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【話の肖像画】「生涯不良」続行中(3)映画プロデューサー・角川春樹さん

2008.5.28 02:13
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 ■「時代をつくる」大切さ

 −−角川書店の社長時代に事務所を立ち上げ、「犬神家の一族」(昭和51年)から始まる角川映画でヒットを連発しました。斬新なキャッチコピーやCM、「活字・映像・音楽」の三位一体によるメディアミックス戦略が次々とあたって一種の社会現象になりましたね

 角川 社長だったので、まさに「自分がやりたいように」やれたのです。そして、きちんと業績も上げていたので、誰からも文句を言われる筋合いはなかったしね(笑い)。

 −−横溝正史、森村誠一、片岡義男といった作家の小説を映画化してブレークさせました

 角川 大切なのは「時代をつくること」なのです。

 −−看板女優となる薬師丸ひろ子さんや原田知世さんらをデビューさせたことでも話題を呼びました。今も新人の発掘について関心はありますか

 角川 役者になりたい若者が現在、どれだけいるのでしょうか。「有名になりたい」というのは多いのですが、これは駄目です。何もメッセージ性がない。オーディションをしても求めている人材が来てくれるのか疑問です。そうなると芸能プロダクションから選ぶしか方法がない。ただ、すでに売れている俳優を使うことには全く関心がないですね。

 −−「戦国自衛隊」(昭和54年)や「男たちの大和/YAMATO」(平成17年)では音楽プロデューサーも務めていますが、新作「神様のパズル」の主題歌を担当している女性ボーカリストのASUKAさんは、2年前に自ら発掘したそうですね

 角川 彼女は尾道大学で文芸創作の客員教授をしていたときの聴講生でした。カラオケで初めて声を聴いたのですが、とても心に響いて仰天したのです。薬師丸のときもそうだったけど、こうした「出会い」は大切にしたいですね。

 ≪角川書店とは、実弟の歴彦(つぐひこ)氏が平成5年に社長に就任して以降、決別した。春樹氏は新たに「角川春樹事務所」を設立し、出版・映画製作を続けている≫

 −−歴彦氏が手がける今の角川映画をどう見ていますか

 角川 私のころは「野性の証明」(昭和53年)の宣伝文句「ネバーギブアップ」のように、自分のメッセージを観客に届けやすかった。今の角川映画は作り手の顔が見えないということかな。(伊藤徳裕)

                   ◇

【プロフィル】角川春樹

 かどかわ・はるき 昭和17(1942)年、富山県生まれ。50年、父の角川源義氏の死去に伴い角川書店の社長に就任。平成7年に現・角川春樹事務所を設立。

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