本文へジャンプ

HOME >基本情報 >要注意外来生物リスト >爬虫類・両生類 >詳細

基本情報

 
要注意外来生物リスト:爬虫類・両生類(詳細)

アカミミガメ ワニガメ チュウゴクスッポン
アメリカスッポン属全種 クーターガメ(アカハラガメ)属全種 チズガメ属の3種
ハナガメ ヒョウモントカゲモドキ グリーンイグアナ
アフリカツメガエル ヒキガエル属の5種

●被害に係る一定の知見はあり、引き続き特定外来生物等への指定の適否について検討する外来生物
アカミミガメ(Trachemys scripta)に関する情報
●原産地
アメリカ合衆国から南米大陸北西部まで(約16の亜種に分けられる)
●定着実績
亜種ミシシッピアカミミガメT. s. elegansが全国に定着している。また、基亜種キバラガメT. s. scriptaも逸出個体がしばしば見られる。
●評価の理由
野外に広く定着しており、在来種への競合等による影響がある可能性があるが、繁殖確認事例は少ない。大量に飼育されており規制により代替となるカメ類の輸入が増大する可能性や、大量に遺棄される可能性などが考えられ、今後の被害知見の集積とともに、遺棄のリスク評価や普及啓発が重要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
高密度に生息し、在来のカメ類と資源(例えば日光浴の場所や食物等)が重複し、またさまざまな動植物を摂食することから、定着地域では在来のカメ類や水生植物、魚類、両生類、甲殻類等に大きな影響を及ぼしていると想定される(文献(3)(4)(5))。
最も大量に(年間数十万匹から100万匹)輸入されている爬虫類である。消耗品扱いされ、多数の個体が遺棄され、逸出しており、わが国で最も普通に見られるカメとなっている。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
雑食性で、水草の他、魚類、両生類、甲殻類、貝類、水生昆虫や水鳥の死体などを広く摂食する。在来種のカメ類と、食物や日光浴場所、産卵・越冬場所が類似し競合する。
繁殖能力が高い(在来の淡水産カメ類よりも産卵数が多く、1回に20個を越える卵を産むことがある。年に数回産卵する)。
頑健で汚染にも強く、都市部のきわめて汚れた河川でも生存できる。
(2)社会的要因
本種の幼体はペット用として大量に流通しており、安価で販売されている。年間の輸入量は数十万から百万匹と推定される。
飼育は容易であるが、大型に成長し攻撃的になるため、飽きられたり持て余されたりしやすく、大量の遺棄が続いている。
1975年頃のサルモネラの感染報道がなされた際にまとまった遺棄が起こったと言われる。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
種アカミミガメには、ミシシッピアカミミガメやキバラガメを含め、3〜16程度の亜種が含まれる。
雄より雌の方が大型になる。雄は背甲長20cm、雌は28cm、2.5kg程度まで成長し、在来のイシガメ(1kg前後)やクサガメ(2kg弱)に比して大型である。
頭部の両脇に目立つ赤い斑が見られる。雄成体では不明瞭になることもある。日本在来の類似種はいない。
●その他の関連情報
輸入と遺棄の禁止が野外における個体数の低減に結びつくとみられ、輸入禁止等の対策の効果は高いと推定される。一方で、本種を規制すれば、都市部を中心に大量に遺棄される可能性がある。
飼養者に子供が多くいるとともに、学校や幼稚園等における飼育もなされていることから飼養状況を把握しづらく、規制を徹底させることが現時点では困難である。飼養者に対する普及啓発が重要である。
世界的に見ても、最も流通量の多い爬虫類である。
南アフリカではすでに輸入が禁止されており、2003年より韓国でも輸入が禁止された。ヨーロッパ諸国でも輸入を禁止にする動きがある。
アメリカ合衆国の連邦法では甲長4インチ以下の子ガメの販売が禁止されている。ただし、輸出用に限り流通は認められている。
本種の規制により、クサガメ、アカミミガメ以外のスライダーガメ属Trachemys、クーターガメ属Pseudemysのようなカメ類が代価のペットとして大量に流通するようになる可能性がある。
IUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されているとともに、亜種ミシシッピアカミミガメが日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。
●注意事項
野外で確認される多くの個体が、遺棄か逸出が原因とされる。飼育に関するマナーの向上が特に必要である。
販売、飼育にあたっては、長生きすることや大きくなることを十分理解し、飼い主が責任を持って飼育することを確認する必要がある。
輸入、販売の関係者も、安易に購入して遺棄されるようなことのないよう、販売方法や飼育者への普及啓発に積極的に取組むべきである。
●主な参考文献
(1) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.
(2) 太田英利(1995) 琉球列島における爬虫・両生類の移入, 沖縄島嶼研究,13:63-78.
(3) 日本生態学会(編) (2002) 外来種ハンドブック. 地人書館, 390pp.
(4) 矢部 隆 (2003) ミシシッピアカミミガメ -日本で最もよく見られるカメ-. 滋賀県琵琶湖博物館企画展示資料: 72-73.
(5) Thomas G. Hinton and David E. Scott (1990), Radioecological Techniques for Herpetology, with an Emphasis on Freshwater Turtles, Life History and Ecology of the Slider Turtle, 267pp.

