1位の横顔:第81回日本音楽コンクール 反田恭平さん/務川慧悟さん

毎日新聞 2012年11月13日 東京夕刊

 先週に引き続き、第81回日本音楽コンクールの各部門1位を紹介します。【梅津時比古】

 ◆ピアノ部門 反田恭平(18)=桐朋女子高音楽科(男女共学)3年

 ◇予選を通ったのは「事件」

 この1カ月、身の回りを事件、イベント、事故が通り過ぎた。

 本選の3日前、文化祭のミュージカルの練習に自転車で早朝、学校へ向かう途中、急に右折したオートバイにひかれた。「目の前にライトが来て、ああこれで終わった」。右半身を打撲、歩けず、右手が上がらない。「本選の前日まで特に右手首が痛かった。左手の部分だけを弾いて練習しました。それがかえって良かった。スランプだったのが、開き直って吹っ切れたのです。本選の日の朝、起きたら痛みがすべて消えていた」

 イベントはミュージカル「ミー・アンド・マイ・ガール」で爵位を受け継ぐ主人公役。「歌だけでなく120カ所セリフがある。コンクールのために練習休んでいいと皆言ってくれたけど、迷惑をかけられない。その仲間たちが精神的にも支えになってくれました」

 事件は、予選を全部通ったこと。「来年、本腰を入れて受けるつもりで、今年は雰囲気をみるお試し受験。本選に選んだラフマニノフの協奏曲第3番は、中学のころからあこがれていた曲だけど、本選に進むと思ってないから全然、譜を見ていない。(第3予選から本選までの)1カ月で、これだけ練習したことは今までありません」

 本選で弾ききった後、舞台上の彼の目から涙があふれ続け、それをぬぐおうともしなかった。

 ◆ピアノ部門 務川慧悟(19)=東京芸大1年

 ◇プロコフィエフに親近感

 今回、本選に出場した4人の男性はまさに伯仲の質の高い演奏を繰り広げた。3位の江沢茂敏(しげとし)も品格のあるベートーベンの4番を聴かせてくれたし、入選の吉武優(よしたけまさる)のプロコフィエフの3番も色彩豊かだった。その中で、自分で最も満足したのは1位を反田と分け合った務川だったかもしれない。曲はプロコフィエフの3番。

 「いつも自分の演奏に反省点が残りますが、今回の本選だけは珍しく9割がた満足のいく演奏ができた。弾く前は緊張していたけれど、舞台に立つとオーケストラのメンバーや指揮者など仲間がついてくれていると、安心感に包まれた。それに、東京オペラシティというあこがれの舞台で弾ける喜びがあって、ひたすら集中できました。ピアニッシモの響きが美しく聞こえるホールなので、自分の演奏でも良いピアニッシモを出せるように心がけました」

 この曲は小学校のころから好きでCDでよく聴いていた。

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