「ドーカイ、ドーカイ」「イヤサカサー」。藤崎八旛宮(熊本市井川淵町)秋季例大祭の最大の呼び物「神幸(しんこう)行列」があった18日、市中心部では早朝から勢子(せこ)たちの元気な掛け声が響き、街は祭り一色に染まった。
午前6時、騎馬神職を先頭に、ご神体を運ぶみこしや武者姿の随兵(ずいびょう)が次々と藤崎宮を出発。飾り馬やそろいの法被を身にまとった勢子たちが続いた。派手な髪飾りを着けた若い女性たちが華やかさを添える。
中心部のアーケード街を抜け、馬追いが披露される同市山崎町の日銀熊本支店前には、ひときわ多くの見物客が集まっていた。毎年見に来るという玉名市の津崎春代さん(63)は「馬が勇壮に動く姿は迫力があって好き。馬追いが終わると、熊本に秋が来て涼しくなるように感じます」
行列は約2時間かけ、同市新町の「御旅所」に到着。奉納団体「随兵肥後一會(はじめかい)」の古川康幸さん(57)は「神幸行列は一年の総決算。ほかの団体に負けない奉納ができた」と満足そう。糸石絵里香さん(27)も「伝統ある行事をこれからも大切にしていきたい」と話した。
午後にはご神体を藤崎宮に戻す「夕随兵」があった。
=2011/09/19付 西日本新聞朝刊=