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2008年4月号/久保ミツロウ先生



久保ミツロウ先生は月山可也先生からのご紹介です。

 今月は月山可也先生のご紹介で、久保ミツロウ先生を訪問しました。
 1999年に講談社『mimi』にて「しあわせごはん」でデビュー。現在は『週刊少年マガジン』で、海上保安庁特殊救難隊を題材にした「トッキュー!!」を好評連載中です。漫画に対するストイックな想いを語っていただきました。

久保ミツロウ先生/サイン色紙
誕生日
9月19日
血液型
A型
最近ハマっている事
病院通い/デジタル一眼
最近のお気に入りor
気になるマンガや作家
東村アキコ先生
愛用画材
ぺんてる筆(顔料インク)極細、アップルケント

▼ご出身は…?

 長崎県佐世保市です。田舎の割には過ごしやすいところです。

▼どんな幼少期を?

 小学生の時、兄が月刊誌のアニメや漫画などが掲載されている『NewType』っていう雑誌を買ってきてたので、情報はたえず得ていましたね。
 漫画も大好きで『週刊少年ジャンプ』『りぼん』『なかよし』『花とゆめ』など、月に40冊ぐらいの漫画雑誌を読む少女でした。特に室山まゆみ先生の「あさりちゃん」や新沢基栄先生の「ハイスクール奇面組」は大好きでした。描くのはニュータイプで得た情報でアニメ化されていない漫画を描いたりしてましたね。

▼すでに漫画道へ進む勢いですね?

 周りからも“絵がうまいねえ”とおだてられていたので、小学1年生の時には“将来は漫画家になりたいなあ”とは思っていました。ペン描きも小学4年の時からしていて、たわいもないストーリーを作っては描いていましたね。

▼投稿などを…?

 高校生の時に地元の小さい同人誌即売会があったので、オリジナル作品を描いては出していましたが、クラブとかには所属していなくて独学で描いていました。
 3年の時に、講談社の『なかよし』の漫画賞に投稿してシルバー賞などをもらってはいましたが、漫画家になる確たる決意はまだなかったんです。
 しかし、進路を決める三者面談時期に父に呼び出されて、「お前、将来何がしたいんだ?」と聞かれた時に「漫画でご飯が食べたいです」と言ったんです。その時からですかね、しぶしぶながらも了承してもらえたので、卒業後バイトしながら漫画家になるのを目指したんです。

▼転機があるはずですよね?

 バイトをしながら投稿をしなきゃなあと思った矢先、『なかよし』の漫画スクールが福岡であるというので、何も準備もせずに行ったんです。その時に来ていた編集さんに「アシスタント先ないですか?」と尋ねたら、「東京に来ないとないかなぁ…ああ、そう言えば君の投稿した漫画を見た漫画家が褒めてたよ」って言われたんです。まあ、褒められても佐世保にいるんじゃ道は開けないかあと思っていたら、一ヵ月後に漫画家の田中政志先生から直接電話が来たんです。

▼びっくりですよね?

 もうそりゃあ、「ええええー!!」ですよ。「カット見て気に入ったから東京へ来ないか?」と言う話でした。そんなおいしい話が…?と思いましたが、親と2年でダメなら帰ってくる約束で、東京へ上京することになったんです。田中先生が原作の仕事をやるようになり、作画を私にやってもらうという形での段取りでした。先生と検討するうちに「1週間で君が描きたい漫画をまず描いてこい」と言われたのですが、何を描きたいのかわからないんです。1週間経ってやっとネームだけあげて、講談社の『少女フレンド』の編集部に見せたのですがボツでした。「基本が出来ていないのでシナリオの書き方からやるように」って言われたので、今度は『mimi』の編集部にも見てもらったら、やはりボロカスに言われましたね。かなりショックでした。さすがに力不足!アシスタントやって業界勉強してからやろうと編集さんに頼んで、吉田まゆみ先生の所を紹介させていただいたんです。

▼勉強になった修行時代でしたか?

 やはりバリバリプロで活躍している先生の所ですから、見るもの体験するものすべてが驚きであり、勉強になりました。特に一番勉強になったのは資料(現地視察なども含む)を見て、デッサン・背景を描くということですね。  …私はもともと資料を基に背景を描くのは好きだったのですが、先生の所で感じたのは手描きなのにもかかわらず、パースがバッチリとあっているんです。当たり前といえば当たり前のことなのですが、これには驚かされました。スタッフにイメージを伝えるのがとてもうまいんですよ。この的確な指示で弟子の方が伸びないのがおかしいですよね。それと仕事のペース配分、原稿を落とさないその気力、現実の題材を作品に盛り込んでいく演出力、正にプロとしての漫画家の真髄がわかり実に勉強になりました。

▼その後は順調に?

 アシスタント1年目位に、『mimi』から3話限定作でしたが依頼が来たのです。それがデビューです。ところが『mimi』がすぐに廃刊になってしまって、『Kiss』に移ったんですが、どうもネームがうまくいかないんです。編集者から“ネームが面白くない。日記を書いているみたい。オリジナルを描かなきゃだめだ。恋愛ものを描く覚悟があるのか!”等々言われ苦悩していました。
 そんな時に『mimi』の担当だった編集さんに『週刊少年マガジン』でホストを題材に描いてみないか?と言われたんです。“週刊でしかも少年誌!? …私に描けるのか!? ”と思ったのですが、当たって砕けろ挑戦だ!! と思い、「3・3・7ビョーシ!!」が始まったのです。

▼少年誌で苦悩が晴れた?

 私は恋愛ものを描くのが苦手というか、多少抵抗があったようで、“もう恋愛を成就させなくていいんだ!!”と思うと何か少年誌だと描きやすいなあと実感したんです。

▼神経を使うところは?

 読者がそのキャラクターを好きになってくれるかどうか、漫画にどれだけリアルの面白さを出せて、情報を作品の中で伝えられるか、かしら…。

▼今後描きたいものはある?

 学園ものになるのかなぁ。他人が共感できるもの以外にも、漫画によって新しいことを知ってもらいたいというような架け橋的なものもまた描きたいですね。
 …今はデビューして年数も経っているので、取材などして色々なことを肌身で感じた経験から、さまざまなキャラの人間性をストーリーの中で生かせる技術も得たので、私が体験し心の中で生まれてきたことをフルに生かせる漫画を描いていきたいです。

▼漫画家を目指す人にメッセージをお願いします。

  実家を出ましょう!!

▼次の先生を紹介してください。

 同じ原作者つながりで仲良くなった武村勇治先生です。がんばってください!!


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