避難の15人死亡、ストレスや疲労原因か東日本巨大地震の被災者のうち、少なくとも15人が避難所へ向かう途中や、避難後に相次いで死亡していたことがわかった。 そのうち14人は、福島第一原子力発電所(福島県)の半径20キロ圏にある医療機関や福祉施設にいた被災者だった。いずれも高齢者で寝たきりなど重い症状だったという。地震後のショックやストレス、疲労による「災害関連死」と認定される可能性がある。 福島県災害対策本部などによると、死亡した14人は大熊町の双葉病院と、介護老人保健施設「ドーヴィル双葉」に入所していた男性6人と女性8人。14日、避難所の県立いわき光洋高校(いわき市)に向かう途中に2人が死亡し、同高に到着後、さらに12人が亡くなった。 同高の田代公啓校長によると、体育館を避難所として開放。医療スタッフは医師1人を含め4人いたが、医薬品はほとんどなかったという。被災者らは畳の上に毛布を敷き、ヒーターなどを置いて寝ていた。 一方、岩手県陸前高田市の避難所で容体が悪化し、搬送先の病院で16日午前0時頃に死亡が確認されたのは、80歳代女性と判明した。死因は心筋梗塞。夫とともに同市立第一中学校の体育館に設けられた避難所に身を寄せていたという。避難所の関係者が読売新聞の取材に明らかにした。 ◆災害関連死=津波、地震による家屋倒壊など直接的な被害による死亡ではなく、被災のショックや避難生活のストレス、疲労で、心筋梗塞や持病の悪化で亡くなるケース。市町村が認定し、災害弔慰金が支給される。1995年の阪神大震災では、兵庫県内の死者6402人のうち、919人が関連死だった。 (2011年3月17日14時33分 読売新聞)
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