出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)

 戦国時代(せんごくじだい)の儒家(じゅか)に荀子(じゅんし)という人がいました。荀子は孟子(もうし)の性善説(せいぜんせつ)と反対の性悪説(せいあくせつ)を主張(しゅちょう)していた人です。その荀子の言葉に次のようなものがあります。

「学(がく)は以(も)って已(や)むべからず。青は藍(あい)より出(い)でて藍より青く、冰(こおり)は水これを為(な)して、水より寒(つめた)し」

 意味としては、「学問というものは止(とど)まる事がないものである。青い色は藍(藍玉と呼ばれる染色の材料)から作り出すが、元の藍よりも鮮(あざ)やかな青色をしている。冰は水から出来るものだが、水よりも冷たいものだ。」ということになります。

 西暦1世紀の後半の後漢(ごかん)に編纂(へんさん)された「新論(しんろん)」にも同じような記述(きじゅつ)があり、「青は藍より出でて藍より青し。染(そ)めて然(しか)らしむるなり。氷は水より生(しょう)じて水より冷たし。寒さが然らしむるなり。」とあります。

 では、これらの言葉は何を言っているのかというと、弟子(でし)でも努力(どりょく)すれば師匠(ししょう)を超(こ)えることが出来るということです。「藍」が師匠として、そこから作り出された「青」という弟子は元(師匠)の藍よりも優(すぐ)れているということです。

 このことから、師匠より優れた弟子のたとえとして、「出藍の誉れ」という語が出来ました。もっぱら、「青は藍より出でて藍よりも青し」という言葉で表現されることが多く、水と冰のたとえは使われることはあまりありません。

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