MSNミュージック インタビュー 椎名林檎

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椎名林檎 インタビュー

●歌詞の一節に“あなたの名前を知りたい”というフレーズがありますけど、過去の作品でもこれと近いことをたびたび歌ってますよね?

椎名林檎:「そうですね。出会った時の、“うわっ”ていうマックスの印象を自分の中で保とうとする、その瞬間が人間の感情の中で一番尊い気がしているので、なにかというと、こういうフレーズが出て来ちゃうんでしょうね」

●音楽的には古典楽器と打ち込みが融合した現代的な楽曲ですよね。

椎名林檎:「“花魁”にしてもそうなんですけど、当初は既に録音した素材を切り張りして、組み立てようと思った曲だったんですけど、せっかくだから、この曲用の譜面を書いて頂こうということになったんです。しかも、ネコさんが“こういうのは得意だから”とおっしゃって、短時間で書き上げて下さいました。ちなみにこの曲の歌は自宅で録ったものです」

●5曲目の「パパイヤマンゴー」は昨年末のファンクラブ・イベント「林檎班大会」で披露したもので、しかも、カバー曲という。

椎名林檎:「ええ。しかも、アルバムにカバー曲を入れるのも初めてなんですよね。ちょっと前に公開された『SAYURI』っていう芸者さんの映画がありましたけど、外国の方とか欧米カルチャーの中で生きている私みたいな世代からすると『さくらん』で描かれている花魁の世界とごっちゃになっちゃうんじゃないかと思ったんですね。花魁っていうのは枕を共にすることだけが仕事じゃなく、歌って踊れなければいけないっていう、ある種、エンターテイナーの側面もあるし、どちらかと言えば、キャバレー的な世界を表現しないといけないな、と。だから、こういうムードっていうのは世界共通なんだと理解って欲しくて、持ってきた曲です」

●そもそも、「林檎班大会」でこの曲を採り上げたのは?

椎名林檎:「映画で使うかなって思ったから」

●あ、昨年末の時点で考えてたわけですね。この曲のオリジナルはローズマリー・クルーニーが歌っているものが有名ですけど、林檎ちゃんは誰が歌ってるもので知ったんですか?

椎名林檎:「ローズマリー・クルーニーとペトゥラ・クラークです。調べてみたけど、出てきたのはその2人だけでした。元はローズマリー・クルーニーなんですよね?」

●そうみたいですね。ただ、ローズマリー・クルーニーのバージョンは英語詞なのに対して、このアルバムに収録されているバージョンって、歌詞が英語とフランス語がミックスされていますよね。

椎名林檎:「ペトゥラ・クラークがそうやって歌っていたんです。彼女って、英語圏の人なんですよね?」

●イギリス人です。

椎名林檎:「ああ、そうなんですね。だから、フランス語に長けた人に聞いても、ちょっと変わった発音だって言ってて。しかも、歌詞カードがなかったので、聞き取ってもらったんですよ」

●その歌詞の内容って、もともとの英語詞をフランス語に置き換えたものなんですか?

椎名林檎:「全然違って、素っ頓狂な内容で、海外の人が聴いたら、すごい変に思うだろうなって。でも、隠れた自分のテーマとして、花魁って、少女期がピークで、嫁入りした時に終わりじゃないですか? それって、ヨーロッパのロリータ信仰文化と近い気がしたので、曲にフレンチなムードを漂わせたかったんです。だから、歌いにくくはあったんですけど、こういう歌詞にしたかったんです」