●被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物
ワニガメ(Macroclemys temmincki)に関する情報
●原産地
アメリカ合衆国南東部
●定着実績
定着事例はない。ただし、各地で逸出個体がしばしば見られる。
●評価の理由
咬みつきによる身体への被害が心配されるものの、国内での被害のおそれは明らかでない。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
大型に成長し、魚類を中心にさまざまなものを捕食することから、もし定着すると魚類等に大きな影響が及ぶと想定される。
人の生命又は身体に係る被害
咬みつかれると大怪我をする可能性はあるが、カミツキガメと異なり待ち受け型の捕食行動をとるため、危険に遭遇する機会は少ないと考えられる。
農林水産業に係る被害
カミツキガメ同様、コイやフナ等の淡水魚を対象とした漁具に掛かり、漁具の破壊、漁獲物を食害する被害が生じる可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
肉食に偏った雑食性で、魚類の他、両生類、甲殻類などを広く摂食する。在来種のカメ類と、食物や日光浴場所、産卵・越冬場所が類似し競合する。また、カメ類が捕食の対象となることも想定される。
多数の卵を産出する(在来の淡水産カメ類よりも産卵数が多く、一腹卵数は8〜52個に達する)。
(2)社会的要因
本種の幼体はペット用としてわずかに流通している。
大型に成長し動きが少ないため、飽きられたり持て余されたりして遺棄されることがあるとみられる。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
淡水産のカメ類としてはきわめて大きくなり、最大で背甲長66cm、体重80kgに達する。
類似の種はないが、カミツキガメがやや似ている。
●その他の関連情報
カミツキガメと同様に、本種を規制した場合に都市部を中心に多数が遺棄される可能性がある。ただし、カミツキガメに比べると価格がはるかに高く流通量もずっと少ないため、飼育されている個体数も少ないと予測されることから、多数がまとまって遺棄される状況はほとんどないと予測される。
長期飼育はかなり困難で、カミツキガメと異なり、日本国内における飼育下繁殖の事例はごくわずかである。ペット用に流通している個体も、原産地での野外採集個体とみられる。
●注意事項
都市部を中心に遺棄されている可能性があり、今後も継続的な情報収集が必要である。
販売、飼育にあたっては、長生きすること、大型になることや危険性等を十分理解し、飼い主が責任を持って飼育することを確認する必要がある。
●主な参考文献
(1) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.


