デフレ論者に共通する矛盾 まったく見苦しい…

2013.02.20

 アベノミクスで円安と株高が大きく進み、その後も為替と株は国内外の要人発言などをきっかけに変動している。浜田宏一エール大名誉教授いわく「論より証拠」だ。

 対照的に長期金利は落ち着いている。これについて、デフレ論者からは「デフレ脱却は不可能だと債券市場が見ているため」との解説がある一方、「何らかのきっかけで急上昇する」との矛盾するようなことを言う人もいる。

 こうした矛盾はデフレ論者に共通であり、デフレからの脱却はないと言いながら、急にハイパーインフレになるとも平気で言い出す。

 金利は住宅ローンなどで読者にとっても関心がある話なので、金利が落ち着いている理由や、今後の景気回復やデフレ脱却局面で金利はどうなるかについて解説しよう。

 アベノミクスのベースになっている金融政策は「期待」に働きかける政策。マネタリーベースを増やせばインフレ予想が高まるというだけだ。まずは市場が実質金利の低下を予想して反応する。足元の株高と円安がその動きだ。

 市場の反応が実物経済に波及するにはタイムラグがあり、たとえば円安が輸出増に貢献するまでには半年から1年半かかる。株価上昇が消費に波及するのにも半年から1年半ぐらいはかかる。実質金利が低下すると設備投資が伸びるが、これは半年〜2年ぐらいかかる。これらが巡り巡って有効需要が増えていく。

 実は設備投資が出ても、資金需要にはすぐには結びつかない。というのは、企業は内部留保があるために外部資金にはなかなか頼らないため。外部資金による資金需要が出て長期金利が上がるのは、これまでの歴史から見て3年後ぐらいからだ。

 これまでのデータから見て、長期金利が落ち着いているのは自然な話。債券市場の需給関係から見ても、当面マネタリーベース(中央銀行が供給する通貨)を増加させるために日銀は国債などを購入するので、なかなか長期金利は上昇しない。もちろん売り仕掛けで一時的な長期金利の上昇はあるかもしれないが、デフレ脱却後に遅れて長期金利が上昇するのが、セオリーや歴史的事実から想定されることだ。

 これらは正常の経済を前提とした話だが、財政事情が悪くなると、急激な長期金利の上昇が見られることもある。ところが、クルーグマン・プリンストン大学教授も指摘しているように、日本はまともな金融政策を取ると言ったら、財政再建できるとみなされて破綻する確率が低くなった。デフレ脱却してキチンとした成長ができるとみられているからだ。

 デフレ論者が、デフレから脱却できないというのは、日銀券(紙幣)の価値が高いままという意味だが、一方で国債が暴落するというのは理解できない。日銀券も国債も広い意味での政府の債務なので、どうして一方は価値が維持されて、一方が暴落になるのだろうか。これを指摘すると急にハイパーインフレ説が出てくる。まったく見苦しいものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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