台風30号によるフィリピンの被災者支援のため、小野寺五典防衛相は12日、自衛隊に派遣命令を出した。統合幕僚監部から派遣する自衛官2人が同日中にマニラに入り、13日には自衛隊の医官ら48人も現地入りして医療活動にあたる。

 フィリピン政府から12日に自衛隊派遣の要請があった。小野寺防衛相は「まずは医療支援になるが、物資を含めた生活支援も重要になる。必要とされれば随時増員していくことを想定している」と話した。防衛省は今後、フィリピン政府と調整した上で、陸上自衛隊の部隊や艦艇などを派遣して活動を拡大させることも念頭に置いている。

 12日に成田空港からマニラへ発った2人のうち、中西信人(のぶとし)・1等陸佐(50)は、出発前に報道陣に「大切な友人であるフィリピンの方々に寄り添い、できるだけのことをしたい。日本のみなさんの気持ちを代弁してきます」と語った。

 自衛隊が国際緊急援助活動に派遣されるのは1998年以降、14回目。