チュウゴクスッポン(Pelodiscus sinensis sinensis)に関する情報
●原産地
ロシア、中国、ベトナム、台湾、海南島
●定着実績
沖縄諸島(沖縄島、久米島、伊平屋島)、南大東島、八重山諸島(石垣島、与那国島、西表島)。別亜種ニホンスッポンP. s. japonicusが本州、四国、九州に自然分布する。
●評価の理由
遺伝的な撹乱などが懸念されるが、交雑事例に関する知見等が不足しており、競合等による在来生物相に対する明確な被害は確認されていない。今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
ニホンスッポンの分布域内に定着した場合、遺伝的な撹乱が懸念される。
ニホンスッポンと食物等が重複し、魚類や二枚貝を捕食することから、定着地域では在来のカメ類や魚類、二枚貝等に影響が及ぶ可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
在来の亜種と交雑する可能性がある。
ベトナムから中国、ロシアに至る広い地域分布しており、日本の気候に適応できると考えられる。
魚類や貝類を中心にさまざまな動物を捕食する。
(2)社会的要因
食用、ペット用として流通する可能性がある。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
分類は確定的なものではなく、ニホンスッポンをチュウゴクスッポンの同物異名と見なす考えもある。ただし、日本本土の集団と台湾や香港の集団の間には比較的明瞭な遺伝的差違があるとされる。
ニホンスッポンほどには大きくならず、背甲長25cm程度に成長する。
●その他の関連情報
スッポンは南西諸島に広く分布するが、これらは全て人為分布と考えられている。奄美群島以北には日本本土から持ち込まれたニホンスッポンが、沖縄諸島以南には台湾などから持ち込まれたチュウゴクスッポンがそれぞれ定着しているとされる。
現在、食用として日本本土で養殖されているスッポンはほとんどニホンスッポンとされる。チュウゴクスッポンの利用の実態については不明であるが、中華料理の食材等としての流通がある可能性がある。
●注意事項
食用として利用する場合は、遺棄することがないよう、適切な管理を行なうことが重要である。
被害の実態は十分に把握されていないものの、これ以上の分布拡大を防ぐために、定着している水系等から他水域へと不用意な移植が起こらないよう、対策を講じるべきである。
●主な参考文献
(1) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.
(2) Sato H. and H. Ota, 1999. False biogeographical pattern derived from artificial trancepotation of organisms: A case of soft-shellde turtle, Pelodiscus sinensis, in the Ryukyu Archipelago, Japan. In: Ota (ed) , Tropical Island Herpetofauna: Origin, Current Diversity and Conservation, pp317-334. Elsevier Science.


アメリカスッポン属(Apalone spp.)に関する情報
●原産地
アメリカ合衆国東部。3種を含む。
●定着実績
国内では定着していない。トゲスッポンA. spiniferaがアメリカ合衆国西海岸に定着している。
●評価の理由
被害の実態については不明であるが、定着すれば在来種への影響が懸念され、今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
大型になり、在来のカメ類と食物等が重複することから、定着地域では在来のカメ類や魚類、両生類、甲殻類、水生植物等に影響が及ぶ可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
温帯まで分布しており、日本の気候に適応できると考えられる。
魚類や甲殻類、水草等を中心にさまざまなものを摂食する。
フロリダスッポンA. feroxは背甲長60cm、トゲスッポンは背甲長50cmにも達し、在来の淡水産カメ類よりも大型になる。
(2)社会的要因
ペット用として流通している。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
ニホンスッポンにやや似るが、甲の形態や模様により区別できる。
●その他の関連情報
流通はそれほど多くないと考えられる。なお、食用としての流通の可能性もあるため、引き続き情報を収集することが必要である。
●注意事項
販売、飼育にあたっては、長生きすること、大型になることや危険性等を十分理解し、飼い主が責任を持って飼育することを確認する必要がある。
●主な参考文献
(1) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.
(2) LaRoe, E.T., G.S. Farris, C.E. Puckett, P.D. Doran, and M.J. Mac, eds. (1995) Our living resources: a report to the nation on the distribution, abundance, and health of U.S. plants, animals, and ecosystems. U.S. Department of the Interior, National Biological Service, Washington, DC. 530 pp.


