玉木宏樹の言いたい放題

これはいわば日記のような、随想のようなコラムです。話題は別に音楽に限りませんが、ある程度、音楽としての見方が反映されるかも知れません。 好き勝手に言い たい放題を書くだけですから、パスして下さっても結構です。


2月19日
〈カーゲルとキャイ〜ンの変な関係〉

 アルゼンチン生まれで希代の変態作曲家カーゲルという人がいる。「トリビアの泉」で指揮中に発作を起こした指揮者(福森さんだった)がステージにぶっ倒れてしまうが、オーケストラは全く無関心で演奏を続けるという変態曲をON AIRしたから見た人は多いかも知れない。私がいつも言っているように、指揮者なんていらないのさ、というパロディなのだ。さてそんなカーゲルのCDがNAXOSで出たので買った。1曲目が「Szenario」で、ブニュエルとダリの作ったサイレント映画への音楽で、オーケストラと犬の鳴き声(テープ)という編成。私は多少期待したのだけどダメだった。実は私はカーゲルよりも10年前に犬の鳴き声を入れた音楽を作っている。今日はその話だ。
 お笑いで「キャイ〜ン」というコンビがいる。この「キャイ〜ン」の名の由来は実は私なのだ。マンガのセリフからとった、と言ってるからまちがいない。まだ30少しすぎの頃、うちのマネージャーとかその友達とかの若者たちとよくマージャンをやっていた。私はちっともうまくないのに勝負ばかりするからよく振り込む。ある時親のリーチに「イッパツ! 親の倍滿」とやられた時くやしくてシッポを踏まれた犬のように「キャイーン」と叫び、それが大受け。仲間同士ですごいはやり出した。その一員に、入って2年目の小学館の編集見習いがいて、彼のコミック誌のマージャン風景の中で役満ふりこんだ奴が真っ黒の犬になって「キャイーン」と吼えたのだ。しかし、だからといってその言葉がすぐにはやったわけではなく、なんだか消えない線香花火のように変な広がり方をしていた。もちろん我々は日常語のように使いまくり、何だか物事がうまくいかない時に「キャインだなあ」なんて言ったもんだ。そんなある日、尺八の村岡さんというとてもユニークな人から新曲を書いてくれと言われていたのに全く手つかずで、催促されてあせったある日のこと。とても変わったクロスオーバーへタレの野グゾバンドだったので何をやってもいいのだけれど逆に何も思い浮かばない。じゃまずタイトルを決めようと思ったが「桎梏と吸収(四国と九州のダジャレ)」とか「透明なる迷信(東名と名神)などというアホゲなことしか思いつかず、落ちこんでしまい、あ〜あ、キャインだなあ、と溜め息をついた時、ハタとひらめいたのが「キャイン」という題名。これに漢字で華韻とあてるとサマになる。キャラのキャは華と書くし、と思いつくと、ワンサカ、イメージが噴出し、とにかく金目の楽器を沢山登場させ、初めから終りまでステージはキャイン・キャインだらけ。そして最後の最後、バンドがスパっと終ったとたん、客席に用意した4-wayの大スピーカーでホンモノの犬の「キャイン・キャイン」が効果 抜群のステレオで会場をとび回り、最後にひとこえ「キャイーン」と激しく鳴く、という曲なのだ。タイトルの「華韻(キャイン)」と「キャイーン」の関係の分らぬ ドマジメな客たちはただ変な顔をしていただけだったけど、終って私は仲間たちと大笑い大騒ぎの大宴会となった。この曲はライブレコーディングされ、たしかテイチクでLPが出ている。今日もJASRACの作品データベースを見ると、 玉木宏樹の作品一覧の中にちゃんと「華韻(KYAIN)」が存在していた。
 こら、「キャイ〜ン」め、私にひとことアイサツしろ! ハハハ。



言いたい放題 11月24日版

<ファクタ誌から二つの情報>
 会員制で広告なしの経済誌「ファクタ」が大変面白い。今月号から二つの話題を。
 まず、福島県知事の逮捕問題だが、これは検察が本気で原発汚職の摘発に入るサインだという見方。もとは福島県知事は強力な原発反対者として知られていたので、今回の逮捕劇は、原発反対派つぶしだという説もあるが、実は全くの反対で、表向き反対の立場の方が、実は高い汚職ができるということで、20億ですむ残土処理に60億もかけたりしている。大体が東北電力のショバに東電が原発を作っているのもおかしいことで、複雑な人脈が見えるらしい。元東電社長平岩外四は叙勲も受けているけど、今回は相当厳しい状況になるようだ。
 もうひとつは北朝鮮の経済制裁は全くのザルであるということ。いくら中国が強いことを言おうと、石油パイプラインは技術上止められないそうだ。止めてしまうとすぐにパイプが劣化するという。この話とは別に、今の北朝鮮が全く金正日の統制下になく、ルーマニアの末期に似ている状況というのは、実は脱北者の多くが中国で小金を稼いで帰国するのだが、その時に韓流ドラマのビデオを大量に持ち込むことによって、韓国の豊かさを知ってしまい、民衆の心がすでに金体制から離れているというのだ。結局、せっかく内部崩壊のチャンスなのに変な制裁をやって脱北還流者をなくしたりすると、情報がシャットアウトされて、返ってヤバイというのだ。ヤレヤレ、知らないことが多すぎる。



言いたい放題 5月19日版

<またぞろストラディヴァリウス!>
(これは日記に書いたものですが、埋没させたくないのでここにもUPします)
アメリカだったかな、ストラディヴァリウスの最高作といわれるヴァイオリンが史上最高値の3億9千万円で落札されたという。またぞろ名器信仰が話題になるんだろうが、私はこの手の話は吐き気がするほど嫌いである。大体ストラドの時代と今ではヴァイオリンの奏法が全く違うし、楽器に対する負荷も全く違う。昔は天井の高いそれほど広くない所で、響きを大切にしていたから大きな音は必要なくピッチも今よりかなり低かったし、指板自体も非常に短くて、今のような高音部は演奏しなかったので、弦は裸のガット線、それもかなりフニャフニャだったし、弓の張りも強くなかったから、駒に対する圧力も全然大したことはなかった。それが年がたつごとに指板が長くなり、大ホールの隅から隅まで音が届くようにピッチが高くなり、弦も金属巻きになり、現代では4弦の駒に対する圧力は約2トンといわれている。この状況では昔のストラドはすぐに壊れる。その処置として、ヴァイオリンの胴体の中には力木というストラド時代には考え付きもしない補強が施されている。つまり昔のストラド時代と今では、完全に楽器自体が違うのだ。第一本当にストラドがいい音がするのか誰も証明したことはない。過去何回か目隠しで何台かのヴァイオリンの音のテストをやって、ストラドが一番いい楽器だということには殆どなってないそうで、大概は最近作のヴァイオリンの方に凱歌が上がっている。私は10年位前に出した「猛毒クラシック入門」という本の中でもばかげた名器信仰をブッた斬っているが、全く世の中に変化はない。なぜストラドが一番といわれ、値段も高いのか?それは他のヴァイオリンの値段をつける際のメートル原器の役割を担っているのだろうと思われる。信仰でもなんでもいいから一番いいとされているものの何割か、という見当のようなものだろう。私が考える名器とは、どんな演奏にも最高に対応できる非常にすぐれたインターフェイスである。名器自体、誰が奏いても音はするが、それ自体でいい音のはずがない。殆どのヴァイオリニストの悲しい勘違い。それは私の持っているのは名器だから、いい音がしているはずという錯覚で、ただ単に楽器をなぜさすっているだけじゃ、絶対にいい音がするはずがない。最高のインターフェイスに対しては、自分の全身全霊を傾けて始めて自分の理想が表現できるわけで、これは聴く人も心してほしい。いい音楽を聴くんじゃなく、いい楽器の音を聴きにいくなんて、変なもんだ。現に、TVで競り落とされたストラドを女性が奏いていた,クライスラーの「愛の悲しみ」。一体どこの学生が何してるんじゃ、と思っていると、これがそのストラドを演奏していた音だったのだ。私は名器なんて要らない。不完全なインターフェイスでも丈夫であればいいのだ。



言いたい放題 4月29日版

<新雑誌「FACTA」創刊号にエールを贈る!>
元「選択」という雑誌をやっておられた阿部重夫氏(今やネット上のスター)が私財を投げ打って創刊された「FACTA」はすばらしい。広告がないので薄っぺらく、1000円は高そうに思えるが、仕方がないだろう。日本のメディアは今、全員が討ち死に状態。日本人は何と思っているか知らないが、報道の自由度を外国の特派員にきいた所、日本の20位近くのお粗末さ。お隣の韓国より低いと採点されている。「噂の真相」なきあと、一番おもしろいのが、「ナックルズ」というカストリ雑誌じゃ、あまりにも情けなさすぎる。そんな風潮の中に「FACTA」は敢然と打って出た。「電通インサイダー疑惑」なんてやるんだから半端じゃない。主に経済関係が多いが、音楽もふたつニュースがあった。ひとつは再販制度に対する巻き返しを図るエイベックスの話や、在阪4オーケストラを整理統合させようという動きなども載っている。また元NHKの手嶋龍一氏の連載もおもしろそうだ。みんなで応援しよう。



言いたい放題 2月17日版

<タイミングについてふたつの邪推 ホリエモンと紀子様>
いささかタイミングを失したが、ライブドアのガサ入れがヒューザー小嶋の国会証人喚問の前日であり、TVでもしばしば検察による耐震偽装隠しではないかと邪推されていた。私も最初はそう思ったりもしたwが、もっとわかりやすい邪推を考えついた。これは検察による検察のための偽装隠しではないかと。姉歯以来、国民からは警察、検察の動きの鈍さに業を煮やす頃にやっと警察は形式的に動いた。しかし検察は一向に動かない。これに対する検察の非力ぶりを揶揄する電話やメールはかなり検察をやりこめていたはずだ。しかし検察は姉歯問題にはまるで無関心だったため、その非を認めるのではなく、自己保身のため、国会喚問の日にもっとデカいヤマを掘り当てたと発表し、検察に対する批難を目つぶし食らわせたのではないだろうか。
もうひとつ、紀子様ご懐妊の発表が、まだ妊娠6週間目だったのは全く異常で、今までの皇室のご懐妊発表は、すべて妊娠3ヶ月経ってからである。なぜこんなに急いだのだろうか。小泉総理による女系天皇の法律改正が目前に迫ったためではあるが、その裏の邪推としては、関係者は既に胎児が男子であることを知っているのではないだろうか。そう考えればすべてが納得いくのではないだろう。



言いたい放題 2月15日版

<ムハンマドの風刺マンガについて>
日本人は自分たちが西欧の1国だと勘違いしている人が多いから、TV、ラジオでも正確な背景は説明なしで、まるでアラブを野蛮人のように言う人が多い。しかし本当にそんな単純な見方が正しいのだろうか。私は回教徒じゃないので、あそこまでの怒りはなかなか分らないこともあるが、ぜひ、デンマークやフランスの人々に言いたい。反EUのメディアに聖壇の象徴としてナチスのハーケンクロイツを飾り、はりつけのキリストにかわり、ヒットラーが描かれていたら、どう思う?日本人だってそうだ。創価学会が大嫌いといいながら、連立まで許している風土で、池田大作を風刺する勇気のある漫画家なんているまいに。西欧での昔からのエチケット「政治と宗教の話はするな」とあるのに、回教をおもちゃにしてはいかん。



