観衆61人
◆第1試合
シングルマッチ10分1本勝負
趙雲子龍(新北京プロレス)○
vs
くるみ×
(9分19秒 棒棒鶏)
中学生vs中国人のシングル対決は、序盤戦からめまぐるしく動きの早い攻防が展開された。切り返しにより攻守が変わり、相手の一手先を読む仕掛けがあったりと、試合はあっという間に5分経過、6分経過…と進んでいく。最後もまさに切り返しの攻防。先に丸め込みを決めたのはくるみだが、これを切り返した趙雲は、くるみの腕を固定すると、そのままスライドする形で丸め込むホールド「棒々鶏」を決めてのフォール勝ち。残り試合時間42秒でのフィニッシュとなった。
◆第2試合
トライアングルリボン15分1本勝負
木村響子(フリー)○
vs
つくし×
(10分18秒 横込り式エビ固め)
※もう一人はヘイリー・ヘイトレッド(フリー)
前日オファーで試合出場はOKした木村響子だが、
試合形式がトライアングルリボンになったことが納得できず、
試合前からイライラ気味。
それでなくても「アイスリボン嫌い」を公言する木村は、
その気持ちをぶつける標的をつくしに定め、
ヘイリーに耳打ちすると、スタートから2人がかりでつくしを痛ぶる。
つくしも何度となく反撃を試みるものの、
さすがにヘイリーと木村の2人が相手では、流れを変えることができない。
そして主導権を握っていたのは終始、木村だった。
ヘイリーとやり合う場面も見られたが、自身のピンチは巧みに回避。10分過ぎ、場外に逃れて戦況を見守りながら息を整えていた木村は、リング上でヘイリーのバックに回ったつくしの動きを見逃さず、サッとリングに滑り込むと、そのつくしの後ろに回り込んでの横入り式のエビ固め。最後もきっちりと木村が勝利をもぎ取った。
負けたつくしは試合後の座談会で「小さい頃に女子プロレスを観に行ったとき、木村さんにはバナナをもらった記憶があるんで、私は木村さんが大好きです!」と木村にラブコール。アイスリボンへの継続参戦を熱望した。
◆第3試合
シングルマッチ 時間無制限3本勝負
○志田光(2-1)松本都×
※当初シングルマッチ10分1本勝負の発表だったが、松本都のアピールにより、崖のふちルール3本勝負に変更となった。
≪1本目/一発芸デスマッチ対決≫
×志田(判定)松本○
【演目】
志田:DDTの大家健選手
松本:キテレツ大百科のコロ助(のED曲)
≪2本目/志田フラッグ対決≫
○志田vs松本×
(志田の代理人・姉崎レフェリーの脇固め&顔面かきむしり)
※松本と志田の代理人・姉崎レフェリーが寝そべった状態からダッシュし、リング内の志田に先に攻撃した方が勝ちとなるルール
≪3本目/プロレス対決≫
○志田vs松本×
(4分38秒 魂のスリーカウント→片エビ固め)
開始のゴングが鳴る前に早くもマイクを手にした都は「志田! この前の試合(=9月5日)見てたよな。私、23日の後楽園でお前のベルトに挑戦する紫雷美央に勝っちゃったんですよ。悔しいだろ?」と挑発し、前回同様、崖のふちルールでの試合へと志田をいざなう。都の要望をしぶしぶ了承した志田に待っていた1本目の勝負は、一発芸デスマッチ。先攻の志田はユニオンの大家のマイクアピールのものまね。対する後攻の都はキテレツ大百科のコロ助のものまねで「はじめてのチュウ」を熱唱。この対決は「自信あり!」と語っていた都が判定勝ちを収めた。
2本目は前回同様、姉崎レフェリーをフラッグにしての姉崎フラッグかと思いきや、都がフラッグ代わりに指名したのは志田。そして姉崎レフェリーを志田の代役として、入場ゲートから同時に走り、志田に先に攻撃を仕掛けたほうが勝ちとした。これが都にとってはまさかの計算外。先にリングにたどり着いた都だが、志田の反撃を食う。続いて志田に挑んだ姉崎レフェリーも反撃を受けたものの、これをうまく切り返してグランドのフェースロックで志田を捉え、2本目を奪取。これで勝負は1-1。計算が狂った都は、何を思ったか、3本目は「胸を貸してやる」とプロレスで勝負に出た。
