日テレの久保社長が引責辞任  「誤報に監督不行き届き」

　日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ！」が虚偽証言を基に岐阜県に裏金があると報じた問題で、久保伸太郎社長（６４）が１６日、「誤報であり重大な監督指導不行き届き。（辞職で）事の重大性を全社員に認識させたい」として、引責辞任した。ただ、報道内容の捏造や証言者に対する金銭など謝礼の支払いについては否定した。

　細川知正会長（６８）が当面、社長を兼務し、久保社長は代表権のない取締役相談役に退く。

　また同日付で足立久男報道局長を更迭するとともに出勤停止３日の処分に、９日付で袴田直希報道局次長を同３日、担当プロデューサーとディレクター、デスクを同５日とした。

　１６日記者会見した久保社長は「県庁の皆さまや視聴者におわび申し上げたい」と謝罪。虚偽証言を報じたことを「裏付けだけでなく取材活動全体に問題があった」と説明、内部調査の結果を放送する方針。番組を打ち切るかは「検証が先。すぐにとは考えていない」とした。

　番組は昨年１１月２３日に放送。岐阜県内の元建設会社役員が出演し「裏金づくりに協力した」などと証言した。県は事実確認のため職員らに調査し、裏金づくりの事実はないと断定した。