オーストラリア連邦科学工業研究機関Post to TwitterFacebook Share

分類:宇宙開発機関


名称:オーストラリア連邦科学工業研究機関/Commonweath Scientific and Industrial Research Organisation(CSIRO)
国名:オーストラリア
本部所在地:キャンベラ
設立年月日:1949年

オーストラリア連邦科学工業研究機関(CSIRO)は1949年に制定された科学工業研究法によって独立した組織で、1986年制定の同法修正条項で現在の組織になりました。1996年6月の段階でCSIROには約3,000名の科学者を含めて合計約7,500名のスタッフが在籍していますが、このうち宇宙関連の研究は1984年に組織されたCOSSA(CSIRO Office of Space Science and Applications=CSIRO宇宙科学応用局)が中心になって実施しています。
COSSAはCSIROで最大の組織で、その管理下には政府および企業の調整をおこなうCRCSS(Cooperative Research Centre for Satellite Systems=衛システム合同研究センター)や宇宙技術開発をおこなうASRI(Australian Space Research Institute=オーストラリア宇宙研究所)が置かれています。現在、COSSAが進めている宇宙計画はARIES(Australian Resource Information and Environment Satellite=オーストラリア資源情報環境衛)とFedSat(Federation Satellite=連邦衛)で、ARIES-1とFedSat-1は2000年に打ち上げられる予定です。またASRIが中心になって低軌道衛打ち上げ用のAUSROC打ち上げランチャーの開発が進められています。

1.どのような組織になっているの?
CSIROはオーストラリア科学技術省の下部組織で、COSSA(CSIRO宇宙科学応用局)以外にも農業、環境/自然、情報技術/インフラストラクチャー、製造、鉱物/エネルギーなど60におよぶセンターや局があります。COSSA以外で宇宙開発と関連しているのが地球観測計画の研究開発支援をおこなうEOC(Earth Observation Centre=地球観測センター)と大気研究部門で、CSIROの半分以上の組織が直接、間接的に宇宙計画にかかわっています。

2.地図上ではどの辺にあるの?
本部および主要な研究施設は首都のキャンベラにありますが、オーストラリア全体では70ヵ所以上の施設があります。例えば大気研究部門はビクトリア州アスペンデール、オーストラリア国立望遠鏡施設はニューサウスウェールズ州エピング、オーストラリア・テレスコープ・コンパクトアレイはニューサウスウェールズ州ナラブリ、ASRIの製造施設はビクトリア州メルボルン、タスマニア地球資源衛ステーションはタスマニア島のホバート、打ち上げ施設はサウスオーストラリア州ウーメラにあります。

3.ロケットはどこで打ち上げるの?
ウーメラ打ち上げ射場です。

4.これまでにおこなった宇宙計画とこれから予定している計画にはどんなものがあるの?
オーストラリア独自の宇宙計画はまだ開発段階にありますが、NASAESA人工衛星や探査機を追跡するステーションや通信施設が早くから設置されていました。中でも有名なのがキャンベラ近郊の深宇宙通信コンプレックスやタスマニア島の地球資源衛ステーションなどです。今後の計画としてはAUSROC打ち上げランチャーの開発が進んでおり、その予備試験段階としてウーメラでズーニおよびサイター観測ロケットが打ち上げられています。また国産の人工衛星としてARIES資源探査衛とFedSat科学衛星があり、今世紀中にも打ち上げられることになっています。

5.これまでに開発したロケットで代表的なものは?
AUSROC打ち上げランチャー、Zuni/Sighter観測ロケットがあります。

6.これまでに開発した人工衛星で代表的なものは?
ARIES資源探査衛、FedSat科学衛星があります。

7.予算はどれくらいなの?
1999年のCSIROへの政府割り当て予算は5億9,750万オーストラリアドルで、そのうち地球観測分野に500万オーストラリアドル、宇宙科学分野を担当している宇宙科学応用局(COSSA)には200万オーストラリアドルが割り当てられています。