言いたい放題 12月27日版

<耐震偽装の原因は阪神大震災の被害隠しだ>
各メディアでいろいろ言われていることは本当にわかりにくい。実は姉歯物件はそれほど危険ではなく、1982年以前のビルの方がいちばんヤバイという説がある。私は以前西麻布の交差点角のマンションを借りていたことがあったが、建てられたのが東京オリンピックの頃で、コンクリートに砂利を使っているため、塩分で鉄筋がぼろぼろになっているというのに、建て替える気配は一切なかった。おまけに高速道路が側に通っているためか、いつも埃っぽかった。今思えば、アスベストの粉塵をかぶっていたのだろう。ぞっとする話だが、日本のビル事情なんていい加減そのもので、グランドステージ××の取り壊しを言う前に浜砂利ビルは全部壊すべきだ。私のところは4階だったが、風呂を使うと2階の公共トイレが水浸しになるようなざまだった。少なくとも1982年(?)から基準が厳しくなったが、それでも阪神大震災での神戸のビル、マンション倒壊はすさまじく、大手ディベロッパーの新築マンションの数多くが倒壊したのに、その会社名は公表されていない。その倒壊マンションの隣に建っている昭和初期の木造小学校は倒れていない。関東大震災の教訓が生かされていたのだ。
 私の一族郎党はみんな神戸近辺なので、私は地震の後一月ほどして、各家を見舞いに回った。私の従兄が灘区に住んでいて、訪れると、あまり金がかかっているようにはみえない、どちらかといえばオンボロにみえる古いマンションで、壁は大きくひび割れ、エントランスの土台部分の地盤が陥没し、建物が浮き上がって見えた。部屋へ通されて話を聞くと、地震のあと3日くらいドアが開かなかったという。それでも居住可能かどうかの検査では堂々の「緑」だったという。それにひきかえ、窓からみえる向かいのマンションは、ひび割れも何もなく立派にそびえたっている。大京のライオンズマンションだ。「うちに比べて何倍もするんやで、それでも赤や。」「赤」つまり居住不可能のレッテルである。「見てくれは立派なさすがのライオンズに見えるけど、実はな、中の階段が全部つぶれてしもうたんや。」こんな話は実はゴロゴロしているらしい。そのときに思い切って、手抜きビル、マンション業者の実名を公表し、ある程度の損害補償を認めるということをしなかったため、ヒューザーの社長は「地震で倒壊してから発表すればいい」なんて言うのだ。悪いのは大京その一棟だけじゃないはず。すべてをさらけ出したら、似非土木国家日本の資本主義は崩壊するだろう。
朝日ニュースターの「パックインジャーナル」で八幡和郎氏が暴いたのが面白かった。イーホームズはじめいい加減な民間検査機構を作ったのは、森内閣と小泉内閣の官房副長官であり、これを突いたら、小泉政権は崩壊するだろうと言う。角福戦争で土木利権で勝った田中派と全く負け組建築官僚の福田派系統、今の森・小泉の中枢が、自分達の利権のために民間検査会社を作り、政権とズブズブになったという。それに対し、日刊現代の二木氏は、1995年の大地震で、一段と厳しくなった建築規制に頭にきたアメリカが、大幅規制緩和を要求し、それに屈して1998年に大幅規制緩和した結果の現在だというのだ。姉歯、ヒューザー、木村、総研がでてきたのもアメリカのせいだというのだ。ヤレヤレ!



言いたい放題 12月27日版

<地球温暖化とオゾン層破壊の原因>
最近はトンと聞かなくなったオゾン層破壊、フロンガス規制で直りつつあるのか?そんなことは絶対にない。CO2のために温暖化なんて言ってるが、京都議定書にアメリカは署名しない。アメリカは諸悪の根源をよく知っているからだ。温暖化も、オゾン層破壊も、その最大の原因は成層圏でまきちらされるジェット機用の燃料ケロシンの排気ガス、つまりジェット機のオナラなのだ。その最大犯人は世界一の空軍を持つアメリカである。アメリカの空軍の規模を半分か3分の1にすれば、まだ相当は長持ちするだろうけど、米空軍のために地球は破壊へのまっしぐら。飛行機はこわいよぉぅ。



言いたい放題 9月5日版

<私にとっての広島6区>

 今回の選挙ほど空しいものはない。小泉、岡田、どちらがトップになっても最悪だ。政策的には民主党の方が真面目なんだろうけど、岡田さんじゃもたない。どのTVでも「民にできることは民に」しか言わないミンミンゼミ小泉に言い負かされ、本気で怒っているのが情けない。スタート自体がまずい。「小泉を選ぶか、岡田を選ぶか」なんてよく言うよ。そんなタマかよ。「日本をあきらめるな。」それは岡田さん自身の心境なんだね。菅直人が変な辞め方をした時、小沢一郎になりそうになったがさっさと逃げ出し、誰もが責任を取らぬまま、真面目だけが取り柄の岡田に大任をおっかぶせ、次の選挙で勝つ気なんて更々なかった。小沢自体、「次の次だと思っていた」なんてシャーシャーと言う。成仏していない菅直人は「自分を見つめ直す」なんちゃって四国お遍路。この間の参院選で民主党は四国全敗。その責任をとっての政治行脚なのはみえみえ。こんな幼稚でじれったい民主党でも「ミンミン」しか言わぬヒューズの切れた小泉よりは安全かも知れないというていたらくでは日本は不幸だ。目立ちたがり屋の田中康夫の行動はわかるけど、紺谷典子、そして佐高信まで動き出した。横須賀で反小泉で立った天木直人氏。もっと早くわかってりゃ、横須賀へ住民票移したのに、あれじゃ犬死だ。私は5日の日に期日前投票に行ったが、杉並区は全く面白くない。国交相のとき、前道路公団総裁藤井に赤子の手をひねるように弄ばれた石原伸晃が当確なんだもんね。こうなったらワイドショウ的に話題の選挙区の結果を見るのだけが楽しみだが、私にとっては中でもホリエモンと亀井の広島6区だ。私は仕事の関係で過去数年間、広島県の第2の都会、福山市に何回も行ったことがある。福山市は7区だが、すぐ隣の尾道市が6区の中枢。でもこの辺は広島県とはいえ、広島市とはかなり違う。岡山県の倉敷市、福山、尾道は備後つながり。秀吉が尾張の手勢をこの辺に住まわせたので、備後弁はまさにミャーミャービャービャー。私は尾道にも何度も遊びに行っている。大体ラーメンなんてなかったのに。インスタントラーメンで「尾道ラーメン」が売れたとたん、ラーメン屋が増えたという変な町。ホリエモンの陰のスポンサーと言われる常石造船が作った「三和の森」や浜辺のバーベキューにもよく行った。大阪の野村総研の人に常石造船を知っているかと訊いたら、コバカにして「知らないけどちょっと調べてみましょうか」と言って、でてきたのが物凄い資料の山。彼は真っ青になって、「こんな大会社知らなかったとは・・・。」と小さくなっていたが、それほど外には知られないようにしている不思議な会社。私はそれからヴァイオリンを携えて世羅町をはじめ、いろんな山奥で音楽教室のようなこともやった。世羅町というのは、神隠し事件とか、校長の引責問題で有名になった所だが、広島県は日教組とか自治労がやたら強く、尾道の小学校では外部から来た校長が自殺している。この日教組と自治労が民主党なので、変革したくない民主党そのものである。またこの辺りでは、同和問題が強力で、いろんな摩擦があるのだけど表面に出ないのが気味悪い。土建利権の亀井にしても民主党にしてもとにかく古すぎる。そこにホリエモン。小沢一郎「ドラえもんかドザエモンか知らないが」なんて言い過ぎだよ。ワタシャホリエモンは好きじゃないけど、当選させちゃえ!一番困るのはホリエモンだ。


言いたい放題 8月23日版

<山本譲司=獄窓記について>

私は元民主党議員だった山本氏のことはほとんど知らなかった。辻元清美事件の時、民主党にもそんな奴がいた、と思い出すくらいで、菅直人の秘書かなぁ、くらいの記憶しかない。そんな感じだったから、半月位前にTVでみた山本氏のさわやかさに驚き、ぜひ本を読まねばと思って買ってから、やっと読み終えた。決して読みにくいわけではない。私の読書スピードが愕然と落っこちたからだ。で、本の印象、とても為になる面白い本だから読んで損はないということ。前半は事件の経緯と入獄するまでの説明。この人、TVでみた温厚なさわやかさとは別に、気障で突っ張りの強かった人のようだ。所内でも自分の短気さをよく反省している。さて前半は、ハイ、そうですか、という感じだが、後半のムショ暮らしの描写はすさまじいのひとこと。知恵遅れ、痴呆症の棟の世話係を命ぜられ、排泄物と嘔吐と、お下の世話の描写は鬼気迫る。元国会議員というプライドをズタズタにするためだろうか、えげつないことをやらせるねぇ、全く。終わりの方で、辻元清美事件が起こり、苦し紛れの辻元氏が過去の山本氏の事件をあげつらい、山本氏は汚いけど、自分は潔白という嘘をつきまくった見苦しい責任逃れの数々が書かれている。私は直接辻元氏に逢い、彼女の本性を垣間見ているので、非常に納得行く。私は大分前、辛淑玉さんから声をかけられ、石原慎太郎都知事の「三国人発言」に抗議する記者会見に参加しており、そこに辻元さんも来るとのことだったので、かねてよりラジオ出演の頃からの彼女のファンだったので、友達になれたらいいな、と思っていたが、名刺を渡してもまったくうわの空でシカト状態。まあそんなことはいいんだけど、実際の発言の余りの浅薄さに私は非常に驚き、心底がっかりした。「西の大阪は、横山ノック、東京は石原さん、ほんまに恥ずかしいわ、ええ加減にしてほしい。」これは単なる感想であり、意見表明ではない。私も含めて多数の人が「三国人」発言のどこがいけないかを、みんなそれなりに懸命に訴えているのに、辻元さんの発言は最初に「悪」と決めつけているだけで、セクハラのノックとは全く違う問題である。関心のある方は言いたい放題2000年4月13日をみてほしい。さて囚人達の人権は殆ど守られておらず、憲法違反しているとか、待遇改善問題とか、福祉のあり方とか、問題は非常に赤裸々になっているが、ここは山本氏にもういちど国会議員になってもらいたいものだ。小泉とかホリエモンの醜怪さをみるにつけ、強くそう思う次第である。


言いたい放題 7月21日版

<元民主党議員、刑務所生活を語る>

20日のCA-TV朝日ニュースター「ニュースの深層」のゲストの山本譲司氏の話がメチャクチャおもしろかった。山本氏はもともと菅直人の秘書で、その後民主党の代議士となったが、秘書給与パクリ事件の容疑で逮捕され、2年近く刑務所生活を送ってきた人である。TVの印象では、すごくまじめで、好感の持てる人。結局噂通り、ジコチューの菅直人に裏切られ捨てられたかわいそうな人なんだが、TVの刑務所での体験談が、すごく考えさせられる。入ってみてわかったことだが(当人も体験しないとわからないと苦笑していたが)囚人達のほとんどは刑務官によって守られている弱い人達であるということ。アメリカのデータでも福祉予算が低いほど囚人が増えるとのこと。米全土では60才以上の囚人は2%。それに対して日本の場合11%。これはまさしく刑務所が老人ホーム化しつつあるということらしい。彼は最初、囚人は刑務官に守られているんだと言ったが、その時私は、復讐などから守られているんだ、と思ったが、山本氏によると、そういう凶悪犯はそれほど多くなく、大部分が生活能力のない人達で、知恵遅れな人達なども多いらしい。道理で、刑務所から出たばかりの人がすぐに犯罪をおかし、その理由が、刑務所に戻りたかった、というのはそのものズバリだろう。山本氏が大好きになった。その分イラ菅がますます嫌いになった。民主党もしっかりしてくれよな。


言いたい放題 7月6日版

<最近耳にした情報断片>

☆アメリカはあと5、6年で破綻する。ボルカーもグリンスパンもそう言っている。その破綻を先に延ばすため、常にアメリカの国債を売りつけようとしている(フルフォード他多数)。
☆郵政民営化もアメリカからの強い要望である。そうすれば350兆の貯金で米国債を買わせることができる(紺屋典子他多数)。
☆日本は強くでて、アメリカの国債を売ると脅し、慌てさせればいい。過去、橋龍はアメリカの大学でその話をしたら、アメリカはパニックになり、日本に帰った橋龍に中国人スパイ女の話が浮上した。もちろんアメリカからのしっぺがえし(フルフォード)。
☆鈴木宗男は、国策捜査にやられた。国策捜査とは、政府の方針にしたがって恣意的捜査をすることで、宗男は、北方二島返還で対ロ融和策を計り、アメリカの逆鱗に触れ、濡れ衣を着せられたが、宗男自身、権力の強さを十分利用していたから、やられてもなすすべもなかった(宗男本人)。
☆アメリカの特許制度は、先発明主義というとんでもない方法論で、あとから私が発明したと言って証拠を出せば、先に出した特許が覆る。過去、日本の和菓子屋が江戸時代の製造法をアメリカから先発明の訴訟を起こされた。そこで日本はアメリカでは特許申請を行わず、ブラックボックスにしたほうが安全だという(東大名誉教授月尾氏)。
☆トヨタのハイブリッド技術は相当に進んでいて、現在でも燃費効率は3倍から5倍にできる。しかしそうしないのは石油産業への遠慮である(N.Y.市立大学霍見教授)。
☆靖国参拝に一番怒るべきはアメリカなのだが、ブッシュは小泉に恩を売ってプレッシャーを与えている(霍見)。
☆アメリカの一流企業のトップのギャラは一般従業員の80倍くらいだった。それがブッシュの金持ち優遇税制のため、今は一般従業員の800から1000倍になって猛烈な格差が生じ、金持ちのあり余るドルが世界中で暴れている(霍見)。
☆税金の源泉徴収はヒトラーの発明、それを戦前の日本政府は真似し、昭和15年より戦費調達のため導入(霍見)。
まだまだあるけど、今は思い出せない。情報源は主にCA-TV。


