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第16回「最低接触戦争(4)」
異星との戦いは、その最初のうち、ひどいハンディマッチだった。
技術格差があり過ぎたのである。もちろん技術的に上だったのは、異星人、第二異星人ネーバルウイッチであった。

後に歴史家によって、投石によってハイテク兵器をふんだんに装備した軍隊と戦ったとされる戦いは、太陽系外縁にて繰り広げられた。

技術的格差がひどくあったことは、第二異星人ネーバルウイッチもよく知るところである。ジャンプドライブもまともに持っていない未開種族がなにを、という感じで、ネーバルウイッチもたかをくくっていた。

その笑いが凍ったのは、戦争をはじめてすぐのことになる。 彼女たちが完全に間違っていたのは、二つある。一つ目は、格差があれば相手は屈服すると思い込んでいたことである。
相手によっては勝てない喧嘩でもやってくるとは、彼女たちは思ってもいなかった。
もう一つは、BALLSである。
たしかに技術格差は大きかったが、BALLSはそれを、工学的に無視して見せた。つまりはその莫大な生産力をもって質を圧倒しはじめたのである。

冥王星軌道にはアステロイドベルトから集められた材料=岩石が新しい惑星を作れるくらいに集められ、火星の水の2%が3年で消失してしまうほど、燃料が作られては送られて行った。

80兆を越えるBALLSが、天王星をも軽く越える直径の、目もくらむほど巨大な工場をよってたかって大量に作り上げ、そこから際限なく量産を開始したのである。
いずれは銀河系全域すらも数十万年で覆いつくすであろうと試算されたBALLSが、文字どおりそれを実行する勢いで、実力を行使し始めたことで、ネーバルウイッチは泥沼の戦いに引きずり込まれた。

そう、たとえ投石とハイテク兵器の戦争であっても、物理法則は平等に働く。つまりはエネルギー保存の法則も、重いものは重いという単純なルールも、技術はこれを本質的に無かったことにはできない。
最新鋭の戦車でも200tほどの岩石を頭上に落とされてはただではすまないのである。200tで平気であっても、300tは無事かどうかわからない。

これを逆手にとってネーバルウイッチの誇る要塞艦の百倍大きい艦を百倍量産して戦うその様は、ネーバルウイッチをして蛮族どもめとののしらせたが、その蛮族は蛮族で、ネーバルウイッチが兵力の逐次投入という兵理でもっとも愚策とされる手をとってきたことを、あざ笑った。

後、ネーバルウイッチが勝てるチャンスがあるとすれば、第一ターンだけだったと言われるように、その後、ネーバルウイッチの勝つチャンスは物量により光の速さで遠ざかり、そして二度と、彼女たちの手に戻ってこなかった。

一方BALLSと知類の混成軍=太陽系総軍も決め手にかけたが、こちらは意気揚々としていた。
そもそも外敵を追い返せば完全に目的を達成できていたのである。

こうして戦争は泥沼のまま、長期化することになった。最低接触戦争が、文字どおり最低と名がつけられるまで、今少しの時間がかかることになる。

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