でんぱ組.incのはじまり
でんぱ組.incは、私が初めてプロデュースしたアイドルユニットです。プロデュースって、いったい何から始めれば良いのか? 全くわからないし、私もディアステージのお店をなんとかビジネスにすることに忙しく、そこまで手が回っていない状態でした。ですが、メンバーの古川未鈴ちゃんから、「どうしてもアイドルユニットがやりたい」と何度も何度もお願いされていて、ついに重い腰をあげてユニットを作ることにしたのです。
前々から、1つアイディアだけはありました。「電波ソング」を歌うアイドルユニットを作ること。電波ソングは、もともと私が秋葉原へと興味を持つきっかけにもなった音楽ジャンルです。それを中心にしたアイドルは今までにないんじゃないかと思いました。それで、電波ソング界で活躍されていた方々に、楽曲制作をダメもとでお願いしてみたら、OKをいただいて。それで、ディアステージの中からメンバーをどんどん増やしていって……。
トイズ・ファクトリーさんでCDリリースが決まるまでの何年かは、本当にメンバーも私も手探り、手作りでのアイドルユニットでした。
だから1月20日のZEPP TOKYOでのライブは本当に嬉しかったですね。こんなにたくさんの人が、でんぱ組を見に集まって来てくれたということが奇跡のようで、本当に感動しました。
これまで辛かった時のほうが多かったので、報われたという気持ちになりました。
お客さんが少なくて、泣きそうになりながらチラシ配りをしたこととか、握手会に人がいなくて、同じ人が何回もループして握手してくれたりとか……。以前はアニソンライブに出演しても、「でんぱ組はアニソンじゃない」と拒否反応され、アイドルとの対バンライブに出演しても、「でんぱ組はアイドルじゃない」と拒否され、常に居場所がなかったんです。そんな中でも、やっぱりホームの「秋葉原ディアステージ」だけは温かくて、それに救われていました。チラシ配りに全員で行って、今日は貰ってくれる人がいて良かったねとか、全然チケット売れなかったね、とか、ディアステージの楽屋に戻ってみんなで一喜一憂していたことがつい昨日のことのようです。
今では、アイドルライブでもアニソンライブでも怖くないユニットに育ったと思います。そうなったのは、他ならぬファンの方々のおかげです。どんなジャンルのライブにも駆けつけてくれて、一番盛り上げようとしてくれる。でんぱ組のファンの方達は本当に意識が高いというか、考え方がめちゃめちゃカッコいいんですよ。いつもファンの方々を見て常に尊敬しています。数十人しか集まらないライブのころから応援してくださっている方々が今も変わらず声援を送って下さっていて、さらに新しいファンの方々とも楽しくやっていこうという姿勢でいてくれているのがでんぱ組の大きな支えですね。
でんぱ組.incメンバーのこと
cakesは定額課金(週150円)の有料コンテンツサイトです。この記事の続きをお読みになるには購読手続きをしていただく必要があります。購読手続きをしていただくと、この記事だけでなくcakes上の多彩なコンテンツが読み放題になります。