるみたいですね。藤原伊綱とか。後から知りました。パクりじゃありませんよ!ちなみに、アクセントは「づ」にかかります。

――名前と言えば、矢口さんも印象的ですねえ。知床さん。

生王 地元に矢口って町があるんですけど、宛名を横書きで書くと「知」っていう字になったりしてたんですよ。「東知3丁目」とか。じゃあ、それを絡めて熟語にできる名前を探したら「床子」が面白いかな、と。これが知床さん誕生の瞬間よ! 別に北海道出身じゃないわ! 矢口よ、矢口!

――なんか混じってますよ。

生王 まあ、こんなふうに名前ひとつひとつにもこだわりを持って付けてるのです。なので読めなくても気合いで読んでください。字面で覚えてください。そんな感じで今後ともよろしくお願いします。

――ハイまた来週!

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