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独占ソフトを一切使わずにコンピュータを動かす。 そうすれば、まっとうな人生が送れる
リチャード・ストールマン interview


独占ソフトは悪と断罪し、
社会改革の理想を追求する
フリーソフト運動の過激なイデオローグ

interviewer: 山形浩生


――GNU(グヌー)プロジェクトの製品はEmacsエディタからHURDみたいなOSからGNU StepみたいなGUIからいろいろありますよね。

 まずその「製品」(product)という表現は、暗黙の前提を含んでいるので気をつけて。製品って、売るために作られるものだよね。ソフト会社は、コピーを売るためにソフトを書く。だからそれは製品。ぼくたちは、ソフトを書くためにコピーを売る。そこにちがいがある。

ちなみに、ぼくもボランティアだよ。
FSFの会長だけれど、
FSFからは一銭も受け取っていない

 GNUは、一部はFSFで書いている。フルタイムのプログラマがいるから。でもボランティアによる部分もかなりある。ちなみに、ぼくもボランティアだよ。FSFの会長だけれど、FSFからは一銭も受け取っていない。みんなにお手本を示す意味もあるし、あと寄付を求めるに際しても、私利私欲でやっているんじゃないことがわかってもらえるだろう。

――最近登場したカーネルのHURDは、当初考えていた先進性を実現できていると思いますか。

 いや、まず「当初」考えていたのは、そんな技術先進性じゃない。それもGNUに対するよくある誤解。GNUの目的は、社会の進歩なんだ。ソフト利用者の自由の拡張ってこと。もちろんぼくはハッカーだから、いいシステムは作りたい。でも、GNUはまず何よりも、独占ソフトをいっさい使わずにコンピュータを動かすためのものなんだよ。そうすれば、まっとうな人生が送れる、つまり他人と協力して生きることができるから。独占ソフトは、コピーさせない、協力させないってことだから。

 ただしHurdの場合その過程でいくつかぼくらのアイデアも入れたし、先進性も狙った。それは今でも十分有効で先進的だと思うけどね。クリーンで強力な設計になってる。

――あなたは主にどこに関わってるんですか。今でもコーディングするんですか。

 するよ。ほとんどEmacs。コーディングもやるよ。今は主にデバッグだけど。もうすぐ電総研の半田氏のコードが入ったEmacs20がリリースされるよ。