クーターガメ(アカハラガメ)属(Pseudemys spp.)に関する情報
●原産地
アメリカ合衆国東部(約5種を含む)
●定着実績
定着はしていないが、各種の逸出個体がしばしば見られる。コンキンナヌマガメP. cincinna、フロリダアカハラガメP. nelsoni等の流通が多く、これらの逸出が多いものと推測される。
●評価の理由
稀に野外で確認されるが、被害の実態に関する知見は十分ではない。今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
定着して高密度に生息するようになった場合、在来のカメ類と資源(例えば日光浴の場所や食物等)が重複し、またさまざまな動植物を摂食することから、定着地域では在来のカメ類や水生植物、魚類、両生類、甲殻類等に影響を及ぼす可能性がある。
年間数十万匹から100万匹も輸入されているアカミミガメと、生態・形態が類似しており、もしアカミミガメの輸入や飼養が規制された際には代替利用される可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
雑食性で、水草の他、魚類、両生類、甲殻類、貝類、水生昆虫や水鳥の死体などを広く摂食する。在来種のカメ類と、食物や日光浴場所、産卵・越冬場所が類似し競合する。
コンキンナヌマガメやフロリダアカハラガメは頑健で汚染にも強く、都市部の汚れた河川でも生存できると考えられる。
(2)社会的要因
本種の幼体は現在でもペット用として流通しており、比較的安価(数千円以下)で販売されている。
飼育は容易であるが、大型に成長するため、飽きられたり持て余されたりしやすく、遺棄が続いているものとみられる。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
比較的多く流通しているフロリダアカハラガメの場合、最大背甲長34cmと、ミシシッピアカミミガメよりもかなり大きくなる。
頸部に黄色の縦条があるものが多く、アカミミガメにやや似ている。成体の背甲はアカミミガメよりもドーム状に盛り上がる。ミシシッピアカミミガメに見られる頭部の両脇の赤色斑はない。成体では不明瞭になることもある。
生態もアカミミガメに類似するが、成体はより草食傾向が強く、水生植物を多く摂食する。
日本在来の類似種はいない。
●その他の関連情報
他のカメ類と同様、本種を規制すれば、都市部を中心に多数が遺棄される可能性がある。
●注意事項
販売、飼育にあたっては、長生きすること、大型になること等を十分理解し、飼い主が責任を持って飼育することを確認する必要がある。
●主な参考文献
(1) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.


チズガメ属の3種(Graptemis spp.)に関する情報
●原産地
ニセチズガメG. pseudogeographica、フトマユチズガメG. ouachitensis(サビーンチズガメG. o. sabinensisを含む)、ミシシッピチズガメG. kohnii の3種。いずれもアメリカ合衆国東部が原産。チズガメ属は北米固有の属で、約11種を含むが、上記3種はいずれも比較的広く分布する。
●定着実績
定着はしていないが、各種の逸出個体がしばしば見られる。
●評価の理由
稀に野外で確認されるが、被害の実態に関する知見は十分ではない。今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
定着して高密度に生息するようになった場合、在来のカメ類と資源(例えば日光浴の場所や食物等)が重複し、またさまざまな動植物を摂食することから、定着地域では在来のカメ類や水生植物、魚類、両生類、甲殻類等に影響を及ぼす可能性がある。
年間数十万匹から100万匹も輸入されているアカミミガメと、生態・形態がやや類似しており、もしアカミミガメの輸入や飼養が規制された際には代替利用される可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
雑食性で、水草の他、魚類、両生類、甲殻類、貝類、水生昆虫などを広く摂食する。在来種のカメ類と、食物や日光浴場所、産卵・越冬場所が類似し競合する可能性がある。
(2)社会的要因
本種の幼体はペット用として流通している。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
いずれの種も雄よりも雌の方がずっと大きくなる。雌の場合、最大背甲長25cm程度に成長する。頸部に細かい黄色の縦条があるものが多い。
日本在来の類似種はいない。
●その他の関連情報
他のカメ類と同様、本種を規制すれば、都市部を中心に多数が遺棄される可能性がある。
現在の流通量から見ると、すぐに定着するほどではないと考えられる。
●注意事項
販売、飼育にあたっては、長生きすること、大型になること等を十分理解し、飼い主が責任を持って飼育することを確認する必要がある。
●主な参考文献
(1) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.


