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 わが国は、山岳地帯が多く、降雨量も多いため世界でも指折りの水資源に恵まれた国です。しかし、山崩れや土石の流出なども多く、そのようなところでは山地災害の復旧や予防のための治山工事を行っています。現在、実施している規模の大きいものとしては、栃木県足尾町の足尾煙害荒廃地復旧工事や栃木県日光男体山の復旧工事、新潟県松之山町・安塚町・牧村の頸城地すべり防止工事、静岡県大井川上流の荒廃地復旧工事などがあります。また、良質な水の安定供給と、緑豊かな生活環境の保全を創出するため、複層林の造成や水土保全施設などを一体的 に実施し、森林を「緑のダム」とするための森林整備を行うなどの治山事業も実施しています。


■足尾の治山

足尾は、栃木県西部にあり渡良瀬川の源流部にあたります。足尾銅山は、1610年に発見されされ幕府直轄の銅山として経営されました。しかし、良鉱脈が発見された明治時代から精錬量 は飛躍的に増大し、かつてこの辺りにあった豊かな森林は、山火事や銅の精錬による亜硫酸ガスの影響で草木もない荒廃地に化してしまいました。地表の草木を失った山々は、足尾特有の 地形、地質、気象等によって加速度的に荒廃 していきました。 これらの山に緑を取り戻すため、昭和31年から本格的な復旧工事が始まりました。絶えず崩壊を繰り返していた山 腹も、様々な技術や工法により蘇りつつあります。


足尾煙害地
緑化工事施工前 緑化工事施工後



■男体の治山

男体山南東面の遠望
男体山は、那須火山帯の西端部に独立する典型的な成層火山で標高は、2,484mです。地質的に侵食に非常に弱く、山頂を中心にして放射状に分布する「薙(なぎ)」とよばれる直線上の侵食谷が発達し、地形の開析が進んでいます。これらの火山性崩壊から地元住民の安全を守るため、侵食しつつある谷では、階段的な治山ダムと流路工、崩壊した山腹斜面では草木を育てる一次緑化工、安定した斜面では樹を植える二次緑化工などの工事を進めています。

崩壊地略図
崩壊地略図




■頸城(くびき)の地すべり防止事業

この地区は日本海側に位置する地すべり地帯で、毎年11〜5月上旬にかけての多くの地すべりが発生し家屋、道路、森林、農耕地に大きな被害を与えていました。県や地元からの強い要望を受け、昭和35年から民有林直轄地すべり防止事業が実施されました。地すべりは地下深いところで発生するため、その防止事業には技術的に困難を伴います
しかし、地下水排除のための集水井・横孔ボーリング暗きょや地すべり移動に直接作用する杭打工・アンカー工、土砂流出防備のための堰堤・谷止工などを施工し、大きな成果をあげています。

被害状況 鋼管杭打工
ライナープレート集水井工 アンカー工
地下水排除を目的として、地上ボーリング出来ない個所に設置します。
基岩に定着させた鋼棒、鋼索と受圧板を縫いつけ、地すべりを抑制します。




■大井川の治山

 静岡県の大井川上流は、中央構造線と糸魚川-静岡構造線の影響を受け地質が脆弱で、自然環境が厳しいことから森林の荒廃が著しい地域です。このため、大井川治山センターでは、民有林直轄治山事業により大井川上流地域4万4千haを対象に荒廃渓流の整備や崩壊地の緑化を進め、森林の持つ公益的機能の維持向上を目的に、渓畔林の保全や育成を促進させる工法を試みるなど、渓流生態系保全・復元に考慮した新たな治山事業の課題にも取り組んでいます。

被災直後 工事施工後 現況

写真
場所 静岡県静岡市小河内地内
説明 写真では、大井川地区民有林直轄治山事業区域の門沢崩の施工状況です。被災直後(左)施工後(中)現況(右)です。谷止工、山腹基礎工等により復旧を図り、植栽工により森林へと復元しています。

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