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800万かけ芝生に、967万で土に戻した中学

 大阪府岸和田市立春木中学校で、全面芝生化されたグラウンドの芝生の一部を、部活動に支障があるとして保護者らがはがした問題で、市教委は10日、非公開で市議に経緯を説明した。

 市教委は、グラウンドの芝生を全てはぎ取り、市側が967万円かけて土のグラウンドに戻したことや、府から受けた補助金300万円は前校長(3月末で退職)が私費で返還することを明らかにした。

 府や市教委によると、春木中では、PTA関係者や教員らが緑化委員会を設けて芝生化に取り組んだ。府の補助金300万円に少年サッカー関係者や住民らの寄付金約500万円を加えて、2009年度に約9000平方メートルのグラウンドに芝生を植え付けた。

 しかし、表面がでこぼこになるなどしたため、活動に支障があるとして、野球部やソフトボール部などの保護者らが土のグラウンドに戻すよう要望。学校側との話し合いがつかず、10年12月、保護者らが芝生の一部をはがす事態となった。

 一方、市教委は11年夏、グラウンドの状況を調査し、芝生化で使用に支障が出たと判断。芝生をすべて除去することを決め、12月に教職員らが作業。さらに、芝生化に合わせて整備した散水設備なども撤去した。

 芝生化が実現しない結果となり、府は緑化委員会に補助金の返還を請求。緑化委員会の委員だった前校長は、その後に委員長を引き受け、「各方面に迷惑をかけた責任をとる」と私費での返還を申し出た。前校長からは退職後の今月9日、府に300万円を振り込んだと連絡があったという。

 府は、「事業の目的が達成できなかった以上、やむを得ない。異例だが、緑化委員会からの返金として受け取る」としている。永本定芳・岸和田市教育長は「PTA総会などの場で、経過を報告したい」と話している。(藤原茂)

2012年4月12日07時45分  読売新聞)

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