ハナガメ(Ocadia sinensis)に関する情報
●原産地
台湾、中国南部、ベトナム北部
●定着実績
定着はしていないが、逸出個体の目撃例がある。
●評価の理由
野外で確認されたことはあるが、被害の実態に関する知見は十分ではない。今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
飼育下でクサガメとの交雑と思われる例が知られる(文献(1))。定着して高密度に生息するようになった場合、同亜科の在来種(クサガメ、ニホンイシガメ、ヤエヤマイシガメ、セマルハコガメ、リュウキュウヤマガメ)との交雑が懸念される。
在来のカメ類と資源(例えば日光浴の場所や食物等)が重複し、またさまざまな動植物を摂食することから、定着地域では在来のカメ類や水生植物、魚類、両生類、甲殻類等に影響を及ぼす可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
カメ類は属間交雑を起こしやすいことが知られている。本種はヌマガメ科の在来種(クサガメ、ニホンイシガメ、ヤエヤマイシガメ、セマルハコガメ、リュウキュウヤマガメ)と同じ亜科に属しており、いずれの種とも交雑のおそれがある。とりわけ、水生傾向の強いクサガメ、ニホンイシガメ、ヤエヤマイシガメとの交雑が懸念される。
この亜科のカメとしては割に緯度の高いところ(台湾等)まで分布しており、日本の気候に適応できると考えられる。
雑食性で、水草の他、魚類、両生類、甲殻類、貝類、水生昆虫などを広く摂食する。在来種のカメ類と、食物や日光浴場所、産卵・越冬場所が類似し競合する可能性がある。
(2)社会的要因
本種の幼体はペット用として流通している。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
最大で背甲長24cm程度に成長する。頸部に黄色と黒色の細かい縦条がある。
日本在来の類似種はいない。
●注意事項
販売、飼育にあたっては、長生きすること、大型になること等を十分理解し、飼い主が責任を持って飼育することを確認する必要がある。
●その他の関連情報
他のカメ類と同様、本種の飼育を規制すれば、都市部を中心に多数が遺棄される可能性がある。
ヌマガメ科イシガメ亜科のカメ類はいずれも日本在来種と交雑するおそれがある。本種以外にも、日本に定着した場合に生態系に被害をもたらしうる種がいると考えられ、検討を要する。
現在の流通量から見ると、すぐに定着するほどではないと考えられる。
●主な参考文献
(1) 千石正一(1997) チャンプルーReptiles in 沖縄. 月刊アクアライフ1997年10月号. 144-149.
(2) Ernst, C. H. and R. W. Barbour (1989) Turtles of the World. Smithsonian Institution Press, 313pp.


ヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macrarius)に関する情報
●原産地
イラン、アフガニスタン、パキスタン、インド北西部
●定着実績
国内外における定着は報告されていない。
●評価の理由
本種による在来種への原虫クリプトスポリジウムの感染が懸念されているが、実態は十分には把握されていないため、今後とも科学的知見の集積が望まれる。今後は、本種を含むペット爬虫類が在来動物へのクリプトスポリジウムを伝播する危険性があることに留意すべきである。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
病原性の高い原虫クリプトスポリジウムCryptosporidium sp.に感染した個体が多く輸入されており、在来爬虫類への感染、蔓延が懸念される。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
飼育下でクリプトスポリジウムに感染しても、比較的長期間生存する。
クリプトスポリジウムはトカゲ類、ヘビ類、カメ類などに広く感染する。なお、在来の希少種オビトカゲモドキは感染にきわめて弱く、致死率が高い。
よって、クリプトスポリジウムに感染したヒョウモントカゲモドキが野外に逸出した場合、オビトカゲモドキをはじめとした多くの在来爬虫類に深刻な影響をもたらすおそれがある。
(2)社会的要因
ペット用に多数が流通しており、色彩変異の品種が作出されており、ペット用のトカゲ類として最もポピュラーな種である。
アメリカで養殖された個体が多数輸入されているが、近年、アメリカでクリプトスポリジウム感染が流行しており、感染個体が輸入されるケースが報告されている。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
徳之島と沖縄諸島に分布するクロイワトカゲモドキがやや類似するが、体色等から容易に区別できる。
●その他の関連情報
トカゲ類の中では流通量が多い種である。ただし乾燥地に生息するため、日本に定着するおそれは低いと考えられる。
クリプトスポリジウム感染症の問題は、本種に限らず、輸入される爬虫類に共通して懸念される。
南日本では、ホオグロヤモリ等の住家性のヤモリ類が生息するが、これが飼育下のクリプトスポリジウム感染個体と接触して感染し、原虫を野外に運ぶ可能性が指摘されている。
●注意事項
本種を含むペット爬虫類は、在来動物へのクリプトスポリジウムを伝播する危険性があることに留意すべきであり、積極的な普及啓発が必要である。
特に、沖縄等で、本感染症により致命的な影響を受ける可能性が高い希少爬虫類の生息する地域では、閉鎖した室内で隔離飼育するなど、十分な配慮が可能な場合に限って飼育を行うべきである。
●主な参考文献
(1) Terrell, S. P., Funk., E.W. and Richard, S. (2003) Proliferative enteritis in leopord geckos (Eubleparis macularius) associated with C. ryptosporidium sp. infection, J. Zoo and Wildlife Medicine, 34:69-75.
(2) 黒木俊郎(2005) 爬虫類におけるクリプトスポリジウム感染症, Creeper, 27:105-109.


グリーンイグアナ(Iguana iguana)に関する情報
●原産地
中南米(メキシコからパラグアイ)、西インド諸島。
●定着実績
国内における定着の確実な報告はないが、石垣島で繁殖しているとの新聞報道もある。国外ではフロリダ半島やハワイ等に定着している。
●評価の理由
稀に野外で確認されるが、被害の実態については不明である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
きわめて大型になり、花や果実等の植物質や昆虫などを摂食することから、高密度に生息すると植生や大型昆虫に影響が及ぶ可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
雑食性であり、植物質を中心にさまざまなものを摂食する。
最大全長180cmにも達し、在来のトカゲ類よりもはるかに大型になる。
(2)社会的要因
ペット用として幼体が多数流通している。飼育は難しくないが、きわめて大型になるため大がかりな設備が必要となり、特に雄は気が荒くなる個体も多いことから、持て余されて多くの個体が遺棄されていると考えられる。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
日本に類似した種はいない。イグアナ科及びアガマ科(キノボリトカゲ科)にはやや類似した種がいるが、鱗の形態等から区別できる。
●その他の関連情報
トカゲ類の中ではきわめて流通量が多い種である。
日本において同様の生態的地位を占める動物は想定されない。もともと熱帯域に分布しており、日本に定着できるかどうか不明であるが、南西諸島や小笠原では定着の可能性がある。
高木の花や果実を摂食することから、特定の樹種が食害を受ける可能性がある。
●注意事項
特に定着の可能性がある八重山諸島などでは、流通量を増やさないように安易な販売、飼養は控えることが望ましい。
石垣島などでは、被害の実態は十分には把握されていないため、今後とも科学的知見の集積が望まれる。
●主な参考文献
(1)Townsend, J. H., K. L. Krysko, and K. M. Enge. (2003) Introduced iguanas in southern Florida: a history of more than 35 years. Iguana 10:111-118.
(2)McKeown, S. (1996) A field guide to reptiles and amphibians in the Hawaiian islands, Diamond Head Publishing, Inc. California, 172p.


