もっさりさんのおうち

シベリアンジョーク集積所

もっさりと更新予定もさ。

2010年09月22日

大気圏再突入

飛行機や気球から飛び降りる場合、地面や海面に到達するまでに
十分減速しておかないと痛かったり、周囲に迷惑が掛かったりするもさね。

スケールがちょっと違うもさが、地球周回軌道から地球へ降りるとき、
あるいは弾道飛行の終着点へ到達するときも減速しておかないと痛いもさ。

この場合は速度が非常に大きいもさ、地面や海面に激突する以前の問題として、
低空の硬い大気にぶつかって壊れたり蒸発したりする前に減速しないといけないもさ。

また、減速する=運動エネルギーを熱エネルギーに変えることもさ。
減速率が高いとカプセルや積荷に大きな力が掛かるだけでなく、熱的にも辛いもさね。

というわけで、宇宙機の人員orサンプル回収カプセルは高高度での減速量が大きくなるようにカプセル形状と降下軌道を設計するもさ。

空気抵抗の大きなカプセルを、浅い角度で降下させるもさね。


たとえば、アポロ宇宙機のCommand Moduleは再突入開始から数分掛けて減速し、高度10kmあたりで音速以下に減速するもさね。

半世紀ほど前にロッキードが提唱したように「バリュート」(気球型パラシュート)のアイディアもあるもさね。
今のところバリュートが宇宙機で実用された事例は無いと思うもさが、それでも研究は行われているもさ。
http://www.gaerospace.com/projects/HyperCMST/index.html
これが実用化されれば深い角度で突入しつつ、低空の硬い大気にぶつかる前に十分減速できるもさ。
リンク先の画像は探査機を火星に送り込む場合に、惑星間軌道からの速度変更に火星大気を利用する応用例もさね。


さて、これら「無事に地上に到達する」再突入体とは目的を別にする再突入体もあるもさ。

弾道ミサイルの弾頭がそれもさね。

この場合、30度とか45度といった非常に深い角度で大気圏再突入を行うもさ。
さらに、宇宙機カプセルとは違って細長い、空気抵抗の小さい形状をしているもさね。

突入開始から数秒後には下部成層圏まで降りるもさ、その時点でも秒速数kmを保持しているもさ。

このまま降下を続ければ白熱した弾頭が地面に激突するか、その前に空中で飛び散るかすることになるもさが、一般的にはそれより先に起爆するもさね。

そんなわけで、弾道ミサイルに化学兵器や生物兵器を載せることは難しいもさ。
弾道ミサイルに化学兵器や生物兵器を搭載する場合、その軌道と再突入体の設計は宇宙機カプセルに近いものになるはずもさ。

なんとなく殺伐とした話になってしまったもさね。エントリの最後に和み画像を掲載もさ。

揚力を利用して減速時間を延ばしつつ降下するもっさりさん
posted by 軍事板の筆頭もっさり TFR ◆IBMOSAtBIg at 19:07| Comment(12) | TrackBack(0) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はやぶさの再突入カプセルをあれだけ精密に予定地点に降下させたので、どこぞの国も我が国にも弾道飛行物体を正確に突入させる能力があることを認識して、少し大人しくしてくれるといいのですがアピールが足りないのでしょうか。

アポロ宇宙船から40年も経っていますからHTVに少し手を入れれば当時の地球周回用有人宇宙船程度は直ぐにでも作れると思うのですが、作らせる能力とマッチングしないのが残念です。


Posted by 雨辰 at 2010年09月26日 09:21
大気圏への突入ではないですが、アポロの月着陸の事を考えてみるとどうでしょうか

月着陸船が月面へ降下していったとき、
?.月着陸船の重量
?.?を月面から周回軌道上へ打ち上げるための燃料
?.?+?を逆噴射しながら月面に降ろすための燃料
の合計分の重量があったはず。
おまけに月面には空気がないので?の場合、月の大気による減速は使えず純粋に燃料頼み。

これって結構難易度高いですよね?
スミマセン、全然関係ないネタでした(汗
Posted by CatShitOne at 2010年09月27日 05:39
>雨辰様

はやぶさの再突入については、
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2010/0405.shtml
の、6.などをみると、
もっさりさんの言う、
「空気抵抗の大きなカプセルを、浅い角度で降下させるもさね。」
そのものではないかと思います。
「無事に地上に到達する」再突入体を正確に地上に到達させる能力は示せましたが、
それは既存の防空システムで対処可能なものでしかないかと。
Posted by semicon at 2010年09月27日 23:38
焼きモサさんじゃ、かわいそうで和めないよぉ!
Posted by 焼鳥好き at 2010年09月28日 20:46
> そんなわけで、弾道ミサイルに化学兵器や生物兵器を載せることは難しいもさ。
> 弾道ミサイルに化学兵器や生物兵器を搭載する場合、その軌道と再突入体の設計は宇宙機カプセルに近いものになるはずもさ。

この場合の「弾道ミサイル」とは、一体何を想定しているのでしょうか?
ICBMならその通りでしょうが、ノドンのような中距離弾道ミサイルやスカッドのような短距離弾道ミサイルでも同じですか?私は違うと思いますが・・・
はっきり言って、地球の裏側を狙うICBMと、域内を狙う中距離以下の弾道ミサイルは別物だと思いますよ。それこそアポロと最近宇宙ベンチャーが取り組んでいる弾道飛行の宇宙観光くらいに。

