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「サウンド・デザイン」の起源がもし舞台の効果音であったとするならばすでに二千年以上の歴史があると言えるでしょう。音楽も同じように長い人類の歴史と共に変化しつつ継承されてきました。
テクノロジの普及は目覚ましく、今ではパソコンさえ使えば誰でも音楽、映像を作れる時代になりました。
こういう時代にあって若い人達は何をするべきか。私はその一つは「歴史に学ぶ」ことであると思います。新しいものを作り出すためには古いものに学ばなければなりません。
私の使命はただ一つ、皆さんが学びの道に迷いそうになった時の良きガイドであることだと思っています。 |
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「映画音楽技法」と「オーケストラ・ライテイング」のクラスを担当しています。
両クラスともに、今までの現場で積み重ねてきた私の体験、仕事で得た素材を使用してクラスをすすめています。
「オーケストラ・ライテイング」で使用している教室には、一人一台ずつのコンピュータ、シンセサイザが配置されていますので、学生は授業でとりあげる内容をコンピュータでシミュレーションし、常に「音」を体験しながら勉強をすすめています。
クラスは3年生、4年生の混合クラスで、これからの音楽活動での必要性から、学生、みんなが非常に熱心に課題の実施など、学習にむきあってくれています。 |
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現代の音楽制作はコンピュータをはじめ様々なテクノロジーが用いられ、それらを柔軟に使いこなすエンジニア力が求められています。
一方、作曲・編曲、録音・ミックス、という音楽・音響作品を制作する目的は音楽的・音響的メッセージを人々に伝えていくことであり、「人と人とのコミュニケーション」力が最も重要です。音楽・音響デザインでは音楽表現に必要な作・編曲手法、エンジニアリング手法を両軸に「人に伝える、人の気持ちを動かす」表現力を伸ばしていきたいと考えています。そのために必要なテクニックやコミュニケーション手法については全て伝えていきます。一緒に楽しみながら、しかし真摯に学んで欲しいと思います。 |
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昨今では作曲や録音といったような、少し前まではプロフェッショナルの人間にしか縁がなかったようなことも、その気になれば誰でもチャレンジ出来る、より身近な存在になりつつあると感じています。そうしたことは非常に好ましいことであるし、誰にでも様々なチャンスの裾野が広がっていると思います。
そんな時代ですから、それに見合った学習が必要です。この音楽・音響デザインコースにおいては、そういった時代のニーズに合ったカリキュラムが多く存在します。あとは、学生自身がいかにそれらを選択し、また大学生活においてどのように時間を過ごすか、といったことが大事だと思います。将来の夢に向けて、大きな可能性が詰まっているコースです。 |
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音楽に関わる現代のミュージッククリエイターは、以前のように譜面を書くだけでは難しくなってきました。音楽的なアイディアを最終的に耳で聴くことが出来るように制作が必要になってきたらです。そこには少なからずエンジニア的な要素も含まれ、非常に広範囲なスキルが要求されます。4年間という限られた期間で、その全てを効率的に学ぶ環境がここにはあります。
また、実社会での活躍を考慮しますと、音楽がクリエイトできるだけでは不十分といえます。人と人とのコミュニケーションが必ず介在する音楽制作において、コミュニケーション能力はとても重要な要素です。音楽制作能力に秀でていても、この能力が乏しければ活躍の場は広がりません。このような音楽制作技術以外に必要な能力は、普段の大学生活やイベントへの取り組みによって培われることでしょう。そして、音楽を通じて人間的にも成長することを願っております。 |
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本コースの魅力は、現在進行形で商業音楽を作る仕事をされている先生方の考え方に触れることができることです。先生によっては、専門も考え方もまったく違うかもしれません。学生もそれぞれ目指す方向が違っていて当然で、どう触発されるかを自分で選び取っていくことも大切でしょう。
職業音楽家としては、クライアントのニーズに幅広く対応できる柔軟性と知識、視野の広さが求められ、表現者であるためには、他にない独自の発想を持つことが重要です。どこから切り開いていくか、ルールはありませんが、私からの提案としては、まずは既存の音楽の成り立ちから学ぶことが多くあるということ。既存の音楽をある程度模倣する技術を十分に持った上で一度それを否定して、奇想天外な組み合わせを考えることからオリジナリティが生まれてくるように思います。同時に、万人の心を打つ普遍性にも配慮しなくてはなりません。実験性と普遍性を両立させることを目指せば、音楽家としての未来は明るいでしょう。もう一つ、インターナショナルな視点を持つことはこれからますます重要になっていくでしょう。
音楽は人の心を動かす仕事なので、必ず背後には何らかの哲学やメッセージがあります。最終的には、自己や他者をどう理解するか、時代をどう読み解くかという洞察力を磨くことも大切と考えています。 |