言いたい放題 5月2日版

<テッチャンの私が考える福知山線事故>

1 「鉄道員ホントの話!?」(とんちき企画・著、山海堂刊、¥1,600 )
あの凄絶な事故の後、旭屋書店で見つけたこの本は、関西某私鉄(私はたぶん南海だと思うが)の現業の運転士と駅員のコンビが始めた「鉄子の部屋」というメルマガをまとめたもので、発行は約2年前。だからのんびりとした話が多いが、鉄道関係の本では珍しく人間臭く、こんな本はありそうでいてないのだ。鉄道雑誌は99%車両や施設に関係することばかりで、鉄道で働く人の息吹は全く感じられない。私は前から運転士と車掌のダイヤ表を知りたいと思っているが、そんな特集見たことがない。特に関東は他社乗り入れが多く、事故があった場合の運転指令の変更や運転士の手配、そういうことに興味があるのに、まずそんな記事にお目にかかったことがない。こういう人間的ファクターを無視する鉄道雑誌や鉄道ファンが、事故の遠因になっているかもしれない。さてこの本、現場からの声なので、見事に人間臭い。いろんなエピソードはあるが、二つだけ紹介する(あとは買って読んでやってくれ)。まず「テッチャンマンコロ」という一見卑猥そうな言葉。これは一日に何回もハッとする瞬間のある運転業務のストレスが積もり積もって、定年満期になったとたん、コロっといくという意味だそうだ。もうひとつ、運転士、車掌はなぜ白い手袋をしているのか。車掌の白手袋は絶対的な義務であって、あれはおしゃれではなく、一番最後尾から駅員などに合図する時の手の上げ下げが目立つようにしているんだそうだ。知らなかった。運転士の方は油に触れないように、とか感電予防とからしい。私もすぐに入ったが「鉄子の部屋」というメルマガがある。昨日最新号が届き、今回の事故のことを書いているが、現業員だけに歯切れが悪いのは致し方ない。

2 絶対に過密ダイヤではない
新聞、TV、ラジオ、みんな口を揃えるのが過密ダイヤ原因説。バカバカしい、何が過密ダイヤか。調べたことあんのか。時刻表みればすぐにわかる。福知山線の9時台のダイヤは次のようになっている。伊丹発9:00・07・(14)・(19)・22・(28)・31・(41)・44・(54)・56・59。この内()付きが快速で、14分発が事故列車である。よくみてほしい。特に14分の場合、前が7分、後が5分間隔がある。こんなの東京じゃ田舎線だ。似ているとしたらJR京葉線かなあ。銀座線なんて1分半ずつに走っているよ。それでも事故は起こらない。だからこんな福知山線のダイヤは決して過密ではない。問題があるとすれば、尼崎での同一ホームへ東海道線列車と同時に入り、乗り換え苦を少なくしていることだろう。これは神業的とも言えるが、こんな離れ業は事故さえ起きなければ、技能オリンピック金メダルだ。

3 事故原因は全く違うことにある
TVなんて一日中、とっかえひっかえ鉄道関係者を引っ張り出して、同じことばっかり言っている。私は最初から何故伊丹で40(60?)メートルもオーバーランしたのか、どこか車両故障に近いものがあったんじゃないかと思っていたが、昨日くらいからやっとそのことを言い出す人が現れてきた。ほらほら、とは思うが、私は事故の原因は全く違うところにあるとも思う。それは京阪神地方のJRの複線状況である。東京では、私が大学生だった頃、昭和37年に三河島事故で160人死亡、一年後に横須賀線の鶴見事故で死者161人という大惨事が続き、国鉄は重い腰をあげ、通勤5正面作戦を始めた。5正面とは、東海道線(横須賀線を含む)、中央線、東北線、常磐線、総武線で、そのすべてを抜本的に見直して、線増を計るというもので、結果、横須賀線は別線となり、中央線は三鷹まで複々線(今は立川まで工事中)、常磐線は地下鉄直通の複々線、総武線は地下線新増の複々線となった。結果、通勤5線は完全に複々線となり、快速と鈍行が別線となっている。京浜東北は横須賀線と埼京線で複々々線となっている。これに比べ関西の場合、複々線は東海道線だけである。福知山、片町、関西、阪和とも全てただの複線、しかもすべての線が私鉄と競合している。JR西日本は発足当時、すべての線で私鉄に遅れを取っていた。特に目立ったのが福知山線、ここは長い間非電化で朝のラッシュ時にも大阪駅まで気動車が走っていて、阪急には全く勝てなかった。特に気を入れてスピードアップしたのがこのラインである。しかし他のラインでも同じくスピードアップのゆがみが生じている。ダイヤが過密なのではなく、鈍行も快速も同じ線を走るので均等なダイヤが組めないのである。そのために他線とのスムーズな連絡が難しい。線増というインフラ整備もせず、無理矢理のスピードアップ。これが事故の最大遠因だと思う。宝塚、大阪間でも阪急は広軌、JRは狭軌、それだけでも多少のハンデはあるのに、線増もせずにスピードアップした快速をたくさん走らせようというアコギなJR西日本の私鉄壊滅作戦。阪急宝塚駅は無理して急行を増やさず、というか、急行停車駅を少なくせず、結局JRにスピード負けしたが、こちらの方が安全面から見れば正解である。私はテッチャンだけどスピードの速い電車(特に新幹線)は怖くて嫌いだ。能登鉄道が懐かしいね。

言いたい放題 4月18日版

<映画Peep "TV"Show について>

 一昨日の土曜日(4/16)、気分転換のため、ほぼ2年ぶりに映画館に行った。この所、私は全く映画館に行っていない。記録では2002年に4本観た後、2003年に「マトリックス・リローデッド」を観て以来だ。やはり「マトリックス・リローデッド」があまりにひどかったので、その後遺症だろう。ところで今回の映画は、一部で結構話題になっているらしい。私は10日程前の朝6時のTBSラジオの情報で知った。土屋豊という若い監督が何やらこまっしゃくれたことを言っているのがちょい気にかかって、観てみようかと思ったわけだ。映画館は渋谷の東急文化村の真ん前のビルの3F。入ってみると椅子の配置に驚かされる。客席の後半部分はまあ普通の座席なんだけど、前半分はまるで談話室「滝沢」のようなソファベッドとテーブルがあり、ヒエーッと戸惑う。これでは満席になっても60人くらいがやっとだろう。私はもう満60歳になる前からシニアで通っていたからこの日も¥1,000。さて映画の中身だが、結論から言うととてもつまらない「自分探し」の話。だからどうってことないんだけど、ネットTVで同時中継して「Real」を探す、というのが映像的には面白い。私は「自分探し」という言葉はゾゾケが立つ程嫌いなのだけど、映画の登場人物達(全部若い渋谷系)は恥ずかしいほど「私って何?」「もうひとりの私がいる」などという古くは「三太郎の日記」や大宰治と全く変わらぬ手垢まみれの言葉を連発するが、下らないオナニーしようと、猫を虐待しようと、そんな「自分探し」なんてアフリカや北朝鮮じゃ話にならん。時代はネットになり、同時中継という実験をしようと、女々しい大宰的風景にはうんざりする。このネットTVを始めた主人公の動機はNYのWTC、グランド・ゼロの衝撃で、「リアルはどこにある?あの瓦礫の下の死体を見たい」という言葉を連発してファンを獲得していく。そしてついには女子トイレの盗撮中継までやるんだけど、何にも結びつかない。最後のシーンで女の子の「ねえ、グランド・ゼロへ行こうよ」という願いに「ここがグランド・ゼロなんだよ」なんていう予定調和で終わると、オジさんはシラけてしまうのだ。この映画はまるでロフトプラスワンのように、2〜3日に1回トークショーがある。その日は宮台真司氏だった。よう似合っとるわ。で、映画の中身はつまらないんだけど、ひいてみると、ワンカットごとが、のけぞるほど笑える。土屋監督は大げさぶったようでいて、実はドタバタコメディをやりたかったんじゃないだろうか。それなら大成功だ。私はこの映画の中で「ゴスロリ」というファッション(?)を知った。たぶんチョウチョウヒラヒラの子供っぽい感じのことなんだろうけど、丁度客席の隣の女の子がペチコートをしているような超ゴスロリ。映画の中のゴスロリ論にはまんじりともしなかったのに、リアル中継で、猫のいじめが始まると、ずーっと泣き続けるのだ。これは映画以上におもしろかったぞ。アンケート用紙にちゃんと62歳と書いて、うんと平均年齢を引き上げてきた。  「自分探し」のテーマなら、5年前にみた「マルコヴィッチの穴」に勝るものはないね。



言いたい放題 2月22日版

<70年代の懐かしい復刻ロック>

アマゾンを見ていたら、結構昔のロックが復刻されている。とても懐かしくなって、70年代のロック3枚を頼み、到着して、懐かしい思いで聴いている。第一はシールズ&クロフツ(Seals & Crofts)「サマーブリーズ」。シールズ&クロフツと言っても、知ってる人は殆どいないだろう。このCDは初出1972年。私はその頃映画音楽やTVドラマ、特にCMの作曲で生活していた。CMの世界は激しく、その時の流行サウンドをいち早く自分のものにしなければならないし、それでいてなお、みんなの知らないものを如何にとり入れるかという生存競争の激しい世界。私はもちろん、バカラックはじめ、当時のブラスロック、BSTやシカゴ、チェイス等を聴きまくり、要求があればブラスロックサウンドを得意としていた。そんな頃、NHKFMでシールズ&クロフツを聴き、とても新鮮なショックをうけ、たちまちの内にのめりこんだ。シールズの巧みなフォークギターとクロフツのフラットマンドリンをバックにふたりが織りなすデュエットはとても音楽性が高く、私は激しく彼らから影響を受けた。何と言ってもクロフツのフラットマンドリンにのめりこんだ私は楽器を購入し、一時マンドリン狂いしていたことがある。また二人のサウンドはサイモンとガーファンクルに似ている所もあるが、作曲の繊細さが違いすぎる。私は彼らのコードワークにも非常に驚いた。基本的にはマイナーセヴンスの循環なのだ。アメリカではこれがミリオンセラーだったのに、日本では彼らが南部出身のせいか宣伝に力が入らず殆ど売れなかった。日本ではサザーンロックはジョンデンヴァー以外駄目なのだ。私はCM音楽の作曲家組合の副理事長をやっていたことがある。その時の理事長はあの大野雄二氏だった。その総会があり、何人かの作曲家達と飲みに行って音楽談義になり、私はシールズ&クロフツがいいと主張したが、誰ひとり知らない。そのうち若い小生意気な作曲家から、みんなの知らないことをひけらかしてどうしようもないバカだとからまれたりして、私は落ち込んでしまった。そしてみんなが帰る時、大野雄二氏から、玉木さん、最後に一軒行こうと誘われた。彼とは何の親交もないから大変驚いたが、彼の表情が結構マジなので付き合った。すると彼からコンコンと説教された。「シールズ&クロフツはとてもいいよ。自分もよく聴いている。でも玉木さん、あんなバカな連中に言ったってどうしようもないんだよ。あの良さが分っているのは玉木さんと俺だけだ。だからもう他人には言わないでほしい。これは二人だけの秘密にしておこうよ。」それ以来私は自分の感激したLPのことは人に言わなくなった。それがSAGAだったりCALDERAだったりするのだけど。続きはまた。



