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長野県立丸子実業高校1年男子−部活がらみで自殺


この問題を議論する
(常設掲示板)


 長野県立丸子実業高校1年男子(A君)が12月6日早朝、自殺した。

  A君は、昨年の全国大会第2位という強豪バレーボール部に所属していたが、部活での上級生部員による暴力、声帯異常で声がかすれていたことへのからかい、家出等を契機として、謝罪を求める母親と学校・県教委・部活保護者らが対立。当会を含めて、県議・報道関係者・児童相談所・高体連・警察等々を巻き込んで問題がエスカレートする中で、A君が完全に自分の居場所を失ってしまった結果の自殺と思われる。

 

  夏休みの提出物が遅れ成績が1になることを友人の前で指摘し、これを学級通信に掲載するという担任の無神経な言動。その直後の家出を心配する母親の想いを関係教員らは真摯に受け止めず、極めていい加減なフォローしか行わなかったことなどが発端となり、以前からの部活動での暴力、からかいを問題視して謝罪を求める母親に対し、学校側はこれらを暴力やいじめと認識せず、速やかにきっちりとした対応を行わなかった。そのため母親は、9月以降、学校・県教委に度々抗議し、県議に申し入れ、知事に手紙を出し、複数の新聞社に問題提起するなどの行動を起こし、学校側の謝罪を求め続けた。

 

  また、高体連への申し入れ・警察への被害届などにより部活保護者らは揃って態度を硬化し、A君が学校へ行きたいというのは主に部活動をやりたいということだったが、A君を受け入れる状況は学校を含めて部活に全くないという中で、10月中旬、当会に相談があった。

 母親は、部活顧問、同部長、保護者たち、担任、校長、県教委担当者たちとの個別のやり取りの中でのその時々の出来事、例えば、バカと言われた・電話を切られた・電話に出ない・事実を否定された・嘘をつかれた・ごまかされた等々、過去に遡っての出来事を指摘し、当然、県教委・学校・部活動関係者などはそれに対して反論を含めた反応をするわけだが、さらにそれぞれの反応一つ一つをバネにして抗議をエスカレートしていくという状況で、ついに学校側は、生徒たちや保護者たちにA君及び母親と直接接触しないようにとの方針を打ち出し、A君が部活に戻っていくことは誰が考えても到底不可能という状況が作り出された。

 

  これは、元を質せば、ひとえに学校の初期対応の悪さと部活の組織防衛が原因となっているわけだが、9月から不登校となっているA君に対し、学校が欠課を含めた出席日数の限界を郵送したことを機に、12月始め、県教委・学校・母親との長時間に渡る話し合いの末、ようやく5日(月)からA君を登校させることで合意したが、5日当日、母親は登校させることを拒否、A君の名前で複数の関係者にメールを送り、6日早朝、「お母さんがねたから死にます」という遺書を残し、A君は自らの命を絶った。

  その2日後の8日夜、バレーボール部父母会は記者会見を開き、上級生部員がA君をハンガーで叩いたことや、「いじめをどう定義するかによるが、いじめられた側がそう思うのであれば認めなければならない」とした上で、母親から部活教員や生徒宅に「暴言や誹謗中傷のファクスなどがあり、部活動にも影響が出た」とするコメントを発表。また、遺書の文面を巡って異論が出るなどの状況となっている。

 

 A君はもちろん、その他関係者の個人情報に係ることなので、すべて掲載することはできないが、事実関係を少しでも明らかにしたいとの思いから、今回、当会が取得した資料を元に出来るだけ事実関係のみを抽出して作成した「自殺までの経緯」を掲載する。

  また母親から相談を受けていた奥秋昌夫氏(フリーライター)のブログにも、この問題が取り上げられている。(このリンクは同氏から許諾を受けている)

 >>http://blog.livedoor.jp/tuigeki/

 

 極めて多くの大人たちがこの問題に関わり、あるいは関わり過ぎたが故に、母親への想いとの板挟みでA君は悩み、居場所をなくし、友人たちと同じように学校に通い好きなバレーボールを続けたかったであろう彼の想いに、もう一歩踏み込んで関わることが出来ず、このような不幸な結果になってしまったことは、当会を含めこの問題に関わった全ての関係者たちの責任でもあろう。

 特に学校・県教委は、決して母親だけに責任転嫁することなどがあってはならず、いったい誰のための教育行政であるのかという、彼が身をもって突きつけた教育本来のあり方に立ち返り、二度とこのような不幸な状況を作り出して子どもを追い込むことのないように、この事件を検証し、事実を明らかにした上で、形だけでなく、せめてそれを教育現場で生かしていく努力を続けるのが責務であろう。

 加えて、本件においては、優勝することが学校の名誉、ひいては県の名誉につながるというような、学校・保護者・地域が一体となった勝利至上主義の体育系部活の現状の中で、夏の甲子園大会での駒大苫小牧高校のように、強豪校における部活でのシゴキが一つの原因になっていることを見逃してはならない。

  今回、A君が登校できなくなる状況を作り出した原因の一つには、母親が高体連バレーボール専門部に問題提起したことが大きな要因として考えられるが、その時、素早く校長・県教委が消火作業をしていれば、部活保護者たちがこれほど態度を硬化させ、A君排除の共同戦線を張ることはなかったであろう。

  当会では、神戸市立御影中での柔道部員死亡事件で市教委が立ち上げた検討委員会に対し、部活動そのものの存在意義についての検討を望む旨の要望書を提出したところだが、中教審・文科省をはじめ各教育委員会は部活動を推進していく方向性にあり、部活が目くらましとなって子どもが悪事を働かないという考え方は、「小人閑居して不善を為す」という考え方からであろうが、目くらましのお陰で世の中一般のことが何も解らず、本来の自分自身をも見失ってしまうという、学校教育の命題である人格形成の足を引っ張る結果になっている状況があるのではなかろうか。

機関紙「日曜夕刊」11月20日号より(部分)

資料

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