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フリー・ソフトウェア・
ファウンデーションとは?

公開、共有、そして自発的貢献と協力。
共産主義的ハッカー精神の再生をめざす力。
リチャード・ストールマンとFSFが
電脳資本主義を食い破る!?

Text= 山形浩生
 言うまでもなく、世の中の資源は限られている。この限られた資源をどう配分するか――それが経済活動の基本的な課題だ。有限の資源を効率よく、無駄なく、しかもフェアな形で配分するにはどうすればいいか。みんなそれを一生懸命考えてきた。金持ちが強いという既成事実を認めよう、というのが資本主義。それに対し、それは不公平だからみんなが協力し、資源を共有しよう、というのが共産主義の考え方だ。

 ソ連邦崩壊とともに、共産主義は一応敗退した。が、ソフトウェアの分野で今なお共産主義を保存/提唱し、それをまがりなりにも成立させている集団がいる。リチャード・ストールマン率いる FSF (Free Software Foundation) である。

マルクス主義が夢見た無限の資源。
それがソフトウェアだ

 マルクス的共産主義は、大量生産に期待をかけた。車がいくらでも作れるなら、だれも車を持つ必然性がない。そこらにあるのを拝借しあえばいい。むろん実際には何をつくるのにも手間やコストがかかるので、事態はマルクスの主張通りには進まず、共産主義はまたもや敗退した。しかし今ここに、まさにそのマルクス主義の夢見た、無限の資源が登場したのである。それが情報であり、ソフトウェアだ。デジタル技術の進歩により、情報やソフトの量産には何の追加コストもかからない。

 今の通常のソフト産業は、そうした無制限の複製を禁止することで商売をしている。しかしながら、本質的に複製できちゃう以上、それを人工的に止めようとしてもつらいだけではないか。知的資産への貢献という観点からも、ソフトの基本的な考え方を伝えるソースコードが公開されないのは大きな損失だ。ソフトにおいては、人々が協力して開発を進められるのに、そういう機会が失われるのも悔しい。