言いたい放題 1月18日版

<主に内戦地帯をおそった大津波>

神戸で国連防災会議が開かれる。当初は余り関心がなかった諸国も、スマトラ沖の大津波のためにびっくりして、すごい参加国、人数になりそうだ。今こそ日本は世界平和貢献に寄与するチャンスなんだけど、分っているのかな。もはや援助合戦に火がつき、日本が5億ドルというと、ドイツは6億ドルという。日本が事前にタイとちゃんと話をつけないから、タイから援助を断られた。当り前だ。タイはタイであの辺でいちばん進んでいる金持ち国のプライドがあるからね。またもや、アメリカとEUで違う方針を言い出したりして、何だか復興にかこつけて、金儲けでも企んでいるのかと疑いたくなる。なかでも一番頭に来るのが、ブッシュのアチェの被害状況はまるで「ヒロシマ」のようだという発言。日本人怒れよ!自分で原爆落として惨状作りながら、人災と天災を一緒にするなよ。今回の被災国であまり言われないこと、それは被害の大きな所は内戦状態の国や地域だということ。タイは中進国、しかも外貨を稼ぐプーケットがやられたってどうみても何千人。それに比べて今日だってスリランカでは一挙に七千人も死者が増えている。今回の地震でいちばんの被害はインドネシアのアチェ州、スリランカ、訳の分らないのが、かなりの島が消滅したと言われているアンダマン、ニコバル諸島。そしてはるか遠くのアフリカのソマリア。ここも訳がわからない。今ここに書き出した4つの地域、これはすべて内戦地帯である。アンダマンはまるでよくわからないが、地理上ではミャンマーかタイ領であるべきなのに、なぜか遥か遠いインド領で、それに対して、ミャンマーやタイが文句を言うならわかるが、何と中国がイチャモンつけてもめているとの話。そのため、アンダマン、ニコバルは、中国を警戒するため鎖国状態。だから被害がちっともわからない。スマトラのアチェは30年来の独立ゲリラ戦争。これがよくわからない。フィリピン南部の回教徒が独立ゲリラというのはわかるが、インドネシアは国そのものが回教国。どうも石油をめぐる利権がアチェ紛争の原因と言われているが全くわからない。スリランカの場合はインド亜大陸の宗教戦争の名残で、先住民で仏教徒だったシンハリ人が、アーリア系タミール人のヒンズー教に追われて、セイロンに移った。そこへもあとからタミール人が移って行き、シンハリ人の反発をかって差別されたために怒ったタミール人の反乱「ベンガルの虎」というタミール解放戦線のいうこともわかることはわかる。アフリカのソマリアに至っては、現在政府がないので、死者がどの位かわからないし、外国人は入れない国だ。ソマリア政府というのは現在ケニアの中にある。日本国政府が韓国にあるようなものだ。このソマリア紛争にちょっかいを出した米軍はこっぴどくやられて撤退したため、完全に無政府状態になっている。このような紛争地帯に、こんなこと書くと叱られるがまるで天罰が下ったように自然災害が起こった。人類よ、内乱や紛争なんて、平和な自然環境でないと起こせないんだよ。自然災害(神の鉄槌)のまっただ中で内戦やってられるか。ここにこそ日本は大声でいろんなことを呼びかけたり、提案できるのに、自衛隊をひっぱり出そうとしている。イラクで米兵が5人死んでイラク人が50人死んだと報道するが、津波とどうバランスをとるんだ。米軍はイラクでメチャクチャやっている時、アメリカのド田舎で、マンホールにはまった猫の救出のためにレスキュー隊が出る。またそれを美談のように放送する日本のバカタレTVめ!いい加減にしろ。



言いたい放題 12月29日版

<女という言葉を差別用語にするな>

いつの頃からかテレビ、ラジオでは「女」のことを「女性」と言い換えるようになった。だったら「男」も「男性」としなけれならないのにアナウンサー・キャスターは平気で「男と女性」という。言葉のセンスが全く欠如している証拠として、普通人の「女」は「女性」というのに、犯人とか容疑者は「女」という。いつの間に「女」=「悪」となったのか。「オンナ」という響きは確かに鼻にかかった甘ったれ風で、弱い=スネ者という思い込みはあろうが、それを「悪」とするのは女性の「女」性を否定するものだ。私の嫌いな言葉のもうひとつ「落とし所」。みんなさも訳知り顔で使いたがるが、あれはもともと容疑者の自白の見当に使う言葉だったはずで、非常に気味が悪い。普通に「妥協点」もしくはもっと別の言葉に置き換えてほしい。同様に「生きザマ」という言葉も汚い。ザマーみろとか、「死にザマ」とか、「ザマ」は決していい意味ではない。「落とし所」と平気で言う奴は恥ずかしい「生きザマ」をさらしている。



言いたい放題 12月6日版

<小説・震災列島はおもしろかった>

最近眼が悪くなって情報誌以外は滅多に読まなくなったが、書評につられて買った石黒耀「震災列島」(\1,800、講談社)は久しぶりの小説だが面白かった。500頁近い分厚い小説だが、3日間かけて読み終えた。小説は局地型の地震で始まり、東海・南海地震へと拡大していく恐怖が伝わってくるが、といってシミュレーション小説ではない。その手なら昔、小松左京の「日本沈没」があり、映画にもなったが、小松左京の場合、生き残るのが名古屋で首都移転するという話だが、「震災列島」では逆に名古屋が東南海地震におそわれる当事者。しかしこの小説はシミュレーションがテーマじゃない所が構造的におもしろい。場所は名古屋市のゼロメートル地帯。地震があったら真っ先に津波にあうため、地価も恐ろしく下がっている所へヤクザが集団で移住してくる。地上げなんかできないのになぜか、ここに恐ろしいからくりがあって、それに対抗する主人公のオヤジが町内会会長で、単身ヤクザと対決したりしていると、主人公の娘が強姦にあい自殺してしまい、母、つまり主人公の妻は発狂してしまう。警察はヤクザについており、全く助けにならない。そこで親子ふたり、命を賭けて奇想天外な復讐を企む。地震そのものを頼りに、津波を武器にするのだ。東南海地震のすさまじい描写はやはりシミュレーションのひとつか。やや意外な結末を迎えるが、この小説の中で変わっているのは、無神論のオヤジが吐く宗教論、曰く、今の宗教の根本を作ったのはゾロアスター教で、地獄も彼らの発明、そして日本でのお盆、つまりウラボンエも実はペルシャのウラバンという所が発祥だという。会話も傑作。オールドナゴヤンのネイチャー名古屋弁はすさまじい。私も少しは名古屋弁は知っていて、広島県の福山近辺のミャーミャーに驚いたが、あの辺は昔、秀吉が家来を住まわせたという由、納得はしたが「けどがあ」を連発する人には違和感を覚えていた。しかしこの小説のネイチャーではしっかりと「けどがあ」と言っている。ここまで名古屋弁と備後弁は共通していると改めて驚いた次第である。その他、読んで損はしない小説だ。



言いたい放題 12月4日版

 <国連の敵国条項による音楽被害を知っているか>

 戦後の日本は一貫して国連主導による平和外交を理想として教育され、日本外交の基本となっている。最近の小泉さんはやや逸脱気味だが、民主党の小沢一郎は声高に「国連外交」という。そして最近国連の安保理常任国増加が議論され、やっと日本も常任国になれるかも、と変な期待感が高まっている。しかしその前にまず、国連の「敵国条項」を撤廃させなければ、日本の国益は大きく損なわれ続ける。一般の国民はほとんど知らないだろうけどこの「敵国条項」のせいで日本は第二次大戦の敵国だった連合国側の音楽作品に対し「戦時加算」として死後50年でPD(著作権フリー)になるべき曲が、あと10年4ヶ月ほど著作権がひきのばされ、日本で国内使用すると、たいがいの国でPDとなっている曲に著作権使用料を払わねばならない。この損害は誰も言わないし、公表されないから分らないが、1曲について10年間の著作権使用料を根拠に何曲位使うかをかけると、およその数は出るかもしれないが、ひょっとしたら一兆円を越えるかも知れない。こういう実損害を誰も問題にしないのはおかしい。JASRACもジャズ喫茶やMidiをいじめるヒマがあったら、この点を改正する努力をしてほしい。
 第二次大戦の時、日本は独・伊と組んで枢軸国と呼ばれ、米英の連合国軍と闘った。この連合国はthe United Nationsという。日本が負けて平和を標榜するようになると、このthe United Nationsを恣意的に「国際連合」と訳し直した。国連というのは実は連合国なのであり、だから「敵国条項」があるのだ。国連中心の平和外交などというユルフンの平和論を言う前に、ちゃんと「敵国」であるとして貼られたレッテルをはがす努力をせい!



言いたい放題 11月2日版

<NHKの腐敗なんて何を今さら>

NHKの腐敗追求で、作曲の架空請求の話が発覚した。作曲のことになると私も黙っちゃいられない。大体この手の話は昔からあるんだよ。その当事者が何を隠そう、この私。今回は内部犯行で被害者はNHK。本人以外に迷惑が及んだわけではないので、私から見ればアホみたい。今から30年くらい前のことだから時効になっているので、私の非常に情けない体験を書いてみよう。私は30前後の時、学校放送(東京では3チャンネル)の番組に作曲担当で数多く仕事をさせてもらった。ある年、小学校2年生向きの番組PDに呼ばれ、音楽を頼む、と言われた。それはとても嬉しいことなので、二つ返事でOKした。ところが、実はいわくつきだったのだ。その番組は再放送を含め、ON AIRは週4回。収録は2週に1回。番組担当のPDは二人。そのうちのひとりに呼ばれて、いわくつきを聞かされた。そのわけは、もうひとりのPDが、番組テーマの作曲を都倉俊一氏に頼んでいるんだけど、一向にあがってこない。間に合わないかもしれないので、ダミーのテーマ曲を書いてくれとのこと。それなら正式に作曲家変更で依頼すればいいのに、なんだかなあなあ処理のようだ。腑に落ちなかったが、有名度では明らかに都倉氏に負けていたので、強い文句も言わず、ダミーテーマを書いた。結果 を先に言うと、そのダミーテーマは1年使われ、私には一切テーマ作曲料も使用料も払われず、番組タイトルにはずっと主題曲:都倉俊一と書かれていた。NHKの番組データには今でもその番組のテーマは彼の名前になっている。ここに書かれて困るなら都倉氏よ、私に何か言ってくれ。ひょっとしたら彼も名前を使われただけの被害者かもしれない。詳しいことは調べていないが、そのPDの悪行乱行は有名で、どうやら、そのテーマ作曲料と使用料はPDが着服したとしか思えない。私を呼んだ相棒からは、そのPDの激しい悪行ぶりを沢山叩き込まれた。そしてその相棒氏、「玉 木ちゃんには悪いけど泣いてもらうことになるかもしれない」と言いつつ、こうなったらオレも負けてられないと変な宣言かました。そしてそれから始まる毎日のような宴会騒ぎ。他の番組もあったから毎日のように学校放送には顔を出すが、もう6時をすぎると毎日のように飲むのを誘われるのだ。その度に相棒の素行の悪さのグチ大会。その内にその相棒氏も我々に合流する様になったからたまらない。私は毎回のように払うといったが、「交際費!」と言って払わせない。その他も含め、これじゃ番組予算は持ちません。最初6人いた出演者も、一学期終わりには赤字が250%になったため、2学期からは4人、3学期には2人になってしまった。相棒氏、出演者をひきつれ、ロケハンのカラ出張、ちがうか、実はカメラマンなしで地方ロケを敢行。もちろん番組が作れるはずもなく、ただ散々金を使っただけだった。で、私もしこたま悪い酒を飲んだため、テーマのことも忘れていた。そして内部ではこの番組が大問題になったが、NHKの慣習として、何もないことにするのはお手のもの。一年近く経ち、途中で相棒氏は他の番組へ。私はどうなるのかと思っていると、これまた親しいつきあいがあった関西弁の「チャウチャウ」PDに呼び出され、「玉 ちゃん、来年は一年生の番組をやってくれ。その代わりなあ、新しいテーマ作曲せい。しかしな、番組予算がないからヴァイオリン一本で自作自演せえ。そいでな、作曲料なしや。」「そんなあ・・・」「なんか文句あんのか、お前さんざんあいつらとつるんで番組予算で酒飲んどったんは、局内誰でも知っとるぞ。お前も懺悔せい。」といわれ、二年続けてテーマ作曲料も使用料もなし・・・。
これ、本当の話だよ。もう一度書くけど、NHKの番組データにはX年度テーマ作曲「都倉俊一」と書いてある。関係者各位 は既にNHKを退職されているので、もはや実害はないはず。でもたいへん失礼しました。ただ酒ほど怖いものはない。チャンチャン。


