【動画】インドネシア・シムル島の「スモン(津波)唄」=郷富佐子撮影 |
【シムル島=郷富佐子】22万人以上の死者・行方不明者を出した2004年の大津波で、震源のすぐ近くだったにもかかわらず、死者がほとんど出なかった小島がインドネシアにある。島民を救ったのは、津波の教訓を盛り込んで歌い継がれる叙事詩だ。東日本大震災も一節に加わった。
インドネシア北西部スマトラ島沖に浮かぶアチェ州シムル島。美しい海岸に太鼓の音が響き、男性たちが島の言語で歌い始めた。
2004年末/1907年のような津波が来た/昔話を聞いて良かった/島民が大勢助かった
歌詞は伝統的な4行の叙事詩。独唱と合唱が交互に繰り返され、延々と続く。 住むところがない/寝場所を探す/アチェで2004年/日本で2011年
東日本大震災は29番に加わった。
島唄グループを率いるディヒト村のラブアン・サニー村長(38)は「2年前に日本で車や家が流されるテレビのニュース映像を見て、同じ経験をしていると悲しかった。津波の悲劇を繰り返さないために、我々は語り継がなければいけない」と話す。
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朝日新聞国際報道部