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【社会】

西尾市長を逮捕 名地検特捜部、600万円受託収賄容疑

2009年2月19日 朝刊

名古屋地検の係官に囲まれ、西尾市役所を出る中村晃毅容疑者(中)=18日午後7時22分、愛知県西尾市で(飯野幸雄撮影)

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 愛知県西尾市長が人材派遣業者に便宜を図るよう依頼され、見返りに賄賂(わいろ)600万円を受け取ったとして、名古屋地検特捜部は18日夜、受託収賄の疑いで同市長の中村晃毅(こうき)容疑者(71)=同市田貫町=を、贈賄容疑で同県吉良町の人材派遣会社「大成閣」社長村田英紀(67)=同市熊味町、元同社統括部長大門功幸(のりゆき)(51)=同県岡崎市=両容疑者を、それぞれ逮捕した。

 地検によると、中村容疑者は「相談は受けたし、現金も受け取ったが、2つの行為に関連はない。現金は借りただけで返済した」と逮捕容疑を否認。村田、大門両容疑者は大筋で認めている。

 村田容疑者らは、社有地に外国人研修センターを建築しようとしていたほか、新築制限のある市街化調整区域に指定されている同容疑者の所有地を建物が建てやすい市街化区域に変更してもらおうと計画していた。

 逮捕容疑では、同センターの建築許可や区域制限の変更について、便宜を図るよう依頼を受けた中村容疑者が、その見返りと知りながら、2006年10月から07年3月にかけて、市長室で3回にわたり村田容疑者らから計600万円を受け取ったとされる。村田容疑者らの依頼はいずれも実現していない。

 中村容疑者は愛知県議などを経て05年9月、西尾市長に初当選し、現在1期目。

 地元の政界関係者によると、村田容疑者は中村容疑者の市長就任前から資金面で援助。中村容疑者が05年分の市民税や固定資産税など百数十万円を滞納していた問題が昨年発覚したが、その際も村田容疑者が肩代わりしていた。

 今回の逮捕容疑になったセンターに関することも含め、中村容疑者が市長就任前に村田容疑者と交わした約束を果たさなかったことから、両者の関係が悪化。村田容疑者が一連の経緯を特捜部に告発したことが捜査の端緒となった。

 大成閣は1994年設立。当初は西尾市内に本店を置いていたが、2001年に吉良町に移転した。民間信用調査会社によると、同社は自動車関連工場などへの人材派遣で収益を伸ばしていた。

 【受託収賄罪】公務員が依頼された個別の事柄について、職務上の権限を行使する見返りに、賄賂を受け取ったなどの場合に適用される。有罪なら7年以下の懲役。単に賄賂を受け取った場合(単純収賄)ならば5年以下の懲役。

 

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