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皮膚と「こころ」の問題 |
NO.21 2001/12/19 |
小著“皮膚と「こころ」” わたしは先に小著“皮膚と「こころ」”において皮膚と「こころ」のつながりを深く掘り下げて考え、 皮膚は「こころ」を左右し、ある意味では「こころ」をつくると強調しました。 そして、知識と才能の座である脳と、体の表面を覆っている皮膚とは発生学的にも兄弟のような間柄にあり、人間の性格や人格、意志の強さなどとも深いつながりをもっていることを忘れてはならないと訴えました。 また、皮膚病を治す場合でも、「こころ」の問題を無視しては、皮膚科で治療を受けている患者さんの少なくとも40%のマネージメントはうまく行かないのではないかということも併せて強調しました。 この小著の大要は次のとおりです。 心と肌の仕組み 1993年に発表された「神経系と免疫細胞の関係」についての論文(資生堂がハーバート医科大学と共同でマサチューセッツ総合病院内に設立した皮膚科学研究所(CBRC)における発見)によりますと、レーザー電子顕微鏡写真によって、皮膚の免疫細胞(ランゲルハンス細胞)に脳からの神経伝達物質が直接入り込んでいる状態が確認され、脳と肌の直接的なつながりが再確認されました。 お化粧の効果 お化粧の効果を次のように並べてみました。 ・ 人は化粧することにより、別の人格に変わっていく。 ・ お化粧と人の心の動き(化粧心理) ・ メーク・アップに自身がつくと、不思議にその人の態度や生き方にまで自身がつく。 ・ 新しい口紅をつけた時、みんなワクワクする。 ・ 老人性痴呆症に化粧が効果的−痴呆症の女性がお化粧で生き生き! 徳島県鳴門市の鳴門山上病院における看護婦グループの研究結果 これは先年発表されたものですが、入院している女性患者41人(平均年齢81.43歳)を対象に、7月〜10月まで毎日20分間程度お化粧をさせたところ、 9割近い36人に「顔つきが明るくなる」,「笑顔が増す」などの表情の変化がみられたということです。 痴呆症では、精神機能は下がっていても、感情面の機能はかなり残っているために、音楽療法やレクリエーション療法などと同様、化粧療法によって感情面を活性化させることにより、痴呆状態の進み具合をある程度遅らせるのではないかと考えられています。 |