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2005.11.28 更新

 

【JC】ゼンノロブロイまたも“防衛失敗”3着

JC史上初の連覇は夢と消えた。単勝2.1倍の1番人気に支持されたゼンノロブロイは、コンマ3秒差の3着。天皇賞・秋2着に続き“防衛戦”を飾れなかった。

8キロ増の馬体重は予定通り。レースでは中団やや後方の外めを追走。ケント・デザーモ騎手との呼吸もピタリとつき、内のアルカセットを見ながら流れに乗った。3〜4コーナーでは若干のズブさを見せたが、直線では右ステッキにスッと反応。馬群の外から一瞬、突き抜けるかの脚色で伸びた。残り200メートル。先頭に立ちかけた坂上で勢いを欠き、弾けきれなかった。

興奮気味に引き揚げてきたデザーモ騎手は「注文通りの競馬はできた。直線でもよく伸びていたが、最後の100メートルで止まった。負けたことは悔しいが、次の有馬記念でもう一度、乗るチャンスがある」。藤沢和雄調教師は「時計が速かった分、最後は一杯になってしまった。また次、頑張ります」と言い残し検量室を後にした。

今シーズンは4戦4敗。昨年の王者が3冠馬ディープインパクトと初対決を迎えるグランプリを前に窮地に追い込まれたが、古馬の意地を見せてくれると信じたい。

(和田稔夫)

★武痛かった不利…4着リンカーン

GIの常連リンカーンは中団から脚を伸ばしたが4着まで。前日のJCダートをカネヒキリで制した武豊騎手のJCダブルは叶わなかった。「内々で理想的な位置を取れた。でも最後にゼンノロブロイに寄られてしまったからね。それで(ロブロイに)ハナ差だから、もったいなかったよ」と、ユタカは激しい直線の攻防での不利を嘆いた。

★“有馬”に光明…10着タップダンスシチー

一昨年の覇者タップダンスシチーは、果敢に逃げて本来の競馬に持ち込んだが10着。佐藤哲三騎手は「硬い馬場で少し速いかなって思ったが、向こう正面に入ってからは落ち着いて走ってくれた。4角を回ってからも手応えはよかったんだが…」と振り返った。休み明け2戦目で、馬体も10キロ減と絞れていた。「ダメージがないようなら次はワンランク上の競馬が出来ると思う」と有馬記念での好走を誓った。

★現状“ここまで”…11着アドマイヤジャパン

菊花賞(2着)で早めのロングスパートをかけてディープインパクトを脅かしたアドマイヤジャパンは、初の古馬相手ながらも4番人気の支持を受けたが、直線は末脚を繰り出せず11着に敗退した。「正攻法であの位置(5番手)につけて、勝ちにいく競馬で道中の流れもこの馬向きだった。直線でもあそこからもうひと伸びして欲しかったが、まだ3歳だし現状では頑張っているかな」と横山典弘騎手は淡々と話していた。

◆蛯名正義騎手(サンライズペガサス6着)

「よどみなく流れていたし、この馬も伸びているんだけどね。一瞬はオッと思ったが、あの時計では」

◆松永幹夫騎手(ヘヴンリーロマンス7着)

「勝ち時計も速かったけど、いい競馬はできた。ヘヴンリーも頑張っています」

◆安藤勝己騎手(スズカマンボ9着)

「前走と違って馬は落ち着いていた。内が伸びていたから、狙っていたがゴチャゴチャしていたからね。もう少し内枠なら良かった」

◆ラモン・ドミンゲス騎手(ベタートークナウ12着)

「道中はリラックスして走らせて、直線での伸びに期待したが、うまくいかなかった」

◆ジェイミー・スペンサー騎手(ウォーサン13着)

「状態は悪くなかったが、4コーナーを回ったところで脚が止まった」

◆ダヴィ・ボニヤ騎手(コスモバルク14着)

「折り合いもついて道中はいい感じだった。直線でも伸びかけたけど最後は止まってしまった」

◆本田優騎手(マイソールサウンド15着)

「後ろからの指示でそう乗ったが、前が止まらなかった。最後は差を詰めているし、少しずつ良くなっている」

◆エドガー・プラード騎手(キングスドラマ16着)

「思いどおりの位置取りで競馬できたが、直線ではもう余力がなかった。少し距離が長かったかも」

◆和田竜二騎手(ビッグゴールド17着)

「この馬には厳しいレースになった」

◆四位洋文騎手(ストーミーカフェ18着)

「距離が少し長いかな。でもまだ3歳だし、これから良くなる」