言いたい放題 10月18日版

<CCCD問題は一体なんだったのか>

CCCD(コピーコントロールCD、パソコンでコピーできないCD)を最初に始めたエイベックスが今度は早々と降りてしまった。音質は劣化するし、カーステレオではかからない。大問題の不完全品に対し、半ば消費者運動的不買運動にも動じず、やめるなんてありえないと強気だったレコード協会。なのに社長が変わったとたんにエイベックスが降りてしまった。私はJASRACの評議員会でも大声で反対を叫び、音楽文化を守るべきJASRACがCCCDに賛成するのはおかしいと何度言っても全く相手にされなかった。常時50人位 は出席している評議員の殆どがCDに関してはもう現役ではないので、全くCCCDという言葉も知らず無知も甚だしい中にあっては、私は完全に浮いた存在だった。しかしアメリカでI-Tuneがはやり出したので日本も困るだろうと思っていたら、レンタルCD屋の「ツタヤ」系に社長が変わったとたんてのひら返しだもんね。でももう遅いよ。auではついに「着うた」を全曲提供すると発表したし、いよいよパッケージ専門のレコード会社はヤバイ!

<悪剌きわまりない西武鉄道>

CSTVの朝日ニュースター<愛川欽也のパックインジャーナル>で恐ろしい裏事情が暴露された。もともと私は西武の株が高すぎるのには何かがあると思ってはいた。他の鉄道株が100円代のころから、1000円近くの値がついていたし、2〜300円に対しては1800円。他の鉄道に対して、特別 に儲かっているのではないのに、これはきっと出回っている株が少ない、いわゆる品薄株だろうとは思っていたが、パックインジャーナルの中で、日刊現代の二木氏が恐ろしいことを暴露していた。およそ次の通 り。1971年頃乗っ取り屋で有名な横井英樹氏(あのホテルニュージャパンのオーナーだった)が西武の買いに入り、気付いた時にはかなりの量 が移っていた。あわてた堤氏が、あせって買い戻そうとして間に入ってもらったのが、あの児玉 誉士夫と小佐野賢治。そこで横井氏から大量に買い戻しはできたが、これは絶対に表には出せない株券。で、それをそのまま金庫に入れておいた結果 だというのだ。TVの中では、長野オリンピックに関与した「コクド」の書類が出てきて、田中康夫が問題にするらしい。うちの事務所の近所で、時々純正律の集まりに利用させてもらっているティールーム「フレンズ」のマスターが元コクドの管理職。とてもここには書けないウラ話もたくさん聞いた。
東京の私鉄では一番インフラが遅れているのが西武鉄道。「開かずの踏み切り」だらけなのに放置。地下鉄への乗り入れも一番最後までひきのばした。組合もないしね。これからびっくりするような大事件に発展する可能性も。



言いたい放題 9月28日版

<前国家公安委員長、小野清子氏について>

自宅のお手伝いさんを公設秘書として登録して約10年、1億円近い(?)給料を税金から払わせた小野氏の罪はあまりにも杜撰でひどすぎる。これは完全な詐欺だけど、朝日独自のネタで他社が追えないのと、国会が開いていないので逃げ切る可能性もあるらしい。辻元清美は給料が足りないので、みんなでシェアリングしたのが罪になり、刑務所行き。国家公安委員長はお咎めなしか?現職の時に検察が動いていれば面 白かったのに。
私と小野氏は実は少なからぬ因縁がある。私が師匠の山本直純の見習いになったのが大学3年の時。丁度東京オリンピックの時で、直純さんは、小野さんの床運動の音楽担当だったので、何回か会ったことがあるが、実に色気たっぷりのスタイルのいい美人だった。その何年か後、NHKの有名プロデューサー後藤田さんの内職の仕事に呼ばれ、ダスキンで打ち合わせの場に現れたのがその小野さんだった。ダスキンが訪販のアイテムとして、家庭用新体操を企画し、その振り付けが彼女で、私が音楽担当ということだった。で、打ち合わせを始めたのだが、まるでかみあわない。体操なんだから、テンポとか何呼間というのは最重要なのに、その部分になると彼女はとても不機嫌になる。こちらは決めてもらわないと仕事にならないので詰問すると鬼のように不愉快な表情でソッポを向く。まるで打ち合わせにならないので、オリンピックの話や直純さんの話等、関係ない話題になるとサッと御機嫌になって、すごく冗舌になる。また仕事の話に戻すと鬼になる。ついには仕方なく、私自身が何タイプか、早いのと遅いのと、何呼間か書いてくるといったら、「そう、そうなのよ、お任せ」ということで打ち合わせ終り。私はそれでも懸命に作曲したが、その仕事はボツになった。原因は分らないが、作曲家が変わったのでもないから、彼女が仕事を放棄したんではないだろうか。そんなことがあって30年くらい経ち、私がJASRACの評議員になった時、理事長は天下りの加戸氏だったが、彼はさっさと愛媛の県知事になり、後任の理事長候補に、なんとあの小野清子氏が現れた。自民党の東京地方区で、彼女は落選中の浪人だったのだ。明らかに次期選挙への腰かけであることは明白。我々JASRAC反体制派J-Scatは、小野氏の素姓を知りたいということで、懸命に小野氏と音楽との関わりを調べたが、全く誰もわからず、結局音楽のことで付き合いがあったのは、JASRAC会員の中でも私だけらしく、仕方なしに私は小野氏は全く音楽打ち合わせのできない人だということを説明し、J-Scatはみんな理解して、理事長推薦には絶対反対を叫んだが、多数決で敗れ、彼女は堂々と「音楽」著作権協会の理事長になってしまった。そのあとのことは省くが、みんなが腰かけ大反対といっているのに案の定国政選挙に出る為に理事長の席を放棄。在職一年ちょっとで退職金900万円とはふざけすぎ。オレたちの著作権使用料の手数料(1割3分くらい)をかっさらいやがって・・・。まるで漢字の読めないオバハンは「秘書」という字を「おてつだい」と読んだに違いない。即刻逮捕、牢獄行きだあ!



言いたい放題 8/30版

<私がJASRAC評議員選に立候補しない理由>

今JASRACは評議員選挙の真っ最中。しかし今回立候補しなかった私にとって、選挙は急激に興味が薄らいでしまった。多分棄権するかもしれない。今回立候補しなかった理由を簡単に書いておこう。

1.多選は無用。
私は2期連続で当選し丸6年になる。今回当選すると3期ということになる。もういい。私は6年間ドンキホーテ的にJASRACを糾す質疑を続けてきた。当初は余りにも奇異に映ったらしく、JASRAC機構側からも、演歌連合組からもにらまれ、煙たがられ、少し怖いめの作家理事にすごまれたこともある。あいつのバックは一体誰なんだとかね。しかしもちろん私は一匹狼のドンキホーテであることがわかったとたん、私の鋭い指摘はすべて評議員会の名物質問になってしまった。特に加藤理事からは今度は玉 木さんがどんな質問をするのか楽しみにしているなどといわれ、演歌派kらも玉木さんは本当に色んなことを知っていて勉強になるとホメ殺しまでされだした。淀んだ評議員会の香辛料にされたんじゃかなわん。もう引き時だ。

2.J-Scatもなんだかなあ。
私も一応反演歌派のJ-Scatに所属していた。このグループは小林亜星氏を大将とするもともと「古賀財団に対するJASRACの不正融資を糾す会」だった。もちろん事件そのものは救いようのないほど腐れきっているのだが、私は当初、亜星さんの「百姓一揆」的糾弾が好きになれず、会に入るつもりはなかったが亜星さんに説得され、51%の賛同の元に入会したが、常に違和感がつきまとっていた。事件の糾明はもちろん大事だが私はそんなことより、NET時代に背を向けているJASRACに何よりの危機感を抱いていたが、J-Scatの総意にはならず、いつまでたっても多数派になる図が描かれない、これじゃ、60年代の社会党と同じだし、わたしゃ楢崎弥之助になるつもりは全然ないのである。ということで、立候補は辞退した。しかし6年間の私の 主張の中からある程度は改善につながったろうと自負していることも2.3ある。 その一つは、作曲家の自主公演に於ける使用料免除である。そして、インディーズレコード制作にも反映されることになったようだ。
まあ、いろいろあったがそれなりに勉強になったのも事実だった。さよなら、J-Scat。

<国際ルールを守らない野球は負けて当然>

私は基本的にはオリンピックが嫌いである。東京オリンピックは大学3年だったが、 TVで見たのは水泳の最後800メートルメドレーだったかな。1着2着はアメリカ、オー ストラリアで、日本は水泳では初めてで最後のメダルが取れるかどうかでNHKアナウ ンサーのばかげた絶叫「1着2着はどうでもいい、頑張れ日本!」をよく覚えている。 なんとかドイツを破って3着に入って大騒ぎ。バカバカしい。だいたいオリンピック なんてメチャクチャのウソで塗りこめた壮大なインチキイベント。この期間だけは日 教組のゴリゴリ変態エセ左翼だってきっと、君が代と日の丸にジーンともらい泣きし て俄かナショナリストに成り果てているはず。終ったとたん、またぞろ旧左翼に舞い 戻る。国際間だって本当に平和の祭典にするつもりならパレスチナにもチェチェンに もアルカイダにも参加を呼び掛けろっての。そんなこともできないからロシアでテロ が起こる。

まあ私の場合、それでも仕事がいやで逃避するためにTVを見るクセがついているか ら、イヤが上でもオリンピック情報は入ってくる。その中でも最高のザマー見ろ!が 野球の惨敗。何が「長嶋ジャパン」だ、 一体ナニサマの積りか。私は長嶋が嫌いで嫌いで阪神も嫌いで近鉄ファンとして50年。 ああもうこの話はやめよう。日本はハッキリ言って負けるべくして負けている。私は 試合前から日本は優勝なんてできないと断言していた。だって、国際ルールと違うロー カルな日本式でしかやってこなかったんだからね。

国際ルールを無視するゴーマンさのもと、日本こそ野球の先進国とうぬぼれやがって 長嶋さん曰く「野球の伝道師たれ」だって?  国際ルール違反その一。ホームラン量 産の掛け声のもと、日本国内だけで軽くて飛ぶ ボールを使っている。球の重さの違いは一月くらいでは対処できない。だからオース トラリアのピッチャーが打てない。トーナメントだからたまたまなんだというような バカげたことは言わないように。二度も同じ国に負けているんだからね。 次に大分前のキューバとの練習試合のとき、ピッチャーのモーションに対してボーク だボークだと猛烈に噛み付いて何度も拒否されたこと。あの時の解説者、後ほどの球界の人々は審判がなってない、野球を知らないと文句ばかり言っていたが、これも甚 だしい思い上がり。ヘタならヘタでもみんなはそれに従うのであり、日本基準の判定 は国際的には通用しないことをあの時に気がつくべきだったのに、そんなことも分か らぬ中途半端に思い上がった選手が「伝道師」になんかなれないし、そんな資格なん てない。みっともないよ長嶋さん。

選手が選手ならファンもファン。こんないい加減な日本野球が優勝するのは当然とば かり決勝戦のスケジュールに合わせて旅行スケジュールを組んで慌てた人が多数とか。 中には表彰式だけ目標にしたのもいるとか。バカだねー。イチロー、松井はじめ、み んな球の違いに苦しんだ末の今日なのだ。イチローはまさに天才中の天才。そんなイ チローを直に日本の球場で見た人は何人いるのかね。私は近鉄対オリックス戦で何回 か見ているがそうじゃない時でもわざわざイチローを見るために後楽園の日ハム、オ リックスにも行っている。本当にイチローはカッコ良かったよ。そのイチローが日本 の野球ファンをものすごく嫌っている。当たり前だ。暴力的な鐘太鼓じゃ集中力欠如 しちゃうもんね。

