もちろん、1発でOKなんてこともあり得なくて、「録り直しますので、キューランプスタートでお願いします!」と言われたのはいいんですが、こっちは「キューランプって何?」(笑)。
ランプというくらいだから、何か光るんだろうと思っていたら、赤いランプが点いたので「これだ!」と……というのがデビュー作の記憶(笑)。とにかく、周りのみなさんがとても優しくしてくれましたね。
場所はタバックスタジオだったんですけど、終わった後で飲みに行こうと誘ってくれて。夜中の3時くらいまで飲んでましたね。そこで初めて、焼酎の梅干し割りを飲んで「美味い!」と。その日からしばらく、飲み屋では焼酎の梅割りばかり頼むようになりました(笑)。
……と、デビューの話はよく聞かれるので、今でも細かいところまでよく覚えてます。
――あぁ、なるほど(笑)。では、アニメのデビュー作は?
『ゲゲゲの鬼太郎』(※注2)ですね。これは、ちゃんと事務所に入ってからいただいた仕事。僕、アニメなら絶対に『ゲゲゲの鬼太郎』に出たいと心に決めていたんです。
水木 しげるさんが大好きなので。僕にとって、水木さんの『コミック昭和史』(※注3)はバイブル。今でも、引っ越しのたびに必ず捨てずに持っていく漫画なので、ずっと『ゲゲゲの鬼太郎』にはぜひ出たいと思っていたんです。そうしたら、初アニメがそれ。嬉しかったですね。
最初の役は若者だったんですが、“番レギュ”(※注4)的な形で、いろいろな役をやらせていただきました。「口に合わせるって、なんて難しいんだろう!」と思いながら、毎回必死でしたね。
青二塾は、生の演劇の勉強はあるんですが、いわゆるアフレコ実習はやらないんですよ。声の芝居は、ラジオドラマをやってみるくらい。なので、アニメのアフレコに関しては、ゼロからのスタートでした。
「新人だからといって新人づらをするな!」がアドバイス?
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