勇午
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Story
最終話「ナージェンカのために」
遂にガラーホワ少将との交渉(ネゴシエーション)に辿り着いた勇午。勇午はナージェンカの身の安全を確かめ、ナージェンカの前で資産引き出しに必要な残りの3桁の暗証番号を教えると提案する。

「・・・これで最後だぞ。」

ガラーホワは怒りの形相でそれに従った。
翌日、勇午たちは地吹雪の中ナージェンカの住む村に向かっていた。その車中にてガラーホワは偉大だった父に心を馳せる。高い地位に昇りながら祖国のために全身全霊をもって勤めあげ、一切の財産を残さなかった父。その意志を継ぎ、祖国大ロシアを必ず復興させる。この女性もまた祖国ロシアを愛していた。そしてオリガ・・・。栄光を失い、貧困と犯罪が蔓延する無秩序な国となってしまった祖国。そんな祖国のために資産を残したセルゲイ氏の意志を何とか成就させたい。オリガもまた祖国ロシアを愛おしく想っていた。

ナージェンカの住む村に着いた一行。そこは氷結した湖と山々に囲まれた小さな村だった。そして小さな古い教会が見える。その礼拝堂に一心に祈るナージェンカの姿があった。

「・・・ナージェンカ、とってもいい名前だね。」

待切れないガラーホワをよそにナージェンカに優しく語りかける勇午。そして聖母マリアの指輪とハリストスの指輪を重ねあわせ、指輪に刻印されている数字を見せた。
「ごらん、ここに7が2つ並んでるね。この間に3桁の数字を入れるとしたら、どんな数字が入るかな。」
しばらく指輪を見つめるナージェンカ。すると、
「988です。」
言葉を失うガラーホワとオリガ。そして勇午は刻印された数字は全てロシアの歴史に関わる年号と答えた。
「988年。モスクワ公ウラジミールがケルソネスで洗礼を受けた年であり、それはロシアに愛がもたらされた年です。」
そう988年とは、キリスト教をロシアの国教と定めた年であった。
これで指輪の謎は解けた。ガラーホワはナージェンカの国外移住許可書を勇午に渡した。しかし、ナージェンカはどこにも行きたくないと涙を流した。
「・・・だって私、ロシア人だもの。」
この12才の少女もまた、祖国ロシアを愛していたのだ。

陽光が射し込む教会の前で、ガラーホワは勇午に最後の質問を投げかけた。
「ユーゴ、お前は本当に指輪のメッセージが解っていたのか。」
「いいえ、ナージェンカなら解けるという確信だけです・・・人の心に賭けたんです。」
ガラーホワは小さくうなずいた。小さな古い教会にエンジェルロードが架かっていた。それはロシア復興の希望の光にも見えた。

〜エピローグ〜
ハバロフスク。人々の生活の息遣いがこだまする街並に2つの人影がゆっくりと歩んでいた。ふと、ひとつの影が花屋に気付く。
「ちょっと待ってて。」
そう言い聞かすとその影はあっという間に雑踏に消えていった。不安げな表情を見せるもうひとつの影。しかし、ほどなくその表情が緩む。
花束をすっとあげる勇午。そう、勇午は「約束」を守ったのだ。


本放送:5月25日(火)24:00〜   リピート:5月25日(火)28:30〜、5月29日(土)24:00〜


1st.NEGOTIATION
2nd.NEGOTIATION


原作/真刈信二・赤名 修「勇午」(講談社『アフタヌーン』連載
(C)真刈信二・赤名 修/講談社
(C)勇午製作委員会/キッズステーション