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福岡・飲酒追突3児死亡、懲役20年確定へ

 福岡市で2006年に起きた3児死亡飲酒運転追突事故で、危険運転致死傷罪などに問われた元同市職員今林(ふとし)被告(27)の上告審で、最高裁第3小法廷(寺田逸郎裁判長)は「アルコールの影響による前方不注意により危険を的確に把握して対処できない状態も危険運転に当たる」との初判断を示し、同罪成立を認めて被告の上告を棄却する決定をした。

 決定は10月31日付。業務上過失致死傷罪などにとどまるとして懲役7年6月とした1審判決を破棄し懲役20年とした2審・福岡高裁判決が確定する。

 裁判官5人のうち4人の多数意見。01年に新設された危険運転致死傷罪は適用基準が不明確で、悪質な飲酒事故でも検察や裁判所が適用を見送るケースもあり、送検時の適用件数は年間300〜400件程度で横ばい傾向が続いている。今回の判断は飲酒運転を幅広く「危険運転」と見なす内容で、同罪の積極的な適用につながる可能性がある。

 上告審では「アルコールの影響などにより正常な運転が困難」な場合に成立するとした同罪の規定の解釈が争点となった。決定はまず、同罪の適用に当たっては〈1〉事故の態様〈2〉事故前の飲酒量や酔いの程度〈3〉事故前の運転状況〈4〉事故後の言動〈5〉飲酒検知結果――などを総合的に考慮するべきだと指摘。事故前後の様々な状況から、危険運転に当たるかどうかを柔軟に判断することを可能にする基準を示した。

2011年11月2日21時06分  読売新聞)

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