【ニューデリー＝長沢倫一郎】インド国防省は18日、パキスタンの一部を射程に入れる超音速巡航ミサイル「ブラモス」の発射実験に成功したと発表した。一方、同国のクリケット協会は同日、来年1月からパキスタンで開催される予定だったクリケットの印パ戦への参加中止を決定。11月に起きたインド西部の商都ムンバイの同時テロを巡り対立を深めるパキスタンへのけん制を狙ったとの見方も出ている。

　「ブラモス」はベンガル湾の艦上から発射した。射程は約300キロで、艦船に搭載すればパキスタンの商都カラチなどが射程内に入る。試合中止が決まったクリケットは印パ双方の国民的スポーツ。いずれも同時テロへの関与を疑われるパキスタンのイスラム過激派の取り締まり強化を求めるインド側のメッセージとみられる。

　一方、パキスタン外務省は18日、インドの戦闘機が14日、2度にわたりパキスタン領空を侵犯したとされる事件で、印政府に正式に抗議した。印空軍は事実関係を否定している。 (00:03)