アフリカツメガエル(Xenopus laevis)に関する情報
●原産地
アフリカ中南部
●定着実績
国内における定着の確実な報告はないが、関東地方に定着しているとの情報もある。国外ではイギリス、アメリカ合衆国カリフォルニア州、チリ、メキシコ、ジャワ島、南大西洋アセンション島等に定着している。
●評価の理由
野外で確認されることがあるが、定着や被害の実態に関する知見が不足しており、今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
競合や捕食により水生動物が被害を受ける可能性がある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
温帯域に分布しており、実験室でも無加温で飼育でき、日本の気候に適応できる。
完全に水生のカエルであり、幼生はプランクトンを、変態後は水生昆虫等の小動物を摂食する。日本には同様の生態的地位を占める動物が見あたらない。
(2)社会的要因
実験動物として大量に生産され流通している。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
在来種に似たカエルはいない。
●その他の関連情報
世界各地に定着しており、日本でも定着のおそれが高い種といえる。
利根川水系等で見られるとの情報があり、実態調査の必要性が高い。
日本においては、全ての両生類の中で最も多く利用されている種のひとつと考えられる。実験動物として重要であり、ペット用の流通もある。国内生産された個体が出回っていると見られるが、生産、流通、利用の実態を明らかにする必要がある。
●注意事項
実験に利用する場合は、遺棄することがないよう、適切な管理を行なうことが重要である。
被害の実態は十分には把握されていないため、今後とも科学的知見の集積が望まれる。
●主な参考文献
(1)Beebee, T. and Griffiths, R. (2000) Amphibians and reptiles, a natural history of the British Herpetofauna, HarperColling Publishing, Ltd/ London, 270p.
(2)Measey,G.J. (1998) Diet of feral Xenopus laevis (Daudin) in South Wales, J. Zool., Lond., 246:287-298.


ヨーロッパミドリヒキガエル等5種(Bufo spp.)に関する情報
●原産地
ヨーロッパミドリヒキガエルB. viridis:ヨーロッパ
テキサスミドリヒキガエルB. debilis:合衆国カンザス州からメキシコ湾岸
ナンブヒキガエルB. terrestris:合衆国東南部
ガルフコーストヒキガエルB. valliceps:アメリカ合衆国、メキシコからコスタリカにかけて
ロココヒキガエル(キャハンヒキガエル)B. paracnemis:南米
●定着実績
国内外における定着は報告されていない。
●評価の理由
被害の実態については不明であるが、定着すれば在来種への影響が懸念されることから、定着の可能性や海外での被害事例等今後の知見の集積が必要である。
●被害の実態・被害のおそれ
生態系に係る被害
オオヒキガエル等と同様、捕食や競合、皮膚から分泌される毒による影響などをもたらすおそれがある。
●被害をもたらしている要因
(1)生物学的要因
いずれの種も温帯域に分布しており、日本の気候に適応できると考えられる。
オオヒキガエルの他にも、国内外来種であるニホンヒキガエル、ミヤコヒキガエルが島嶼部に定着しており、日本の島嶼はヒキガエル属が定着しやすい条件を備えている可能性がある。
(2)社会的要因
上記の5種はペット用にやや多く流通している。
●特徴ならびに近縁種、類似種などについて
在来のヒキガエル類とやや類似するが、体色や大きさ、耳腺の特徴などから区別できる。
●その他の関連情報
現在のところ、これらの種が外来種となった事例は報告されていないが、予防的観点から、影響について適切な評価が必要な種といえる。
チュウカヒキガエルB. gargarizans gargarizans、ヨーロッパヒキガエルB. bufo、アメリカヒキガエルB. americanus等、他の温帯産ヒキガエルも含めて評価を検討する必要がある。
●注意事項
飼育に当たっては、逸出のないよう十分に留意し、飼い主が責任を持って飼育する必要がある。
●主な参考文献
(1)Brauer K. (1991) Kroten. Urania-verlagsgesellscaft mbH, 190p.
(2)Bufo Laurenti, 1768; Amphibian Species of the World 3.0
http://research.amnh.org/herpetol