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回収携帯、データ消さず提供…au代理店元店長

 携帯電話会社のKDDI(au)の販売代理店(福岡県福津市)が、顧客から回収した数十台の使用済み携帯電話の内部データを消さないまま、他の顧客に無償で譲り渡していたことがわかった。

 同社は5台しか回収できておらず、総務省は個人情報保護法に抵触するとして、同社に事実関係の報告を求めている。

 同社によると、元店長が数年前、修理のために来店した男性客に使用済み携帯電話の提供を求められ、1台を譲渡。その後も男性の求めに応じ、元店長と、店長の指示を受けた店員1人が提供を繰り返し、元店長が辞める昨年までに少なくとも20台を渡したという。

 同社は使用済み携帯電話を回収する際、個人情報の流出を防ぐため、顧客の前で破砕するようマニュアルで定めている。元店長はこれを守っていなかった。

 男性が昨年、「店から譲り受けた携帯電話に個人情報が残っている」と同省に連絡し、発覚。同社が男性から5台を回収して調べたところ、全てに発着信履歴などの個人情報があった。同社は元の所有者に謝罪した。データの二次流出は確認されていない。

 同社によると、元店長は「使用済み携帯電話を渡したのは男性だけ。データは残っていないと思っていた」などと説明。ただ、破砕しなかった理由や男性に渡した経緯などは不明という。

 男性は残る携帯電話について「第三者には渡していない」と話しており、同社は引き渡しを求めているという。

 同社は全国の約3万の販売店に対し、使用済み携帯電話の処分と個人情報保護の徹底を書面で指示。「お客様にご心配とご迷惑をかけ、申し訳ない。再発防止に努めるとともに、残りの電話の回収に全力を挙げる」としている。

2012年3月9日20時44分  読売新聞)

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