最後にあの長嶋さんの言葉「勝っておごらず、負けてくさらず.....」という言葉。本当 に長嶋さん自身の言葉なのかねえ。丸で天皇陛下の御詔勅のようだ。長嶋さんの本当の容体が心配だね。 、



言いたい放題 7月21日

〈ノルウェー軍撤退〉

イラクに150人ほど出兵していたノルウェー軍が、何の告知もせず、極秘裏にイラクから撤退していた。フィリピンみたいに騒ぐと必ず問題が起こる。アメリカだってアリャリャという感じで、あまり問題にしてるようでもない。このように一去りニ去り、その内日本だけ残っちゃった、ということにはならないだろうね。ノルウェーというのは捕鯨国で、日本とは連帯関係。でもノルウェーってNATOにも入っていなかったと思うんだけど、こっそり派兵して、こっそり撤退。軍隊じゃないことを強調して、大ゲサにサマワ入りした日本とはえらいちがい。水だって、フランス産のミネラルウォーターの方がメチャクチャ安い。でも、アエラの田岡氏によると、自衛隊の評判は地元ではすこぶる良いらしい。当り前だね。ボウ大な借地料払って、人も雇ってるものね。日本も暑いけど、サマワってハンパじゃない暑さだそうで、少し前の情報だと、自衛隊はオープンマインドであることを強調する為に食事をテントの外で取っていたが、ものすごい砂嵐の為に隊員の多くが腹をこわしたという。その他、気の毒なことがいっぱいあるんじゃないのかなあ。



言いたい放題 7月19日版

近鉄問題・続き〉

先日、このコラムを書き終えてすぐ、近鉄・岩隈、西武・松坂の壮絶な投げ合いをCA-TVで見た。こんな息のつまる最高の投手戦、地上波のどこでも放送してない。私はもともと、日本には巨人ファンはいるけど野球ファンはいないと言い続けてきたけど、実際にこの試合、地上波で放送したとして、何%のレーティングが取れるだろう。巨人のことなら二軍のドンケツの選手のことまで知っていても、開幕12連勝の岩隈のことなど知らない人の方が圧倒的に多い。TBS系の日曜朝の「カーツ」だって、全く、岩隈は登場せず、だから「アッパレ」にもならない。大バカだな、TBSも、なんて思っていると突然降ってわいたように「ライブドア」問題。なんだかなあ、IT業界では乗っとり屋で有名な、超アブナイ人。でも、ナベツネの「オレの知らない奴」との大放言まで飛び出して、古臭い球界の体質もアラワに。ナベツネは知らないはずがない。そうではなく、読売とかNTVなんていう古いメディアはインターネットが大嫌いなのだ。ネットTVが参入すると、既得権益が全く意味をなさなくなるからだ。朝日が巨人を2球団に分けろなんて言ってるけど、私は常々、日本のチームは全部「巨人」にして、札幌ジャイアンツ、仙台ジャイアンツ、以下フランチャイズすべてをジャイアンツとし、「ジャイアンツ」という言葉を「野球」にしてしまえばいい、と言い続けて来た。私は今更、「近鉄」に未練はない。だいたい、電鉄会社が球団を持つのは、自社の沿線にある球場へ客を運ぶのがメリットで、藤井寺球場はその為にある。しかし、その藤井寺を改修もせず、自社沿線を外れて森ノ宮日生球場を使うようになった時から私は変だなと思っていたが、大阪ドームに移転してからは私は近鉄はやる気がないなと直感した。そして事実大阪ドームへ行って、心底ガッカリした。カワチのド根性なんて関係なくお上品な球場で、野趣といったものが全く感じられない。そして何よりも近鉄の子会社が売る場内のビールのバカ高いこと。私は二度と大阪ドームへ行く気はないね。続きはまた。



言いたい放題   6月28日版

〈50年来の熱狂的近鉄ファンである私にとっての近鉄問題〉

近鉄への惜別を含めて思い出の数々を。

1) 50年前のことか。  私が初めて近鉄の試合を見たのは小学校四年生の課外授業、神戸市民球場だった。二年生くらいの時は甲子園の側に住んでいて、両親ともトラキチだったから、阪神の試合はよく見ていた。しかし私は何せ強力な天邪鬼。親の好きなことには常に?だった。私は子供の頃から電車には憧れがあって、ガラは小さいが恐ろしいほど飛ぶ阪神電車に比べ、母の実家布施(今の東大阪、シオジイの地)へ行く近鉄八重の里行はそのころまだ手動ドアで汚い木製。会社の規模では圧倒的に近鉄が上なのだが、電車はボロボロで、何となく近鉄に肩入れする気持ちが強かった。大ゲサに言えば「ヤセガエル、負けるな一茶、ここにあり」の心境。話は一転するが、あの俳句は、実は世間的に言われている内容ではなく、長野県の教科書には載っていないということだ。じゃあ、なんのことなのか、というと、あの句は、蛙の交尾の姿だというのだ。私は一茶記念館のヴィデオに音楽をつける仕事をやったことがあって、打ち合わせでは、あの句の説明として土俵の上で、ヤセガエルが体を震わせてフンバっているアニメがあったが、記念館からあの句はヤバイから外してくれと言われたというのだ。たしかに完成品ではその相撲の絵はなくなっていた。ホントかねえと思うような話だが、公の記念館からのクレームなのでね、まちがいないでしょう。
 ま、そんなわけで、阪神以外の球団を見たのが近鉄だったのと、電車への判官ビイキで急激に近鉄ファンになった。といっても、藤井寺へ見に行くわけにも行かず、もっぱら、たまに放送されるラジオ中継と、新聞情報だけだったが当時(昭和30年ころ)のパリーグは始まったばかり(パリーグはこの5年くらい前に出来た)の訳の分らん混乱状態。なにせオーナーの名前のまんまの高橋ユニオンズなどという球団もあり、近鉄は、新興球団で、たしか法政出身の大学野球がそのままプロ球団になり、エースはあの迷解説者関根、監督は芥田だったと思う。そんな球団に、ニックネームが近鉄の志摩の名産品、真珠になぞらえて、全く闘う集団とは思えない「パールズ」という名前だった。その当時のパリーグは8球団。たしかセリーグも8球団くらいで、今とは違う合併話が多く、今の横浜のうーんと前は、大洋松竹ロビンス、つまり、大洋と松竹が合併した洋松ロビンスなどと言っていた。パリーグも球団減らしが大変で、ある年、といっても高橋ユニオンズを買収したトンボ(鉛筆メーカー)ユニオンズが生まれた年、勝率が0.324以下となったチームは消滅と決めたその年、出来たばかりのトンボユニオンズが勝率を達成できず、トンボ鉛筆はものすごい罰金を払わされたような記憶がある。その後、強制的に6球団にする為、最下位 チームは強制合併、という2年にわたって近鉄は辛うじてブービーで生き残った。トンボの次はあの永田ラッパの大映だった、強制合併の相手は毎日(あの大新聞の毎日が球団を持っていたんだよ)で、新球団は大毎オリオンズとなる。大毎はその後東京オリオンズとなり、今はロッテ・オリオンズとなっている。球団名でいうと、西鉄は太平洋クラブから西武となり、南海はダイエーに。東急は東映、日拓、日本ハムと変わり、阪急はオリックスになっている中で、パリーグ開始以来名前の変わらなかった近鉄が今、なくなろうとしている。
 で、そのころの近鉄、辛うじて6球団の中には生き残れたが、毎年最下位で、パリーグの、いや球界のお荷物といわれ続け、生粋の芥田監督が、「今年もダメならワシはクビだ」の一言で選手が発奮。なんと6月位 まで首位に立ち、「春の椿事」と言われた。その頃の関根はすごかったね。前の試合完投して、あくる日は野手だもんね。ある年の開幕から敗戦が続いて、投手引退。野手転向をうたい、4番に座ったとたん、4割打っていた。解説のあのオッさん、やさしい口調でムチャクチャきついことを言うけど、多分、近鉄時代の屈折した体験がもとなんだろうなあ。その後、近鉄たてなおしの為、巨人出身の千葉が監督になり、アダ名の通 り、近鉄バッファローになったが、駄目なものは駄目だった。巨人からのおさがりの選手が多く、近鉄は巨人のうばすて山だと言われていた。そんな中で、ラジオ中継をききつつ、今でも物すごい印象の強いのが、たしか「ボトラ」というキャッチャー、来日して1年目は、0.26位 の打率で、2年目の契約には少し数字が淋しすぎる。そこでボトラの猛烈な地肩の強さに目をつけた球団が、ピッチャーとしてなら契約してみようという。ボトラもなんとか日本に残りたいため、翌年ピッチャーとなったが、これが傑作。地肩が猛烈に強いから、キャッチャーの時、立ったままピッチャーに珠を返す。その動作のまま、ピッチャーになった為、全くフォロースルーがなく、弁慶の立ち投げしかできない。しかし、この投げ方が余りにも変則すぎて、打者は全くタイミングが合わず、5回か6回位 までは完全試合ペースでボトラの一人勝ち。しかし立ち投げのスタミナ切れはどうしようもなく、相手もなれてきた、7回頃から無茶苦茶打たれだすというパターン。今の野球とちがって当時クローザーなんて考えはなかったから、分業制がない為、ボトラはいつも敗戦投手だった。
 おお、文章長くなった。今日はここまで。連載としよう。



☆ 植草教授の件
私の掲示板に植草氏の写真にダブって「ミラーマン」の替え歌の歌詞をのっけた傑作なパロディが載った。今は消えているけど。私はもともと最初にTVで見た瞬間、彼を好きになれなかった。ちっとも笑わず眼だけギョロギョロ。言ってることがけっこう不鮮明。それでもオバちゃんたちに受けがよく、あんなのオバチャン用のイケメンなのかねえ。でもってこの夏に民主党から立候補するかも知れない等と物騒な噂の中で逮捕。スーッとしたね。森永卓郎みたいな方がスケベに見えるが、あのおっさんは絶対にやらない。能面 ぶった植草の方がやばいんだよ。

☆ 米軍誤射か外交官事件
日本の外交官二人が殺された直後からアエラの田岡氏は米軍誤射の可能性があると書き、朝日ニュースターでもしゃべりまくり、けっこうヒンシュクを買っていたが、この間の警察庁の発表の不完全さが、返って米軍説を強める根拠になっているらしい。民主党の首藤議員たちもこの問題を国会でやっているが、新聞TVはシカト。しかし、米軍はどうやら誤射だったと言ってもいいよといってるらしいが、日本国民の反応がこわく、小泉政権は知らん顔。第一、被害の車を何ヶ月もイラクに放置したり、途中の香港での不可解な時間調整。みんな情報操作には敏感になろうね。



《言いたい放題 2004/02/27版》

〈サマワの土地代〉

 自衛隊のイラク入りなんて見たくもないが、いやでも変な情報は入ってくる。CA-TVの朝日ニュースター、土曜日の「パックインジャーナル」は、実に面 白い。先週、サマワの自衛隊基地の土地借用料が話題になっていたが、今、土地の借用料で大変モメているという。  同じサマワで同規模のオランダ基地の借用料70万に対し、土地の人間は二本院対し、3億5000万を要求しているという。これじゃ話にならないが、「日本は金をバラまく」というのは世界中に知れ渡っており、したたかなアラブ人と交渉するのは至難のワザ。
 やっと向こうは1億7000万に下げたが、日本はその1割の1700万ならOKしようといってるらしい。オランダの70万に対してだよ。もし2000万くらい払うことになったら、駐留の他国の土地代にも跳ね返り、日本はまもや一斉に叩かれることになる。そんな金あるんだったら、サマワの空からまいてやればいい。もー、アホクサ。


《言いたい放題 2003/12/19版》

〈中山千夏さんからイラク情報〉

 イラク戦争は全く解らないことだらけ。物凄い情報操作の実験中なんだろう。朝日新聞の軍事評論家・田岡氏の「日本人外交官事件は米軍の誤射かもしれない」という疑いは、全てのメディアから抹殺され続けている。逮捕された奴も本当のフセインかどうかわかったもんじゃない。そんな中、中山千夏さんから貴重なイラク情報を頂いた。ここに転載させて頂く。

