青春18切符の旅 〜 高知・京都編 〜

 

プロローグ

 突然、旅がしたくなった。
今までの旅といえば、マイカーで高速道路を使うか特急列車で目的地に行く旅しかしたことがなかった。今度の旅はのんびり時間をかけて目的地に行く旅にしたいと思った。自分を見つめ直すために。(ちょっとカッコイイ...つもり)

 普通列車で旅をしよう。普段は気にもとめないような場所が色々あるはずだ。そういった土地を見ることによって何かを得られるはずだ。自分を見つめ直すためにも、それが一番良いと思った。(やっぱりカッコイイ...???)

 高校生の頃、旅行好きだった今は亡き祖父に言われた言葉を思い出した。

 「青春18切符っていうのがあるから、それで旅行でもしたら人生の勉強になるよ。」

 調べてみると今がちょうど、「青春18切符」の発売シーズンだった。

 「青春18切符」というのはJRが発売する切符で、普通列車にしか乗れないが、その日の午前0時から翌日の午前0時を過ぎて最初に停まる駅までを一日として、合計で5日は列車に乗り放題できるという切符だ。もちろん5日続けて使わなくてもよく、また、複数人数で使うこともできる。ただし、発売されるのが年に3シーズンくらいしかなく、だいたい学生さんが長期の休みに入る時期に発売されるようだ。「18」という名前がついているが、若者だけしか使えないというわけではなく、年齢は無制限である。詳しくはJRに問い合わせるか、青春18切符について詳しく説明が書かれているホームページが色々あるので、そこで調べてもらいたい。

 早速最寄の駅で「青春18切符」を買った。なんと5日乗り放題で11500円なのだ。これを安いと思わない人は、おそらくいないと思う。そして、大切なのは時刻表。ある程度予定を立てておかないと思わぬところで足止めをくう事が考えられるからだ。もちろん列車の時刻を調べるのに必要不可欠ということもある。

 さて、どこに行こうか...私は坂本龍馬を尊敬している。他にも尊敬している人物はいるが、坂本龍馬の故郷である「土佐(高知)」に行くことに決めた。昔から行ってみたい土地であったからだ。

 そこで時刻表で調べることにした。えーっと、なになに...あれ?ちょっと待てよ。これって...私の旅の予定は3月4日から3月8日までの5日間である。そして、この時刻表は3月11日からのJRダイヤ改正後のものである。ダメじゃん!

 私は急いで本屋に向かった。時刻表2月号を入手するために。しかし、何件か本屋を巡ったが、時刻表2月号を置いてある店はなかった。えーい、どうしてダイヤ改正以前なのに現行ダイヤが載っている時刻表が売ってないんだ!でも、無いものは仕方が無い。家に帰ってインターネットでコツコツと乗換駅の時刻表を探してプリントアウトした。何たることだ...

 インターネットで入手した時刻表とにらめっこをして、ある程度旅のスケジュールが決まった。一日目は茅野駅を出て中央東線で塩尻駅へ。そこで中央西線に乗り換えて中津川駅まで。中津川から名古屋駅へ。名古屋駅から米原駅へ。米原駅から姫路駅へ。姫路駅から岡山駅へ。そこで宿泊。二日目は岡山駅から坂出駅へ。坂出駅から琴平駅へ。そこで金毘羅さんをお参りして、琴平駅から高知駅へ。そして宿泊。三日目は高知を見学する。四日目は高知駅から坂出駅へ。坂出駅から岡山駅へ。岡山駅から姫路駅へ。姫路駅から京都駅へ。京都で宿泊。五日目は午前中に京都を見学して、午後に京都駅から米原駅へ。米原駅から名古屋駅へ。名古屋駅から中津川駅へ。中津川駅から塩尻駅へ。塩尻駅から茅野駅へ。という非常にアバウトな計画を立てた。まあ、どこで何があるかわからないからキッチリした計画はあまり意味が無いだろうと自分に言いきかせ、また、ある程度ブラリブラリの気ままな旅にしたかったので、これでいいと思う。

 宿は予約しない。気ままな旅だから当然である。ある程度大きな都市の駅前だったらビジネスホテルがあるだろうし、カプセルホテルや健康ランドのようなところもあるだろう。駅には観光案内、宿泊案内所があるからその場その場で決めればいいわけである。なまじ宿を決めて行くと時間が気になって仕方が無いだろうし。あくまでものんびり気ままな旅にするのだ。

 出発の前日、仕事から帰ってから旅の準備をする。バッグは大きめのリュックサックだ。旅を決めた時から「バックパッカー」という人種になることに決めていた。さて、持っていくものは...当然、着替え。下着を5日分。シャツは最初から着ていくものの他にもう一枚持っていく事にする。そして、歯ブラシなどの洗面用具に、コンビニのビニール袋を数枚。あとはカメラと携帯電話と、高知・京都のガイドブック。もちろん財布と今回の主役である(?)「青春18切符」様。そうそう、単行本を一冊持っていこう。電車の中で暇になることもあるだろう。こんなところかな。リュックには帰りのお土産スペースもちゃんとあるし...あっ、そうだ。折り畳み傘を持っていこう。えーっと、折りたたみ傘は玄関にあるから、明日の朝出発する時にリュックに付けよう。

 さて、荷物の準備も出来たので、後は風呂に入り、早めに寝ることにした。なにしろ明朝は茅野駅6時14分の始発である。朝6時14分などという時間は、普段は寝ている時間だ。早く寝なくちゃ。寝なくちゃ...寝なくちゃ...寝なくちゃ...寝れない!!
これでは遠足前夜の子供と同じだ。明朝は5時に起きなくちゃいけないのに。10時に布団に入り、早や2時間。目だけでもつぶっていればそのうち寝られるだろうと思い、そうしていたらいつの間にか寝ていたらしい。

HOME   NEXT