宮城のニュース

大漁旗たなびけ 一本釣り&巻き網漁船完成 宮城・女川

笑顔の出迎えを受け、女川港に入るハイブリッド型遠洋漁船「第18宮丸」

 カツオ一本釣り漁と巻き網漁を1隻で行えるハイブリッド型遠洋漁船「第18宮丸」(499トン)が完成し27日、母港となる宮城県女川町の女川港に回航され、町民らの祝福を受けた。
 ハイブリッド型遠洋漁船は、漁獲規制の強化や燃油高騰で遠洋漁業の採算性が悪化する中、二つの漁法の兼業で操業効率を高めるのが狙い。カツオ一本釣り船とカツオ・マグロ巻き網船が更新時期を迎えた宮丸漁業(同町)が昨年から、国の補助金を含む約22億円をかけて建造を進めていた。
 静岡市の造船所で造られた第18宮丸は27日午前、大漁旗をたなびかせ女川港に接岸した。関係者や町民ら100人以上が町の水産業再生をけん引する新船を手を振って出迎え、餅まきなどで完成を祝った。
 出漁は4月初旬で、赤道付近で巻き網漁に従事。6月ごろからは漁師がさおを出す「釣り台」を船尾に取り付け、三陸沖の一本釣り漁に就く。これまでなかった女川港への水揚げも行う予定という。
 東日本大震災では宮丸漁業も本社事務所が津波で流失。社員や乗組員の大半も自宅が流されるなど大きな被害を受けたが、新船の建造はほぼ予定通りに進んだ。震災直後は既存漁船を使って石巻地方に支援物資を送り込む活動も担った。
 宮丸漁業の阿部隆社長(57)は「地元が元気になる漁業を続けていく責任を震災前以上に感じている。社員、乗組員が一丸となって復興に貢献できればいい」と話した。


2012年03月28日水曜日


関連記事

powered by weblio


Ads by Google

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS