現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. アジア
  5. 記事

中国汚染ミルク 香港、台湾、シンガポールでも

2008年9月22日13時12分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 【香港=奥寺淳、シンガポール=杉井昭仁】中国製の牛乳や乳製品が化学物質メラミンに汚染されていた問題は21日、香港や台湾、シンガポールにも相次いで飛び火した。香港では世界最大手の食品メーカー、ネスレ(スイス)の中国製牛乳からメラミンが検出され、政府機関がネスレに製品回収を求めている。被害はさらに拡大する勢いだ。

 香港でメラミンが検出されたのは、中国山東省青島で製造された業務用の「ネスレ・デイリー・ファーム・ピュア・ミルク」(1リットル)。香港政府の食品安全センターによると、メラミンの濃度は1.4ppmで「通常に飲む程度なら健康に影響はないが、子供には飲ませない方がいい」(同センター)としている。

 また、香港の大手スーパー各社は、ネスレの中国産粉ミルクも撤去を始めた。香港紙・蘋果日報が乳製品の調査を検査機関に独自に依頼した結果、黒竜江省製のネスレの粉ミルク(900グラム缶)からメラミンが検出されたと21日付で報じたため。濃度は0.6ppmと微量だったという。

 これに対し、ネスレは「どの製品もメラミンに汚染されていない自信がある。中国の農家とも緊密な関係を築き、牛乳の質の向上を指導している」と発表し、報道の根拠はあいまいだと批判した。

 ネスレ日本(本社・神戸市)によると、同社の日本国内の工場で製造される製品は、原材料に中国製の牛乳や乳製品を一切使用せず、また、中国製の製品を輸入してもいないという。

 一方、台湾の衛生当局は21日、粉ミルクなどすべての中国産の乳製品の輸入を全面的に禁止すると発表し、即日実施した。飲料メーカー「金車」がインスタントコーヒーに使っていた中国産原材料から微量のメラミンが検出されたといい、同社も製品の回収を始めた。

 シンガポールの農業・食品・獣医庁も、中国製の「ホワイト・ラビット・クリーミー・キャンディー(大白兎乳糖)」からメラミンを検出。中国製の牛乳と乳製品、中国製牛乳を原材料に含む菓子類の輸入・販売を全面禁止し、地元食品メーカーにも使わないよう命じた。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
  • 中国特集
  • 北京五輪への道