[国際]ニュース トピック:政変・反政府デモ
リビアに軍事介入、仏大統領が宣言
【パリ=山口昌子、カイロ=大内清】リビアのカダフィ政権への軍事介入を容認する国連安全保障理事会決議を受けて、米国、欧州連合(EU)加盟国とアラブ連盟などの代表者による緊急首脳級会議が19日、パリのエリゼ宮(大統領府)で開催され、終了後サルコジ仏大統領が演説で、最高指導者カダフィ大佐が安保理決議を無視したと非難、リビア上空の飛行禁止区域設定と空域監視に着手し、軍事行動に踏み切ったことを明らかにした。
仏軍の戦闘機ラファールがリビア領空の偵察を開始。サルコジ大統領は、反体制勢力の本拠地ベンガジに対する政権側の攻撃を阻止していると述べた。カダフィ大佐側の部隊と反体制勢力との激しい内戦状態が続いていたリビア情勢は重大局面を迎えた。
ロイター通信は関係筋の話として、軍事作戦の第一陣にはフランス、英国、カナダの各軍が参加し、続いて米軍、一部のアラブ諸国の軍隊が参加する見通しという。
そうした中、カダフィ大佐側は18日に即時停戦を表明しながら、19日も反体制派の拠点に攻撃を続けた。中東の衛星テレビは、ベンガジ市内の戦闘で26人が死亡、40人以上が負傷したと伝えた。
パリの緊急会議では、欧米諸国と周辺国が、カダフィ大佐側による攻撃を阻止するために軍事作戦に踏み切る意思を確認。サルコジ大統領は演説で「カダフィ大佐が市民への攻撃をやめれば、外交の門戸は開かれる」と述べ、ベンガジ攻撃の即刻停止を迫った。
それに先立ってオバマ大統領も18日に声明を発表し、主要3都市からの撤退などカダフィ大佐に最後通告を突きつけた。
仏メディアによると、仏南部コルシカ島には仏軍戦闘機が集結。南仏トゥーロンに停泊中の空母シャルル・ドゴールもリビア近海での展開に備えている。キャメロン首相も19日「緊急行動をとるときが来た」と述べ、戦闘機トーネード、タイフーンなどが出撃準備に入っている。
緊急会議には、クリントン米国務長官、国連の潘基文事務総長らに加え、決議案を棄権したメルケル独首相も出席した。
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