経済

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東日本大震災:発生2カ月 自動車部品なお不足 電子関連、塗料の供給不安定

 東日本大震災の発生から11日で2カ月。被災した製造拠点や物流網の復旧は急ピッチで進み、商品の品不足も一部を除いて解消しつつある。だが、自動車などの部品は今も不足が続き、震災前の生産水準に戻るにはまだ時間がかかる見通し。東京電力管内の電力不足に加えて中部電力の浜岡原発停止も決まり、夏場の操業に向けて不安は消えないままだ。【米川直己、竹地広憲、寺田剛、谷多由】

 ◆自動車

 震災発生直後から国内大手12社の工場がほぼすべて停止した自動車メーカー。東北や関東の部品メーカーの被災で部品供給網が寸断され、全メーカーが生産を再開したのは地震発生から1カ月余り後の4月18日だった。

 だが、電子部品や一部塗料などの供給はまだ不安定で、工場再開後の稼働率はトヨタ自動車やホンダで震災前の5割程度。西日本に生産拠点を置くマツダや三菱自動車も7~9割の低操業を強いられている。

 日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は「当初の想定より(生産再開は)大幅に前倒しされた」と評価しているが、各社がフル生産に戻るのは「11~12月ごろ」(トヨタの豊田章男社長)、「10月ごろ」(三菱自の益子修社長)と、早くても秋以降の見通し。夏の電力不足の影響もあって苦しい局面はしばらく続きそうだ。

 ◆電機

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、自動車向けマイコンを生産する茨城県ひたちなか市の工場が6月に一部、7月に全面再開する予定。取引先の支援も受けて復旧作業を進めているが、生産停止が自動車業界に与える影響は大きい。

 ソニーはブルーレイディスクなどを作る宮城県多賀城市の工場が休止中。5月末には製造を再開できる見通しだが「原材料の調達や電力の状況は不透明」という。日立製作所も被災した8拠点の生産を再開したが「家電など一部製品の部品不足が5月以降まで長引けば生産に影響する」と懸念する。

 ◆鉄鋼

 新日本製鉄では、津波で一部が冠水した釜石製鉄所(岩手県釜石市)が4月13日に生産を再開した。だが、釜石港の同社専用の港湾施設は復旧のめどが立たず、材料搬入や製品出荷に社外の設備を使う状態が続く。

 住友金属工業は鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)が4月25日に全設備で稼働を再開した。5月末までに震災前の生産水準に戻す計画だ。

 ◆流通

 震災後に起きたスーパーなどの品不足も「4月以降はだいぶ落ち着いた」(遠藤正敏いなげや社長)。各スーパーやコンビニは、一時購入数が制限されたミネラルウオーターを韓国などからの輸入品も含めて調達。容器が不足していた牛乳や納豆、計画停電で生産が減ったヨーグルトも徐々に回復しつつある。

 しかし、たばこは今も店頭で数量制限が続く。2工場が被災した日本たばこ産業は一時全銘柄の出荷を止め、10日時点で25銘柄の出荷を再開。「5月中には9割まで戻す」と説明する。

毎日新聞 2011年5月11日 東京朝刊

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