こんな↓カプセルで、人間が戻ってこれるんだから、BC兵器だって戻ってこれない筈無いでしょう。
http://www.gizmodo.jp/2010/09/post_7689.html
で、弾道ミサイルにBC兵器を積む可能性がある国がどこにあるのかを考えれば、「それは難しいから脅威ではない」となりはしないでしょう・・・。

それにICBMにしたって、ICBM持ってる国はみんな核を持ってるってだけで、専用の再突入体を開発すれば、深い角度で再突入することだって出来ると思うな・・・。中身が軽い分だけ(蒸発して気化熱で中身を守る)断熱材を厚くできるんだから。初期のボストークは深い角度で突入してたし、ソユーズにだって非常時用の弾道突入モードはありますよ。
Posted by 通りすがり at 2010年09月28日 20:57
あと、忘れてましたが旧ソはドイツのV2ロケットを改良したR-1ロケットを使って、犬を打ち上げて回収してますね。

R-1ロケットは高度100kmの宇宙飛行士高度に達し、最終速度は秒速4.2kmです。パラシュートが開くのは高度6kmでそれまでは弾道飛行を続けていたはずですから、短・中距離弾道ミサイルなら、秒速数キロ以上の速度で落下し、かつ中身が生きたままに出来ると言って良いと思いますが。
Posted by 通りすがり at 2010年09月28日 21:14
>雨辰さま
このエントリはそういう話ではないもさ。また、ブログのコメント欄は演説場所ではないもさ。


>CatShitOneさま
大気の無い天体への着陸はいずれ、別途エントリを作りたいもさ。


>semiconさま
ありがとうございもさ。輸送機と爆撃機は違うもさね。
安易に転用を主張する人、安易に捉えて無理な値切りやオーバーワークを要求する人への牽制や揶揄がこのエントリにあったかもしれないもさ。



>焼鳥好きさま
モサは無事に着陸するもさよ。



>通りすがりさま
・ブログのコメント欄は演説の場所ではないもさ。
・「低速・短射程の弾道ミサイルであれば熱防護条件が緩和される」には同意するもさが、その後の各論は無駄な演説もさ。
・最終速度4.2km/sと言うのは最大射程2000kmを超えるクラスの弾道弾の性能もさ。
 R-1VやR-1Bは到達高度100kmの弾道を描かせるとき、飛距離200km前後もさ。
 別のロケットと勘違いされているもさ。
・R-1VやR-1Bの弾道を示す放物線(部分楕円ならなお良い)を描いて、高度90km付近での角度を見てみることをお勧めもさ。
・「弾道再突入」は「弾道ミサイルの再突入」や「弾道ミサイルと同様の再突入」の略ではないもさ。
・揚力再突入か弾道再突入かの区分は突入開始後、空気の影響を受けはじめてからの降下率低減、減速率低減に揚力を活かすか否かもさ。
 突入角度の大小とは関係ないもさ。
・ヴォストーク宇宙機の突入角については、ヴォストーク宇宙機の逆噴射モータの能力を確認することをお勧めもさ。
Posted by もっさりしたTFRの人(ブログ主) at 2010年09月29日 18:55
>・ブログのコメント欄は演説の場所ではないもさ。

大変失礼しました。演説をしたつもりはないのですが、不快でしたらごめんなさい。

なぜこんな書き込みをしたかというと、
> そんなわけで、弾道ミサイルに化学兵器や生物兵器を載せることは難しいもさ。
というのがこの記事の結論だと読めるのですが、実際MGM-29にM139 sarin bombletsが搭載されていた事例があり、それを知らない人が「だから無理なんだよ」とミスリードされてしまう可能性があると思ったからです。
射程120km程度のMGM-29は該当しないのだろうとは思いますが、射程を明らかにせず、弾道ミサイルを全て一括りに記述しているように見受けられましたので。

それでは失礼しました。
Posted by 通りすがり at 2010年09月29日 23:03
突入角度と減速率とそれに適した突入体形状と中身はそれぞれ関連性があるということですね。
とすると、スペースシャトルやHOPEの鋭角な翼前縁は突入のコンセプト設計段階からあまりよろしくないのが見えてたんでは?
Posted by ken at 2010年10月01日 08:05
>>焼鳥好き

モサモサの毛がソユーズのアブレータのように働くのでおそらく大丈夫モサよ
Posted by at 2010年10月03日 17:49
>>モサモサの毛がソユーズのアブレータのように

いやいや、モサモサの毛が高い断熱性をもつことは、極地に棲む動物をみれば判ることであります。

>>モサは無事に着陸するもさよ。

と師匠が断言しているからには、毛皮型熱防御の研究が相当程度まで進んでいるのでしょう。
Posted by at 2010年10月04日 12:54
>と師匠が断言しているからには、毛皮型熱防御の研究が相当程度まで進んでいるのでしょう。

 熱防御よりは、減速の仕方が重要だと。

 高度がどれくらいで、どれだけの減速をしてきたのかは、下記URLの資料ではっきり見られる。
3.「はやぶさ」カプセルの地球大気再突入時におけるプラズマ現象とその周辺
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2006_06/jspf2006_06-368.pdf

のFIG.5な。
Posted by at 2010年10月06日 21:41
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