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終始福見ペース、判定は中国に…驚きの「銀」

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柔道女子48キロ級決勝、呉樹根(中国)に判定で敗れ銀メダルに終わった福見(右)=多田貫司撮影

 アジア大会第5日(16日)、柔道女子48キロ級──驚きの判定だった。優位に試合を進めた選手に旗が上がらず、手にできたはずの金メダルが、福見友子の首には掛からなかった。

 決勝の相手は、世界ランク20位と格下の呉樹根(中国)。試合は、組むのを嫌って腰が引ける相手を足技で腹ばいに倒したり、ひっくり返して寝技を仕掛けたりと終始、福見ペースで進んだ。

 両者、指導もポイントもなく、決着は延長旗判定にもつれ込み、1―2で敗れた。地鳴りのような歓声が交錯する中を、福見は静かに畳を下りた。

 「これほどひどい審判を見たことがない」と怒り心頭の吉村和郎強化委員長とは対照的に、福見は「勝ってると思ったけど、投げて勝たないと意味がない」と冷静だった。アウェーの試合でポイントが奪えなければ、こういう結末になりうることも想定していたのだろう。

 女子48キロ級は世界ランクベスト3を日本勢が占める。この階級の第一人者だった谷亮子が引退し、3人で一番年上でランク1位の福見は追われる立場。「きょうは通過点。私は先を見ている」。ロンドン五輪代表レースに疲れたときは、この日の銀メダルを見て、自分を奮い立たせればいい。(下山博之)

2010年11月16日22時35分  読売新聞)
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