ShoeMoneyが告訴―なんとGoogle社員がAdWordsの不正利用か? 
by Jason Kincaid on 2009年4月9日

Google AdWordsの効果的なキーワードを探す日々の努力は検索エンジン最適化(SEO)に似ている。これは一種の黒魔術で、ライバルをうまくやっつける方法を発見すれば大金が稼げる。また非常に競争の激しい分野でもある。ライバルに勝つためのキーワードの取り合いはすさまじい。Googleはこの点について、企業を保護するために、「登録商標を不当に利用してはならない」旨利用約款に定めている。(たとえば、私がAppleの広告を作ってTechCrunchにリンクすることは許されない)。しかしこの規則も完全ではない。今日、われわれはGoogleのAdWrdsの商標保護規則が破られ、しかもそれにGoogle社員が関係しているかもしれないという話を聞いた。

Jeremy Schoemakerはオンライン・マーケティングの著名な専門家だ。Shoemoney.comでウェブで儲ける方法を主としてさまざまな記事を書いている。マーケティング業界以外でも彼はGoogleから送られてきたAdSenseで稼いだ広告料金の小切手、額面$130,000をかざして写っているこの写真で有名だ。

予期されたことながら、多くのライバルがAdSenseによってShoemoneyという単語(Schoemakerの登録商標)を含む広告を掲載するという怪しげな手段でSchoemakerの成功から金を儲けようと繰り返し試みることとなった。Google自身が前述のようにこうしたやり方を禁止しているため、Schoemakerは法廷で争う必要なしに違反行為を止めさせることができた。

しかし、最近起きた違反は様子が違っていた。4ヶ月前、SchoemakerはShoemoneyという単語を含む広告をmyincentivewebsite.comというドメインに誘導する新たな違反者に気づいた。繰り返しGoogleと違反者に連絡を試みたが返事を得られなかった。(文書による正式な差し止め要求も降下がなかった)。ドメイン情報を調べても所有者の連絡先が公開されておらず、コンタクトを取ることさえ難しい状態だった。Schoemakerはついに裁判所に申し立てて、ウェブサイトを運営している違反者の個人情報を開示する命令を得た。

これによって得られた実名によってSchoemakerはついに違反者と接触することに成功した。相手側は「Googleの利用約款は知らなかった。Shoemoneyが登録商標であることも知らなかった」と抗弁した。Schoemakerは納得せず「相手方はいつも無知を装い、不誠実な対応に終始した」と述べている。しかも、相手は自分の潔白を証明するつもりで、Googleのアカウントのスクリーンショットを送ってきた。ところが、Schoemakerはそれを見て、自分自身が登録したキーワードに信じがたいほどそっくりなのに驚くことになった。

ここから自体は奇妙な展開を迎える。違反者のFacebookの友達の多くがGoogleのAdWords部門で働いていることをSchoemakerの友人が発見したのだ。そこでLinkedInの(キャッシュされた)プロフィールを調べると、違反者自身がGoogleの「AdWords アカウント・ストラテジスト」という職についていることが記録されていた。ただしこの肩書きはその後、削除されている。Googleのニューヨーク支社に電話したところ、たしかにその名前の社員が名簿に載っていることがわかった。違反者はGoogle社員ではないかというSchoemakerの疑いはますます強まった。

Schoemakerはそこで違反者(及び違反行為が行われたウェブサイトの運営者だとして名乗りを上げてきたその父親)に対して訴訟を起こした。現時点では、違反者が約款で禁止された単語を利用し、あるいは、Schoemaker自身のキーワードリストを覗き見するためにGoogleでの地位を悪用したか否かは不明だ。しかし、いずれにしてもGoogleの社員が自社のサービス提供約款を知らなかったというのはあまりにも不自然だ。

われわれは違反者と接触することができていない。Googleがわれわれの質問に対して送ってきた回答は次のとおり。
「この種の問題については重大な関心を寄せているものの、個別の案件についてはコメントすることができません。

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(翻訳:Namekawa, U)