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発表当時は問題日本語だった『なごり雪』が<季節の言葉>に
シンガーソングライターの伊勢正三さんとラジオでお話しした。1974年にかぐや姫のアルバムの収録曲として発表され、翌75年にはシングル発売されイルカさんが歌い、スタンダードナンバーとなっている名曲『なごり雪』の作者でもある。
「なごり雪」は女性セブン(2013年11月17日号)「思い出の名曲ランキング」の「好きな泣ける曲部門」ランキング第3位。
そして「青春の思い出の曲部門」では第1位!
サザンやミスチル、ユーミン、松田聖子さんなどを押さえて堂々の首位だ。
梶原「良い曲ですねえ。ところで、日本気象協会が募集した新しい季節の言葉36選、3月の三つの中にこの<なごり雪>が選ばれたってご存知でしたか?」
伊勢「ものすごくうれしかった! 実はこの曲を発表した当時、なごり雪、という言葉についてちょっとした問題提起がなされました。粉雪、細雪はあっても、なごり雪、などという雪も言葉も存在しない。勝手にこんな言葉を作られては日本語の乱れを助長する。「名残の雪」に変えたらどうだとまで言われたんです。作り手としては<の>はどうしても入れたくなかった。曲はヒットしましたがモヤモヤは残りました。あれから40年近くたって気象協会の<季節の言葉>に選ばれたと聞き、胸のつかえが下りた気分です……」
季節の言葉36選を選ぶ側の一人として、私は選考過程を知っているが、歌人、国語学者、暦学者など、専門も年齢も様々な委員達で「日本語として問題だ」と「なごり雪」に異を唱える人は誰もいなかった。
長きにわたり多くの人に歌い継がれるうち「なごり雪」はすっかり「適切な日本語」としての地位を築き上げた。「流行歌の力」はスゴい、と思った。
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