地下鉄七隈線、天神駅―天神南駅接続「現実的には困難」

　乗客数が伸び悩んでいる福岡市営地下鉄・七隈線の延伸計画を巡り、市交通局は１６日の市議会条例予算特別委員会で、空港線・天神駅と七隈線・天神南駅との接続の可能性について「現実的には難しい」との見解を示した。

　市交通局によると、両駅は約５５０メートル離れた状態。乗客が乗り換えるには、いったん駅の改札を出た後、地下街を歩くなどし、もう一方の駅で改めて改札を通らなければならない。このため、市民から「不便だ」との声が出ており、七隈線が低迷している原因の一つとも指摘されている。

　これについて、市交通局は同特別委の第４分科会で、〈１〉七隈線のレールの一部を撤去しながら、渡辺通駅付近から天神駅まで新たなトンネルを掘削せねばならず、多額の建設費負担が生じる〈２〉工事中に天神南駅、渡辺通駅などの利用を止める必要がある――との理由を挙げ「技術的には可能だが、現実的には難しい」との考えを示した。交通局は２００９年度に接続のための建設費を試算する方針。

　七隈線を巡っては、利用低迷の解決策として都心部での延伸が検討されている。市交通局は現在、天神南駅から博多ふ頭などウオーターフロント地区に向かう「ＷＦルート」、薬院駅から博多駅までをつなぐ「博多駅ルート」、天神南駅からキャナルシティ博多付近を通過して博多駅まで延ばす「参考ルート」の３案を示している。