***〈以下、中山さんからのメール転載〉**************************

友人の歌手、趙博(チョウ・パグ)さんの個人通信からの抜粋です。
ご存じのニュースかもしれませんがお知らせしました。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【趣味的・おじゃま・しまんネやわ】 No.69
       info@fanto.org
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
  浪花の唄う巨人・パギやん の個人通信
      http://www.fanto.org

2)サマワ情報(転載歓迎)
 沖縄の平和市民連絡会は、今年の1月と5月の二度に渡ってイラクにメンバーを派遣しましたが、第3回目の訪問を終えて、本日仲間が帰国しました。自衛隊が派兵されようとしているサマワの情報を得ましたので、連絡させていただきます。
 以前も自衛隊がバクダッド周辺に派兵されそうな時に、バクダッド周辺の水事情について情報を流しましたが、サマワのライフラインはバクダッドの何倍も整っているとのことです。つまり水道も完備されており、きれいな水が出ているのです。私たちの仲間は生水を飲みましたが、下痢すら起こしませんでした。彼が持ち帰ってくれた水を私も飲みましたが、まったく平気です。
 自衛隊の主要な業務の一つとして「浄水作業」が報道され続けています。これはバクダッド派兵予定の時もそうでした。サマワは、自衛官に水を配れるくらいにきれいな水がきちんとあるそうです。
 もちろん、郊外には水道が通っていなくて給水車に頼っている地域もあるそうですがそれは戦前から同じ状況だそうです。つまり、戦争によって破壊されたのでそうなっているのではないのです。また人口比から言っても、水道がない地域に住んでいる人はごく一部です。だからほっとけということではないのですが、自衛隊が「給水作業」の為に行くという理由は否定されることになります。この事実を、自衛隊派兵反対の声を上げている方々の一人でも多くにお伝え下さい。  サマワには水があります。電気もあります。無いのは仕事です。失業率は60%を越えているそうです。自衛隊が行って仕事をしてしまっては困るのです。
     平良夏芽(タイラナツメ)日本基督教団うふざと伝道所牧師
     e-mail=natsume@otc.ne.jp
  http://www.asahi-net.or.jp/~qg2n-tir/

ChinatsuNakayama
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《言いたい放題 2003/12/17版》

〈隣の韓国で〉

 フセイン、自衛隊、とやかましい日本だが、小さい記事で申し訳ないけど、隣の韓国の首都ソウルでの、どえらい都市再開発を御存知だろうか。
 ソウルの漢河の少し北の高架道路は、ソウル中心街の最も混み合う幹線道路、その名は清渓路というが、約5キロくらい。その道は、実は昔は緑豊かな清渓川だった。そこを1970年に地下川にして、上に幹線高架道路をつくった。イケイケドンドンの号令のもと、経済躍進のシンボルともなったが、その地下化がものすごい自然破壊の原因となり、もう一度緑の川に戻そうという運動が起こり、また、そのことを公約にしたソウル市長が当選したこともあり、現在、市民の8割の賛成のもと、その高架橋を取り壊し、元の川に戻す大工事をしている。
 一方、我が東京ではどうか? どれか1本でもいいから、元に戻す工事を発案するヤツはいないのかねえ。
 石原知事よ! 軍事でカッコイイようなことをいう前に、自然を復元することを言ってくれよ!



《言いたい放題 2003/10/17版》

〈休刊近い『噂の真相』の恐ろしい最後っ屁?〉

 休刊まであと5号の『噂の真相』の今月号の小泉と青木と道路公団・藤井と野中の裏話は迫真に迫っており、読んで怖くなった。要旨、次のようである。
 道路創りのドン藤井は、数多くの道路族議員と陰に陽に付き合いがあったが、橋本派を乗っ取った青木とは相容れず、猛烈な青木つぶしを画策し、道路利権の疑惑の証拠をつかんで地検にチクり、青木は逮捕寸前にまで追い込まれたが、これを救ったのが他ならぬ小泉だったというのだ。小泉は青木つぶしをつぶす為、真紀子を更迭して、本来なら事件にもならない宗男事件を表に出して問題にし、宗男逮捕で煙幕を張り、青木を逃がしたというのだ。
 一方、道路公団民営化の動きの中で、郵政族の野中は、道路のおかげで郵政民営化の話は遠のいたと判断を誤り、総裁選寸前までノホホンとしていたが、気がついたら、青木・小泉の結束の前に自己崩壊してしまい、いまや小泉のマニフェストは郵政民営化になってしまった。今後の藤井の言動次第では、またもや青木逮捕の目は出てくるか。
 こんな強力な記事を書くウワシンが無くなるのは淋しいかぎり、あとは「2ちゃんねる」しかないのかねえ。



《言いたい放題 2003/09/10版》

〈森田実氏の講演会について〉

 9月6日の土曜日、六本木の港区役所出張所のホールで、政治評論家の森田実氏の講演会があった。港区の歯科医師会の主催で無料。私は森田氏のファン。あのやさしそうな口調でドキリとするような発言が好きで、まさにニッコリ笑って人を斬るという感じ。地下のホールはこざっぱりとしていて非常に居心地がいい。
 土曜の朝のフジテレビで森田氏を見たばかりだったので、質疑応答があるといいなあと思いつつ、3時に始まった。最初は何だか道教と政治の話でややシラケ気味。しかし後半になっての政治談義、小泉は再選されるか、という話になって聞き耳を立てると、多分、小泉は再選されるだろうという話に私の血は沸き立った。運良く質疑応答に移ったので、私はいの一番に手を挙げた。以下要約。

「私は森田先生のファンです。今朝もテレビ見たし、ニッポン放送の月曜の朝も聞いています。そこで質問です。つい1週間前くらいでしたか、ニッポン放送で先生は『日本のマスコミはみんなこぞって小泉再選といっているが、みんな誤報ばかりしている。そんなことは絶対有り得ない。私の読みでは小泉再選はどう見てもない。もし私の言うことが間違ったら私はニッポン放送のこの番組を降りる』と強い言葉を発せられました。しかし、今朝のフジテレビでは全くのトーンダウンで、多分小泉は再選されるだろうとの発言。また今日のお話でも同様です。いったい、いつどのような原因で情勢が変わったのか、また、ニッポン放送はやめちゃうのか、おききしたい」

 これを聞いた森田先生、みるみるうちに顔がひきつり、開口一番、「これは手厳しい。こんな質問されるとは思ってもいなかった。イヤハヤ、実は今、すごく悩んでいる所で、ニッポン放送、次の月曜で降りるか、もう1週やって降りるか思案している最中です」とのこと。で、何を読み違えたのかというと、堀内の降板で全く情勢が変わった、自分は絶対に堀内が出るだろうと思い込んでいたからだ、という説明。かなりシドロモドロだったけど、懸命に答えてはいた。終ってからも向こうから「イヤー、今日は鋭い質問をありがとうございました」などと言われたりした。  そして月曜の8日の朝のニッポン放送。森田氏は全くのカエルのツラにションベン状態で、平気で小泉再選の話をしている。オイオイ、少しは釈明してくれよな、別 にニッポン放送降りなくてもいいから。




《言いたい放題 2003/09/2版》
〈鎌倉の墓地騒動〉

 私の作曲家仲間であり先輩でもある鎌倉在住の櫻井順氏の近くでとんでもないことが起こっているらしい。
 住宅地の中の崖地を東京の寺が所有していて、そこを墓所にするということで、櫻井さんたちと衝突しているらしい。当然、市と業者との癒着も垣間見えるし、墓で儲けを企むような輩は自ら率先して先に墓に入るべきだ。
 で、私は櫻井さんから応援メッセージを頼まれた。以下、櫻井さんの文章ともども紹介する。

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●拝啓 鎌倉市長殿(カマクラ・リポート第12号)

えー、知らなかったのですが、体調崩されて入院されていたと伺いました。この残暑の中の激務、ご自愛下さい。今後の完全回復お祈り申しあげます。

さて、「浄明寺墓地問題」ですが、流石に由緒ある正満寺、檀家の一部から、強行建設への懸念が浮上して来て居るようで。それはそうでしょう、常識・良識備えられた方なら、寺・宗派のイメージ傷付けてまで、強行するべきではなかろうとの判断なさるのが当然。

鎌倉市、保健所当局としても、一度出してしまった「許可」を取り消すのは、技術的にはムズカシイことかも知れませんが、少なくとも形式上、「許可」の、ひとつの根拠となった筈の、正満寺殿からの「話し合い議事録」の恣意的「編集」については、寺側に責任追及されるべきです。勿論、話し合いの「途中」疑義を抱かせるタイミングで「許可」を発令したこと自体が、一番の問題ではありますが。

それと、やはり、「墓地建設反対」を、ノッケから「オサダマリの地域住民エゴ」としか捉えられない行政の硬直姿勢がアキマヘン。だから今回のように、崖地の「墓地造成」が「住民の生活の危険」にツナガリかねない、当該地域の特殊性をスッポリ見落とす結果 になりますのや。これは、担当官が現地に出向いて調べれば直ぐに分かることでしょうが。

まァ、行政側が、寺の「議事録」の作為を理由に「許可」を撤回されるか、寺側に、「諸般 の経緯・事情」から、「墓地経営」を思い止まるよう説得されるか。これが唯一、平穏、かつ常識的な事態収拾策と思われます。

実は、これは単に、今回の「浄明寺地区」のモンダイに留まるモノではなく、日本全体の「寺社の在り方」及び「一般 庶民の葬祭習俗」に関わるモンダイなのでありますよ。

「都市化」「少子化」「家族制度の揺らぎ」→「国家の揺らぎ」などスベテが、日本人の伝統的な信仰心、宗教観を掘り崩す方向を指しており、それに対して、施政者も、宗教者も、その殆どが、何の対策も講じようとしていない、お先マックラが現状。

ワタクシメの手元届いて来る、有識者連のメッセージの「矢」は、「正満寺」という宗教法人や、「鎌倉市」という行政機関をツキヌケて、実はそこまで届いているのですよ。
(中略)
本日のコメントは、プロ・ミュージシャン志向のワカモノなら、その御名知らなければモグリと言われても仕方ない、ジャンル突き抜けた全方位 型音楽カリスマ、玉木宏樹氏からのモノ。
(中略)
ムリに彼の活動範囲を御紹介すれば、

1)超絶技巧ヴァイオリニスト。
2)古典・現代音楽からエスノ、ジャズ、ポピュラー、邦楽、その他モロモロ360度の視野を包括する知識・教養と、その実践としての作曲・編曲・演奏・講演活動。
3)特記すべきは、シホン主義に強制された西欧「平均律12音」システムに「汚染」されたワレワレ現代人の「耳」を洗浄する「純正律音楽」の回復と敷衍に挺身中の通 称「ミネラル・ミュージック」教開祖。この信者数はナマジな宗派では対抗不能。
4)天才的な「耳」と悪魔的「舌」を備え、音楽に限らず、思想的偏向や、堕落芸術、ナントカ・ダック風デリバティヴの狡猾株式操作を見逃さずヒッ捉えて告発する。
5)あまりの頭脳回転率から来る高血圧から来る正義感から来る鋭敏さから来る批評から出て来る表現の下品さ猥雑さは超一流。それがこのコメントだ。

「私はお墓は嫌いだ。
 特に、死んでもなお、財産を誇示するような
 行いとか、それに群がる生臭めとか!
  私は神戸の禅寺で育ったんだ。文句あっか!

