菊正宗酒造:「鏡開き」減少でピンチ、酒だる文化を守れ 職人を育成−−神戸

毎日新聞 2013年05月29日 大阪夕刊

杉の板を削って酒だるを仕上げていく職人=神戸市東灘区の菊正宗酒造で、山川淳平撮影
杉の板を削って酒だるを仕上げていく職人=神戸市東灘区の菊正宗酒造で、山川淳平撮影

 日本有数の酒所、灘五郷(ごごう)の大手酒造会社「菊正宗酒造」(神戸市東灘区)が、これまで外注していた酒だるの自社製作に乗り出した。酒だるは祝いの場の鏡開きなどに欠かせない存在だったが、瓶詰の普及に加え、飲酒運転撲滅のため鏡開きを控える傾向が広がったことから需要が減少。製作業者が激減する中、高度な伝統技術を受け継ぎ、「酒だる文化」を守ろうと、職人の育成にも取り組む。【山川淳平】

 酒だるは、日本酒が漏れないように板を組み合わせる高度な技術が必要で、室町時代から江戸時代にかけて広まったとされる。

 江戸時代から酒だるを作る「たるや 竹十」(神戸市灘区)の西北八島社長(64)によると、江戸時代には全国に500以上の業者がいたが、現在は9社になった。全工程を1人で作ることができる職人も、明治時代中ごろに灘五郷だけで約2700人いたのが、今は全国で約10人が残るだけという。

 国税庁の統計によると、日本酒の消費量は焼酎やワインなどに押されて減少傾向にあり、2011年度は60万1000キロリットルで、20年前の半分以下。菊正宗酒造では、12年度のたる酒の出荷量が約920キロリットルで、ピーク時の半分に落ち込んだという。

 同年、取引先の製作業者が廃業したため、職人3人を雇用し、今年2月から酒だるの独自製作を開始。専用工房で、吉野杉の板を円筒状に組み合わせたり、たるの外側にはめる「たが」を竹で編んだりする作業を続けている。

 同社は「技術や文化を絶やさないため、今後は社員にも酒だるの製作技術を学んでほしい」と話す。竹十の西北社長も「いつ廃業してもおかしくない業者が多い中、大手の酒造会社が自ら製作に乗り出すことは、文化継承のモデルになる」と期待を寄せている。

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