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首相再選支持、小沢氏と会談、「橋渡し役」名乗り…鳩山氏に「謹慎」の発想なし

7月22日23時50分配信 産経新聞

首相再選支持、小沢氏と会談、「橋渡し役」名乗り…鳩山氏に「謹慎」の発想なし
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鳩山由紀夫前首相(写真:産経新聞)
 民主党の鳩山由紀夫前首相は22日のBS番組収録で、9月の党代表選で菅直人首相の再選を支持する考えを表明した。米軍普天間飛行場移設問題の混迷を受け、在任9カ月で退陣した鳩山氏だが、小沢一郎前幹事長らと会談し、影響力誇示に余念がない。首相と小沢氏の「橋渡し役」にも名乗りを上げた。とはいえ、今期限りの引退方針を早くも撤回するなど「ぶれ」は相変わらず。失墜した信頼を取り戻す道は険しい。(小島優)

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 「菅さんは代わったばかりだ。すぐに首をすげ替えることにはならない」

 鳩山氏は番組収録で首相の再選支持を誰よりも早く表明した。6月2日の電撃退陣表明から50日しかたっていないが、鳩山氏に「謹慎」という発想はない。参院選中から好き勝手な発言を繰り返してきた。

 自らが敷いた路線をゆがめられることには不快感をあらわにした。22日も「菅政権は頭で考える人でなく心で考える人をもっと登用すべきだった」「消費税議論が生煮えの中で唐突に国民に出してしまった」「前政権との違いを際立たせようとすると落とし穴に落ちる」「多少エゴが出ているのではないか」−。首相が進める国家戦略局構想の格下げや普天間問題への対応にも手厳しかった。 

 さらに首相が小沢氏との会談を希望しながら実現できないことを見透かし、「私が二人の間を取り持たなければいけない」と橋渡し役を買って出た。

 鳩山氏は22日夜、小沢氏、輿石東参院議員会長と都内のホテルで会談した。小沢氏は上機嫌に輿石氏の参院議員会長の4選を喜んだという。

 鳩山氏は「よもやま話だ」と記者団をけむに巻くが、影響力誇示を狙っていることは間違いない。参院選敗北を「せっかく自分たちが辞めて支持率を回復させたのに許せない」と周囲に漏らしており、今後も小沢氏とのパイプを武器に首相や執行部を牽制する腹づもりのようだ。

 だが、鳩山氏のぶれは相変わらずだ。退陣表明の際に「次の衆院選には立候補せず政界を引退する」と公言したが、17日に北海道苫小牧市の後援会で撤回。22日には「地域に果たす責任がなくなるわけではない。来年3〜4月までに結論を出す」と先送りした。

 自らが率いる鳩山グループ(政権公約を実現する会)の結束も崩れつつある。側近の小沢鋭仁環境相は8月に新たな勉強会を発足させる構えだが、一部は「派中派だ」と反発し、対立が深まる。

 にもかかわらず、鳩山氏に反省の色はない。実母からの資金提供問題を「母親からの資金提供は知らなかったが、常識から外れた人間と烙印(らくいん)を押された。国民からかけ離れた存在だと思われたことが致命的だった」と語り、報道に問題があったと言わんばかり。在任9カ月についてはこう振り返った。

 「首相在任中は言いたいことが言えず、国民とかけ離れた存在にされる感じがした。嫌でしたね。今は生き生きしてる。喜んでよいのか分かりませんが…」

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最終更新:7月22日23時50分

産経新聞

 

鳩山由紀夫

鳩山由紀夫(はとやまゆきお)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 北海道第9区 民主党
プロフィール:
1947年2月11日生 初当選/1986年 当選回数/8回

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