2010年11月02日

ブアカーオ・ポー・プラムックならボクシング世界王者になれる

褐色の悪魔の目つきが変わった。
二年ぶりに世界大会に出場した、当時K-1 MAX日本王者の愚行に対して目つきを一変させた。
そういうことやるんだ、と。
それ以降、ムエタイとK-1にある打撃系格闘技の歴史の差を「崩し」という行為を持って
思い知らされることになる。
「これじゃリンチじゃないか……」
そんな声が密かに聴こえ、後は黙り込むだけだった。
静かな空間の中、小比類巻貴之の投げ飛ばされる音だけが響いていた。

小比類巻貴之
マイク・ザンビディス
ブアカーオ・ポー・プラムック
ジョン・ウェイン・パー
魔裟斗
ジャダンバ・ナラントンガラグ
アルバート・クラウス
シャミール・ガイダルベコフ

この年から開幕戦が導入された。
MAXがいきなりの8名による決勝トーナメントを実施した期間は僅かに二年だった。
クラウスを全面的に支配したモンゴルのナラントンガラグが印象に残ったくらいで、
後は然したる印象の無い第一回開幕戦となった。

2004年7月7日(水)国立代々木第一体育館。
この年のテーマは「魔裟斗の連覇」であった。
商品価値が高まったばかりの選手を魔裟斗に宛てがうことがMAXの手法である。
前年ならマイク・ザンビディス、この年の開幕戦ではセルカン・イルマッッツ、
そしてナラントンガラグである。
魔裟斗の基礎技術の高さなら、こういった偏った技術を持った選手達をコントロール出来るで
あろうという確かな計算が働いているからだ。
しかしその計算の答えは不確かであった。
ナラントンガラグの拳の硬さと肉体の強さは基礎技術だけでは対抗出来きるものではなかった。
傷ついた王者は、準決勝でライバル・クラウスと四度目の対戦に臨む。
「たった一年でこれだけの差がついたのか」そう思わせる完勝劇であった。
しかしここでも魔裟斗は不運な傷を負い、ボロボロの状態で褐色の悪魔と対峙することになる。

ブアカーオの山場はフジ・チャルムサック戦とジョン・ウェイン戦だったに思う。
この年三月に新日本キックで行われた「K-1MAX出場決定戦」。
実質のアジア代表・タイ代表を決める戦いが行われ、パンチが強く、体格で上回るチャルムサック
との激戦をブアカーオは制し、見事に出場権を勝ち取る。
ジョン・ウェインとは延長戦まで及ぶ接戦を制した。
山場は超えた。
残る二人の日本人との戦いなど下るだけの楽な作業だった。

そして上記の小比類巻戦。
魔裟斗との激闘は〈8/29、30〉の記事に二日かけて掲載してあるので、目を通して頂けたら
と思う。

ブアカーオもガオラン・カウイチットと同様に体格のハンデを課せられたタイ人だった。
しかし、ブアカーオにはパンチがあった。
2006年からブアカーオはパンチが上手くなったというが、それは誤認である。
この2004年の段階で、ブアカーオのボクシングスキルは高い水準を誇っていた。
パンチを見切る目はパンチを知るからこそ出来る行為。
パンチの差がガオランとの差であった。
ブアカーオならヴァージル・カラコダが保持していたIBCの世界王者になれるのではないか。

こうして魔裟斗に新たなライバルが誕生し、物語に次回予告が与えられることになる。

posted by AlexGirl |06:34 | K-1 WORLD MAX | コメント(3) | トラックバック(0)
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本物さん、なの。さん

コメント投稿者ID : NID00000615

本物さん、こんにちは。
初めまして、いつも観て頂いてありがとうございます。
そうです!冒頭の文章はあの「軸足二度蹴り事件」のことです(笑)目つきが変わりましたよね……
ブアカーオについては8月29、30日にも記載してありますので目を通して頂けたらと思っています。

なの。さん、こんにちは。
「工夫をしてとにかく視聴者を惹き付けろ!浮遊層のチャンネルロックをしろ!」と訴えている身ですので、当ブログはそれを実践しなければいけません……ブログタイトルはそういった意味合いを含んでいます(笑)批判は多くても、とにかく惹き付けろ!と…… IBC……WBBでもよいですね!

posted by AlexGirl | 2010-11-03 07:39

ブアカーオ・ポー・プラムックならボクシング世界王者になれる

コメント投稿者ID : dream1893

いつも刺激的なタイトルで目を引き付けられます。
スポナビのブログ欄で、一番面白そうなタイトルをクリックすると大抵ここに来ますからね。

しかし今回はびっくりしました。
普段あれだけボクシングの凄さを強調しているのに、どうしたんだろう?と思ったらIBCとは。笑

いやはや、ボクシングの(奥深さ)を体感させられました。

posted by なの。 | 2010-11-02 15:53

ブアカーオ・ポー・プラムックならボクシング世界王者になれる

コメント投稿者ID : IXI00019840

初コメです。

いつも楽しく拝見させていただいております。

プワカーオの顔つきよく覚えています。
コヒが蹴り足を取って軸足を2度蹴った時でしたよね??

プワカーオ好きなのでこれからも彼の記事をお願いします。。

posted by 本物 | 2010-11-02 09:57

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