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経典釈文(断簡)(けいてんしゃくもん(だんかん))

巻子装 奈良時代
縦27.7cm 全長 836cm 紙数 16紙
 中国の陸徳明が選述した。この部分(断簡)は、天平勝宝年間(749〜757)に書写された。

 『礼記(らいき)』中庸第31から昏義第45におよぶ難読の字についての音義を書写する。日本に伝わるこの書の中で、最古の写本。『礼記』は周末から秦・漢時代、つまり紀元前後の中国の儒者の古礼に関する説を集めた書。

 用紙は『因明四種相違断纂私記(いんみょうししゅそういだんさんしき)』が寛弘7年(1010)に書写された際に『経典釈文(けいてんしゃくもん)』と『講周易疏論家義記(こうしゅうえきそろんけぎき)』の紙背(しはい)が利用された。従ってこれらの書はいずれも部分でしか伝わっていない。

関連項目
講周易疏論家義記(こうしゅうえきそろんけぎき)