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タイトル 日本ニュース 第2号
公開日 1940年(昭和15年)6月18日 日本ニュースについて

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チャプター

[1] チャプター1 聖上陛下 神宮山陵御親拝  01:28
[2] チャプター2 日大連覇成る 三大学対抗水上戦  02:30
[3] チャプター3 空閑地利用戦時糧食運動  01:18
[4] チャプター4 疾風怒濤パリへ快進撃  02:18
[5] チャプター5 抗日首都重慶大爆撃  02:44

再生テキスト

京都皇宮に御駐輦(ちゅうれん)、御第二夜を送らせ賜いし天皇陛下には、6月11日、肇国(ちょうこく)の聖地大和に聖駕(せいが)を進めさせ賜い、畝傍(うねび)山稜に御親拝の御後、橿原(かしはら)神宮に着御。紀元2600年の皇謨(こうぼ)を御報告。併せて時艱克服を御祈念(音声中断)あらせられました。
かくて陛下には沿道に堵列(とれつ)する赤子(せきし)の奉迎を受けさせられ、天気ことのほか御麗しく、京都皇宮に還御(かんぎょ)(聞き取り困難)られました。

第7回日大・立教・明治、三大学水上対抗競技大会は6月16日、我が水上界の第一線選手を網羅して、神宮プールにて挙行されました。
この日の呼び物、100m背泳ぎ。

(実況)
スタートしました。手前から立教・阪本、日大・幸村、明大・鮫島、立教・ヤマモト、日大・河野、明大・イイダ、立教・門屋、日大・谷口、明大・大野木。
50mのターンにかかります。50mのターン、日大・谷口君トップ。
やがて75m。日大・タニグチ君のラストスパート。
いよいよゴール間近。ゴール。ゴールインしました。谷口君一着、タイム1分10秒8。

次は100m自由形。手前から日大・牧野、立教・新井、日大・佐々木、立教・本田、日大・林田、明大・豊島、立教・大崎。立教・新井君、最初からトップをきっております。続いて日大・佐々木、立教・本田。
各選手並行。50mのターンにかかります。
新井君ターン、続いて日大・佐々木、立教・本田。
いよいよ80m、立教の新井君、猛然ピッチを上げました。あと20m。15m。10m、5m、ゴール、ゴールインしました。立教・新井君一着、タイム59秒8。

戦時下の食糧問題に対処して、和歌山市の小学生や女学生団は鍬(くわ)や鋤(すき)を手に勇ましく空閑地の耕作に乗り出しました。
今までほとんど顧みられなかった、和歌の浦や紀ノ川付近の荒地200余町歩は、数千名の幼い少年少女達の汗と力で、瞬く間に掘り返され、見事な畑になっていきます。
できあがった畑には、代用食糧のさつまいも、かぼちゃ、その他が植えつけられ、照りつける太陽の下で重い水桶(みずおけ)を肩に、栽培に大わらわです。
こうした耕作の実地教育と糧食運動の結果、和歌山市にはもはや空閑地なしとまで言われるに至りました。
これは楽しい収穫風景。春以来のかわいい努力は立派に報いられて、40町歩から15万貫のじゃがいもが採れました。

疾風怒濤(どとう)と寄せるドイツ軍は、鋼鉄部隊の精鋭をもってベルギー領深く侵入し、150万の連合軍必死の抵抗を次々と撃破して、さながら無人の野を行くごとく、フランス国境へと進撃しました。
国境地帯の道路は、ドイツ軍の進撃を阻むべく、無数のバリケードが築かれております。
しかしながら、精鋭機械化部隊の前には何らの効果も示さず、ドイツ軍は一気にこれを突破して、雪崩のごとくフランスへと殺到しました。
この付近のドイツ系市民は、堂々たる祖国軍隊の侵入を狂喜(きょうき)して迎え、戦塵に汚れ、暑熱に悩む将兵に歓迎の雨を注ぎました。
一方、ベルギー・アルバート河方面に向かったドイツ軍は、爆破された大鉄橋をみごとに征服して、快進撃を続けました。
かくて、いよいよフランスが主力防衛にあたる堅塁攻略の火蓋(ひぶた)は切られ、前大戦以来、夢にも忘れなかったパリを目指す各将兵の意気、天に沖して、フランダースの平原を圧する壮烈な大砲撃戦が展開されました。

(砲撃戦の様子)

抗日の迷夢なお覚めやらぬ蒋政権の本拠、重慶を長駆(ちょうく)襲撃して、これを徹底的に爆砕すべく、6月10日、我が陸海の荒鷲は相協力して勇躍(ゆうやく)出陣の準備を整え終わりました。
歴史的大空襲の重任を担うもの、いずれも陸海の空の精鋭、決死報国の誓いを固く胸に畳(たた)んで、必勝の気宇(きう)、すでに敵を呑み、敢然として撃滅の壮途に上る。

(戦闘機出陣の様子)

6月の陽光、燦(さん)として銀翼に映え、脚下に長江の流れを望む。乱雲乱れ飛ぶ重畳の山岳を越えれば、すなわち目指す敵首都重慶。
突如30機に近い敵戦闘機が小癪(こしゃく)にも我に戦いを挑んできました。我が荒鷲は、これと壮烈な空中戦を展開。
かくて鎧袖(がいしゅう)一触、敵機約10機を撃墜した我が堂々の大編隊陣は、そのまま重慶の心臓部目がけて一斉に巨弾の雨を注ぎ、重要軍事施設をくまなく爆砕しました。
炎々(えんえん)たる炎と濛々(もうもう)たる黒煙。これこそ事変以来、初めて記録された、敵首都の姿であり、決死撮影の貴重なる第一報であります。
かくて我が荒鷲部隊は、凱歌(がいか)の爆音を高らかに、全機無事帰還の途につきました。


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