志田にしてみれば、望むところの決着戦だったが、スタートから都のエビ固め、逆さ押さえ込みといった丸め込み技に苦しみ、中盤でも都の予想以上の粘りにリズムを狂わされるなど、思わぬ苦戦を強いられた。最後は魂のスリーカウントで勝利をモノにし、2-1のスコアで3本勝負を制した志田だが、試合後の都の「私の屍を超えて…23日は絶対に防衛してよね! 私がセコンドについてあげてもいい」とのコメントにはなぜか妙な説得力があった。
ただし、座談会の席で、未だに後楽園の対戦相手の見つからない都は、木村響子に対戦を要求するも断られ、ハム子にWAVEとの6人タッグのメンバー入りを進言するが、これも断られ、「天才は敵が多いのでしょうがない。また万人の(挑戦希望者の)中からふるいにかけたいと思います」と語ったが、そちらのほうは説得力皆無だった。
◆第4試合
タッグマッチ20分1本勝負
藤本つかさ○
NOZOMI(東京女子プロレス)
vs
星ハム子
成宮真希×
(14分49秒 ビーナスシュート→片エビ固め)
後楽園大会でWAVEとの6人タッグ戦が決まっているハム子と成宮が、試運転とばかりにタッグで登場した。開始早々、目突きからの丸め込みを披露したハム子。この辺は対WAVEを意識しての攻撃であることは明らか。さらに藤本を標的にして成宮との連係、タッチワークもみせ、チームとしては上々の滑り出しを感じさせた。しかし、その2人以上に試合をコントロールしていたのが藤本だった。攻められながらも、ちょっとした相手の隙を見つけて反撃に出る。NOZOMIがハム子、成宮のけん制に合い、なかなか試合に入ってこれないにも関わらず、孤軍奮闘の藤本のほうが、試合が進むにつれて、優位に見えてくるのだから、その気迫は相当なもの。最後もハム子、成宮に連続してビーナスシュートを決めて、勝ち星までもぎ取ってしまった。
試合後の座談会、都の6人タッグのメンバー入りを即座に断ったハム子は「残りのX…私はもう決めていました。藤本つかさ、Xに入ってください」と、この日の試合でもその力を確信し、藤本を指名した。ところが、なぜか藤本は浮かない表情で「お断りさせていただきます。私は今回、第一試合からメインまで試合をじっくり見たいと思っていて…それで迷っているんです」と消極的な返答。この言葉に反応したのが木村。売店から座談会を眺めていた木村は、リングサイドまでやってくると「お前、試合しなくてもいいと思っているのか! 自分の団体のビックマッチに出ないなんて、そんなヤツはプロレス廃業しろ!
最近のアイスリボン、(選手が)辞めていったりしているんだろ? エースのお前がそんな発言していいのか? やる気あんのか? あるなら、それを見せてみろ!」と“大嫌い"なアイスリボンの現状を気にしつつ、結果的に藤本にエールを送る形になってしまった。
この発言を聞いた藤本の表情が一転。「木村さん、引っかかりましたね…」とほくそ笑むと「アイスリボンのこと、めちゃくちゃ詳しいじゃないですか! ハイ! 自分がXになります! 木村さん、目を覚まさせてくれてありがとうございます! これからも継続参戦、よろしくお願いします! またオファーしてもいいですよね!」と木村に向かってにっこり! 「な、なんで上目線なんだよ…」と珍しく戸惑う木村を尻目に「アイスリボン対WAVE、決まりました! やるからには自分がキャプテンとして、必ず勝ちたいと思います!」と藤本。ハム子、成宮にとっては最強のXが加わり、後楽園のWAVEとの6人タッグはGAMI、桜花、水波vs藤本、ハム子、成宮に正式決定。いきなり主役の一角に躍り出た藤本は、それと同時に木村の本音まで引き出すことに成功した。
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