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タウンミーティング訴訟:参加希望の原告敗訴 京都地裁

 京都市で05年11月、内閣府主催・市教委共催の「文化力タウンミーティング(TM)京都」が開かれた際、不正抽選によって参加・発言の機会を奪われたとして、同市左京区の大学職員、蒔田直子さん(54)と夫の中学教諭、朴洪奎(パクホンギュ)さん(56)ら4人が国と市を相手取り、総額800万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が8日、京都地裁であった。吉川慎一裁判長は「国と市は無作為抽選を行わず、公務執行への信頼を傷付けた」と述べたが、「TMに参加し意見を述べる権利は、法的保護に値する利益ではない」として請求を棄却した。原告は控訴した。

 判決によると、TMは京都の郷土文化振興のため開かれ、文部科学相らも出席。愛国心教育などを巡って市教委に話し合いを求めていた蒔田さん夫婦も応募した。市教委は関係者を動員し、応募者は定員の200人をオーバー。抽選が必要になった。

 また、市教委は蒔田さんについて「過去のイベントでプラカードを掲げて大声を上げた」との不正確な情報を国に伝達。国は受け付け番号の末尾の数字で当落を決めることにし、蒔田さん夫妻の番号と同じ末尾「5」「9」の応募者約50人全員を落選とした。夫妻以外の原告2人は巻き添えで落選した。

 国の調査で06年、不正抽選が発覚。国は蒔田さんに謝罪したが、訴訟では「発言できなくても表現の自由は侵害されない」と主張。市は「不正抽選は国が行った」と非を認めていなかった。

 判決は「(警備上の理由で)落選させた目的自体は正当だ」と指摘。その上で「希望者の中で参加できない者が生じるのは当然の前提であるから、意見を述べることを期待する権利は法的保護に値しない」とした。【熊谷豪】

 ◇「闘いやめない」原告・蒔田さん

 閉廷後、原告の蒔田さんは「司法が権力の不正を認定しながら、それにお墨付きを与えたことになり、許されない。人が尊厳を傷つけられるのが、軽いことなのか。子供たちにきちんと説明できるまで(裁判での闘いを)やめられない」と話した。

毎日新聞 2008年12月8日 11時54分(最終更新 12月8日 21時07分)

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