「サウンドデザイナーのお仕事」 内海秀明

 皆さん、コンニチワ!
 
 サウンドデザイナーのお仕事について語らせてもらいます、内海秀明です。
 
 ゲームのサウンドっていうとBGMがまず頭に思い浮かぶと思いますが、キャラクターの声、爆発音、カーソルを動かしたときの音、ジャンプしたときの効果音、風やせせらぎの環境音など、BGM以外の音って実はたくさんあるんです。サウンドデザインする人のことをサウンドデザイナーって言いますが、そのサウンドデザイナーは主にそういうBGM以外のサウンドを作るお仕事をしています。
 
 さて、それではその内容を詳しくみていきましょう。


◇効果音制作

 銃の音、剣の音、ジャンプ音、カーソル音、魔法を使ったときの音など、いわゆる効果音を作るサウンドデザイナーとしての基本の仕事です。シンセサイザーやマイクで録り貯めた波形を組み合わせて作っています。
 
 不思議な魔法の効果やアニメタッチのキャラの場合、シンセサイザーを駆使して作ることが多いですが、リアルに聞こえる音なんかも実はいろんな音素材を組み合わせて作っていたりします。これはよくCM業界で使われる映像の「シズる感」と似ています。
 
 「シズる感」というのは、飲食関係のコマーシャルで、視聴者の感覚にリアルに訴えかけるような表現です。たとえばビールのコマーシャルでグラスに水滴をつけて、ゴクっゴクっというような音とともに飲んでたりする映像。現実の世界ではそんなに水滴なんかつかないし、あんなゴクゴクとイイ音は鳴りません。
 
 これは、ビールをより美味しそうに見せるためにわざと水滴と音を装飾して表現しているんですね。ゲームの効果音もそんな感じで、現実の世界のリアルな音をそのままマイクで録っても思ってるほどイイ音はしないので、いろいろな音を混ぜ込んで装飾してゲームの世界で活きる音を作っています。
 

◇データ制作

 様々なアプリケーションやツールを駆使しながら、作った効果音をプログラムで使えるデータにしていきます。
 
 単純な変換でオーケーって思いがちですが、実際そうではありません。ゲームハードのサウンドメモリの制限で、音のサンプリングレートを下げたりADPCM圧縮したりします。この段階でかなり音のキャラクターが変わってしまうので、イコライザー等を駆使して、低容量かつクオリティの高いものを作って行きます。
 
 また、どこでどのような音が必要になるかを的確に判断した上で、それぞれの音をひとかたまりのパックにまとめあげていきます。このときも常にメモリのことを頭に入れて計算していかなければなりません。あと、パックに対応したリクエストテーブルデータというのも作ります。プログラマーさんがサウンドデータをより効率よく呼び出すためのものです。
 
 とまぁ、このような仕事がデータ制作です。 純粋に効果音を作るより手間のかかる大変な仕事だったりします。


◇プログラミング指示

 データを作ってもプログラマーに出しただけではなにも鳴りません。どの音をどこでどういうふうに鳴らすのかっていう指示書を書いたり、直接プログラマーに口頭で言ったりして、キャラクターに対して音をつけていってもらいます。
 
 実際には、先ほどのパックデータをどのタイミングでメモリに読み込んで、対応したリクエストテーブルの何番を鳴らすのか?といったことをひとつひとつの音に対して丁寧に指定していきます。
 
 最近では自社開発のツールを使って、サウンドデザイナーが直接キャラクターモーションに対して音をつけるといったことも可能になって、より迅速にサウンドデザイナーの意図する音をつけられるようになってきています。


◇キャスティング

 ゲームに登場するキャラクターが喋るものになると、いわゆる声優さんが必要になってきたりします。
 
 どのキャラクターにどの声優さんをあてるか、じっくり企画マンと話をしながらきめていきます。原稿を作って、いろんな声優さんに読んでもらい、一番キャラクターにあった人を選ぶといったオーディション形式の選び方もよくする方法のひとつです。
 
 声ひとつでキャラクターの色が変わってくるので、この仕事はとても重要です。

 
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