     〜青山墓地のすぐそばに居する〜 玉木宏樹」

ウム。ダマサれて「鎌倉ブランド」の墓を購入しようかという、ミーハー族の蒙昧醒ますキツーイ一発。さよ、「墓」にコダワル日本人の心性は、アジアの中でも特殊なのだよ、実は。近い内に、タイ国からのコメントお届け致すつもり。早々。

                鎌倉氏住人 櫻井 順

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《言いたい放題 2003/07/09版》
〈宝塚記念2億円話はJRAの演出!?〉

 競馬には関心のない人でも宝塚記念で2億円近い配当を一点で的中した人がいるという話は耳に入っているだろう。しかし、この話、全くよく分らないヨタ話風で、私には、恐らくJRA(中央競馬会)の自作自演による作り話だろうとしか思えない。私が把握している限りの経過を書いてみよう。
 6月29日の宝塚記念の1着馬はヒシミラクルという穴馬で単勝(1着を当てる馬券)は16倍ついた。つまり1万円買えば16万になる。そんなけっこういい配当になんと、1220万円の当り馬券を持参した男がいて、その1220万円を全部ヒシミラクルの単勝にぶっこんだというのだ。結果 、ヒシミラクル1着で配当は2億円近くになったというのだ。1220万円分の当り馬券も、少し前の安田記念の1着馬の馬券だったという。そして新聞・テレビは面 白おかしく話題提供し、競馬は大いにPRされた。しかし、報道された内容は、すこぶるつきの疑問だらけである。
 その男は前日の土曜日に高配当窓口に現れ、1220万円分の馬券を手渡し、それで全部ヒシミラクルの単勝を買いたいのだが、換金して自分で買うと危ないし、目立つし、時間がかかるので、JRAの職員に馬券購入を依頼し、1枚の馬券の最高購入金額は50万円なので24枚余りになったヒシミラクルの単勝馬券を受け取って姿を消したというのだ。そして、翌日、ヒシミラクル1着で、この話が明らかになったというのだが、この話は一体どこから漏れたのか。
 一般には絶対に分らないように処理しているのだから、漏れるとすれば本人かJRAサイドしかない。案の定、JRAサイドの人から漏れたらしいとのこと。しかし、物すごい問題なのは、この凄まじい一点買いを、日曜日の朝に報道した新聞があったというのだ。これはムチャクチャだ。そんな大それた馬券買いが分れば、けっこう何人かが便乗買いするからだ。
 昔から馬券というのは、すごい一点買いした奴がいるというウワサで、みんながそれに殺到したもので、今のようにオッズ(倍率)が事前に発表されなかった頃は、番号のついた窓口にどれだけの人間が並ぶかということで人気を測ったものだ。それがレース前の朝に、こんな重大な情報がJRAサイドからのリークで流れたとなると、半分犯罪めいてくる。テレビでは面 白がって、2億入っても4000万近くは税金でとられるとか、そんな買い方をする様な奴は過去にムチャクチャ痛い目にあってるはずだとか、フヌケのマヌケ話ばかり。しかし、その後の話は御存知だろうか。
 その当り馬券の本人はどんな人なのか、みんな興味を持っているはずだが、何日か後、その本人からJRAへその当り馬券が郵送され、全額を貧しい子供たちに寄付してほしいという手紙が入っていたという。なんという、ビ・ダ・ン! しかし、当り馬券はJRAの職員が代行して換金することはできないので、本人が直接来ないことにはその馬券は宙に浮いてしまい、遺失物扱いになるというので、JRAが当惑しているというのだが。
 みなさん、これは変だとは思わないか? 職員が換金を代行できないのなら、最初の馬券購入の代行もできないはずじゃないか。もちろん、内規もそうなっているはず。こんな変な話はないよ! 結局、誰ひとり損したものはなく(本人だって寄付したいんだから)、話題だけは全国に広まったし、これからも大レースが近づくにつれ、みんなが思い出してはタメ息をつくというわけだ。最近JRAは売上減に悩まされている。倍率だってTOTOに較べりゃ屁みたいなものだが、こんな買い方すれば、TOTO並みにはなるってわけで、下手な下手な田舎芝居にみんなだまされて、大人しい羊の様な国民だね。ハハ、かくいう私も羊年じゃあ……。



《言いたい放題 2003/5/23版》

〈人形劇の恐るべき進歩、パチパチ〉

 夕方、何気なくテレビのチャンネルをいじっていたら、NHKの教育テレビの人形劇にくぎ付けになり、見ほれて、はたまた感心した。人形が5人――ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、トランペットでアンサンブルをしている。
 それがものの見事に、実際の音楽とシンクロしており、トランペットなんて、スタッカートのタンギングまでがオーバーな動きで誇張されている。これは、人形使いが、完全に音楽を知り抜いていなければできない。もしくは、音楽家が人形を操っているのか?
 私は以前NHKの教育番組で「大きくなる子」をはじめ、かなり人形劇とつきあったが、セリフすら、全然シンクロできなかった。あまりの進歩ぶりに、しばし口アングリ。
 特に、ピアノが、実際に鍵盤までがシンクロして動いており、まるで人形が本当に演奏しているような錯覚を生む。一体どうやってるんだろう。ピアノパートはピアノプレーヤー(自動ピアノ)に打ち込んで、リプレイしてるのだろうか。すると、ピアノを演奏する人形は等身大ということになる。イヤイヤ……と思っていると、「日本語であそぼ」というコーナーになり、小学生の男女の子が、何回も調子を変えながら、「ギオンショージャのカネの声」「ショギョウムジョウのヒビキあり」を連発する。そのフリがおかしく、笑いころげていると、バックの岩が突然動き出した。「ギオンショージャのカネの声」……ヘーンな日本語の発音。それは何とKONISHIKIだった。いやあおかしい。とてもシュールで笑える。
 以前、日テレでの恐るべき「幼児」番組「カリキュラマシーン」やフジの「ウゴウゴルーガ」等の流れか。いやいや教育テレビ恐るべし。


《言いたい放題 2003/3/20版》

〈北鮮とアメリカ〉
 ついにアメリカが最後通告をした。バカ小泉が静観していればいいものを、ムキになってアメリカにポチった為、日本も苦しい立場になる。
 日本がアメリカに何かしなければならない理由を北鮮問題になすりつけている。曰く、何かあったらアメリカに助けてもらわなければならないからというのだが、アメリカがいちいち日本のことなんか考えているもんか。アメリカは自分の意志がない限り、北鮮へは手出ししない。敦賀の原発や東京にミサイルを打ち込まれても、アメリカのメンツには無関係なので、手出しはしない。逆に嘉手納や岩国の米軍基地がやられたら、日本政府が「冷静に」といくら懇願しても、絶対に反撃する。日米安保は、日本を助ける条約ではない。日本占領を永久化する条約なのだ。いちばん危ういのは、それを知ってる北鮮が、米軍基地は無視した日本への攻撃があったときだ。
 どうせ無能で無脳なら、小泉はずっと与太郎カマしとけばいいのに、ついに日本も巻き込まれてしまったね。また思考停止の日々が続く……。

〈山口雅也の『奇偶』について〉
 宝島の『このミス』の1位は横山秀夫の『半落ち』。これは最悪だったので、一緒に買った4位 の『奇偶』も期待してなかったが、これは違った。物凄い小説だ。なぜ、これを推理小説というのかな……。まあいわば、思索推理もののジャンルなのかな。そういえば少し竹本健治的でもある。
 とにかく延々と奇数・偶数にまつわる思弁、そして偶然と必然について、特にユングの「シンクロニシティ」についての考察は面 白い。
 この小説の中に実は純正律の話が出てくる。その下りは明らかに私からの引用である。なぜならグレツキの曲を純正律だと言っているのは私以外にはいないからだ。その純正律の下りを紹介しておこう。
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 ポーランドの言葉で歌われる詞の内容は、何度も聴き慣れているので、わかっていた。グレツキの《悲歌のシンフォニー》の第二楽章。弦楽器の悲しげな旋律が繰り返され、次第に天国の調べのように純化される。そこでソプラノが荘厳に歌いだす詞の内容は、ナチスの秘密警察に囚われた十八歳の娘が、失意の中で独房の壁に書いた落書から採られたものだった。
《悲歌のシンフォニー》は、《純正律》で書かれた曲だった。純正律とは、自然界に存在する自然倍音を並べ替えたものである。普通 ピアノなどにされている調律の《平均律》は、実は、オクターヴを均等に十二分割するために、少しずつキーのピッチを狂わせているらしい。
 そうした、ある意味で不自然な平均律でなく、より自然で清澄な純正律で書かれているせいか、この《悲歌のシンフォニー》は、身体を壊して神経が疲弊している今の自分が受け容れられるほとんど唯一の曲なような気がしていた。それで、寝しなにCDをセットして、小さい音量 でリピートにしたまま、薬を呑み、いつのまにか眠ってしまっていたのだ。 ――山口雅也『奇偶』(講談社、2400円)
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《言いたい放題 2003/2/18版》

〈パイプオルガンの本についての続報〉

 先日に紹介した草野厚著『癒しの楽器 パイプオルガンと政治』(文春新書、680円)を読了したので、あらためて加筆・訂正を。
 まず、草野教授の音楽に対する深い考察と憧憬の念に心を打たれた。政治学者でこんなに深く、音楽に言及できる人はまずいないし、ここまで力強くフィールドワークをできる人もいないだろう。
 先日、紹介したのは、大宅映子氏のラジオからのひきうつしだったので、かなり間違いがあったので、その訂正を。
 40都道府県というのは間違いで、全国の自治体にある40のオルガンを調べたということだった。面 白いのは、関東から東北にかけてがオルガン設置が多く、関西から九州は意外と少ないということ。
 なるほどと思えるのは、私は、広島県の福山市にあるリーデンローズというすばらしいホールと少し関わりがあって、年に何回かは、作曲とか演奏で訪れている。大理石の目を見張る大ホールなのだが、私がほっとするのは、パイプオルガンがないということなのだ。でも、所詮、ハコモノに対する補充はたいへんな作業であり、館長の卜部さんが現役の音楽家だから、ユニークで力強い活動ができているが、こんな例は珍しいだろう。
 さて、私は、草野教授が、オルガンを弾きたいと言っても断られたようなことを書いたが、実はそうばかりとはいえず、いろんな所では演奏もできたということ。そしてまた、本当にマジメにオルガンと接し、なんとか市民との接触をはかる人たちやオルガニストも少なからずいるということはよく分った。しかし、この本の後半では、池袋の芸術劇場をはじめ、信じられないような硬直と癒着?としか思えない怪しげな発注によるオルガンの情けない状況が露呈される。ここでは主に芸大関係の人脈が語られており、それは、まず間違いなかろうが、この本ではそれほど多くは語られていないのが、松尾楽器の存在である。
 私はそれこそ、いろんなことを知りすぎている立場なので、これ以上は書かないが、ひとつだけ。もう20年前くらいになるだろうか。芸大のヴァイオリン教授、海野義雄氏が、イタリアの銘器ガダニーニ購入に際し、特定の業者(神田商会)と癒着して賄賂をもらったとして失脚した事件があったが、それと同様に、松尾楽器は重要な触媒となっているのは間違いない。
 ヤバい。これ以上は打ち止め。
 とにかく、この本は面白い。ぜひ一読を。



《言いたい放題 2003/1/29版》

〈日本のパイプオルガンの悲惨な状況〉

 テレビ朝日の「サンデープロジェクト」で、辛口コメンテーターとして有名な慶応大学教授・草野厚氏が、文春から日本のオルガン状況を告発する本を出したそうだ。私はまだ買っていないが、ラジオでの紹介がとても面 白かった。
 氏は慶大を留年しているが、その理由がなんと、芸大の指揮科を2年続けて落ちたというのだ。2年目は最終まで残ったらしいのだが。
 そんな彼が、日本のハコモノ行政批判の為に、全国のオルガン設置のホール事情を調べた本である。
 まず驚くのが、全国の都道府県中、40までもが、パイプオルガン設置のホールを持っている異常さ。キリスト教の礼拝とは無関係な国なのにである。そのすごい数のオルガン設置のプロデューサーを辿ると、すべてが芸大の2人の教授につながる。完全な利権構造。そしてひどいのがメンテ。
 また、そのオルガンは一般市民には開放されておらず、特殊なプロでないと演奏許可がおりないという。草野氏は芸大を受けたくらいだからピアノは達者なのだが全く認めてもらえなかったという。
 私は前から日本のパイプオルガン事情には苦言を呈していたが、さもありなん。あるスペインのオルガニストが日本に来て一言。「こんないろんなオルガンに会ったのは日本が初めて」。つまり、メンテ不調の皮肉である。オルガンの維持費もバカになんないし、オルガンでカラオケやるわけにもいかないし、困ったモンだね。


玉木宏樹の言いたい放題・2002-1999年版に続く

玉木宏樹に一言言いたい!

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